福井県 一乗谷朝倉氏遺跡(2)2017年05月05日

前回の続きです。
町並復元地区の南側にある駐車場にバイクを停めます。 この辺りは十分な広さの駐車場があるので停める場所には事欠かないです。

南北幹道
土塀に囲まれた南北の幹線道路を当時の服装を着た人が歩いていたりします。 映画の中にいるような不思議な空間です。
ただ、1573年に織田信長によって攻め滅ぼされる事を考えると、生活感を感じるだけに何とも言えない気分になります。
一乗谷朝倉氏・南北幹道

一乗谷朝倉氏・南北幹道

一乗谷朝倉氏・南北幹道

南北に細長い城下町ですが、庶民的な家屋は東側に、寺院や武家屋敷などは西側に集まっていたようです。 土壁の家屋で、板葺きの屋根に石を乗せています。
一乗谷朝倉氏・住居

一乗谷朝倉氏・住居

一乗谷朝倉氏・住居

月見やぐら展望所
この急な階段を登った先が月見やぐら展望所になります。 ここから城下町が一望できます。
江戸時代に描かれた「一乗谷古絵図」では、月見山と記載されており、その周辺には土塁や空堀などの遺構が見つかっているそうです。 当時、本当に櫓があったのかは定かではありませんが、見渡しの良い場所なので、何らかの施設があったかも知れません。
一乗谷朝倉氏・月見やぐらへ

一乗谷朝倉氏・月見やぐらからの眺め

朝倉義景館
一乗谷川を挟んだ城下町とは反対側に、外堀に囲まれた朝倉義景の大きな館があります。
ここが現在のメインの入り口となる西門。
当日は「越前朝倉曲水の宴」と題する催し物が行われてましたが、到着した時は既に終了...。
撤収作業をしている最中でした。
一乗谷朝倉氏・朝倉義景館

御殿には規模は小さいですが池を備えた庭もありました。
山の方から池に水を引いていたようなので、当時は滝のように水が流れていたのかも知れません。 なかなか演出が細かいです。
一乗谷朝倉氏・朝倉義景館

裏山から館を眺めた所。
ちょうど中央辺りに花壇のような物が見えますが、そこが中庭で、そこの右側の広い部分が常御殿で、生活空間として使用されていた場所です。 
木で半分くらい隠れてますが、中庭を挟んで左側の方が主殿で、接客などに使用されました。
左下の部分が会所・泉殿で、先ほどの庭園に面しています。
一乗谷朝倉氏・朝倉義景館

朝倉義景公墓所
館跡の傍らに信長に敗れ自刃した一乗谷五代・朝倉義景の墓所があります。
朝倉義景の墓所は大野市にもありますが、こちらの墓所は村民が供養の為に建てた祠を江戸時代の福井藩主、松平光通が整備した物のようです。
一乗谷朝倉氏・朝倉義景公墓所

一乗谷朝倉氏・朝倉義景公墓所

湯殿跡庭園
館跡の南側にある庭園です。 現在は大きな石がゴロゴロしているだけですが、当時は山側から水が引かれており、石庭ではなく池が存在していたようです。
この庭園が造られたのは一乗谷四代・考景頃になります。
一乗谷朝倉氏・湯殿跡庭園

一乗谷朝倉氏・湯殿跡庭園

中の御殿跡
湯殿跡の南側にあるのが中の御殿です。 境目には大きな堀切の跡が現在でも見て取れます。 中の御殿は義景の実母光徳院の屋敷跡だと考えられてますが、土塁や空堀で囲まれていて、かなり厳重に防御されています。
一乗谷・中の御殿跡の堀切

山側には大きな土塁が見えます。 案内図を見ると土塁の奥には空堀も掘られているようです。 礎石が置かれているので、恐らく発掘調査などで建物の痕跡も見つかっているのだと思います。
一乗谷・中の御殿跡

諏訪館跡庭園
義景の夫人小少将の屋敷跡とされる場所です。 中の御殿跡のように疎石が置かれてないので、建物の規模など詳しい事は分かっていないのかも知れません。
今でも滝部分には水が流れていて、当時の面影を一番残している庭園なのかも知れません。
一乗谷朝倉氏・諏訪館跡庭園

一乗谷朝倉氏・諏訪館跡庭園

米津
諏訪館と一乗谷川の間に位置している地域で、敷地内からは炉の跡も見つかっています。
この辺りは重要な場所であったようで、刀装具の制作なども行われていたようです。
一乗谷朝倉氏・米津

当日は「越前朝倉曲水の宴」が行われてたので、そのイベントの一つだと思いますが、そばやうどんがその場で作られてました。 ひたすら作り続ける職人さん、大変そうです。
自分も食べましたが、美味しかったです。
一乗谷朝倉氏・イベント

一乗滝
一乗谷朝倉氏遺跡跡から多少、離れているのですが、バイクで移動すればすぐの場所にあるので立ち寄りました。 駐車スペースが小さいので車の場合は止める場所に苦労するかも知れません。 自分はバイクなのでトイレの脇に停めさせてもらいました。
案内板では、この滝の上方に 717年頃に建立された白滝神社があるそうですが、大変そうなのでそこまでは行ってません...。
一乗滝

この滝は、この方、佐々木小次郎のおかげで有名でもあります。
一乗滝は、小次郎が「燕返し」を編み出す為に修業した場所でもあるそうです。
一乗滝・佐々木小次郎像

一乗谷はいろいろと見所の多い所なので、時間に余裕を持って来たい場所でした。
次は一乗谷城の方にも登ってみたいのですが、西山光照寺跡の付近で「熊出没注意」の看板を見かけたので、ちょっと不安になりますね...。