東京都 小河内ダム2019年09月14日

東京都の水源確保を目的として 1938 年に工事を開始しましたが、途中、戦争による中断もあり完成は 1957年になります。 なお、奥多摩湖は小河内ダムによって造られた人造湖です。
ダム工事にあたりグラウティングによる地盤改良が行われており、また、資材運搬の為の鉄道工事まで行われています。 奥多摩駅より先に鉄道があった事は知りませんでした。
小河内ダムでは発電も行われており、青梅市や多摩地区への電力供給にも充てられています。

水と緑のふれあい館
小河内ダムのダムカードはここの受付で配布しています。
前回、白丸ダム訪問時にこのダムを訪問しましたが、その時は在庫切れだった為に今回の再訪になります。 これで東京都のダムカード2枚が全て揃いました。
館内には地域の風習や昔の道具、水資源に関する展示などがあります。
水と緑のふれあい館

水と緑のふれあい館

ヘリポートも兼ねた第2取水施設付近です。
ここから取水した水は、ダムの下にある多摩川第1発電所へと供給されてから多摩川に放水されるようです。 奥多摩湖はこの辺りでも水深 42m もあり、ダム堤体付近の最深部では水深 142m にもなります。 想像していたよりもかなり深い湖です。
小河内ダム・第2取水施設付近

奥多摩湖畔には 2007年の小河内ダム竣工50周年記念事業によって設置されたモニュメントがあります。 どうやら日時計になっているようで、周辺には小河内ダムの歴史に関するパネルが設置されています。
小河内ダム・日時計

小河内ダムは非越流型直線重力式コンクリートダムと呼ばれる構造で、ダム堤体には洪水吐が設置されていません。 左手前にあるのがダム堤体の脇に設置された5門あるローラーゲートです。
奥に見えるのがダム堤体です。
小河内ダム

ローラーゲート部分です。
ローラーゲートとは、扉の両側にローラーが取り付けられた引き上げ式の水門です。
水門の先は意外と緩やかな斜面でした。
小河内ダムは何度も訪問してますが、この水門が開いている所は一度も見た事が無いですね...。
小河内ダム

小河内ダム

小河内ダム

ローラーゲートの先にあるダム本体に向かいます。
ダム管理事務所の少し先に湧き水が出ている場所があります。
ダムの近くからこれだけ勢い良く湧き出ているのを見ると、地盤的にダムに適しているのかちょっと心配になります...。
小河内ダム・湧き水

ダム堤体は、幅 353m、高さ 149m もある大きな物です。
堤体上部にある白い建物の内、奥の方は展望台として開放されています。 展望台にはダム周辺の地図や、ダムに関する資料なども展示されています。
堤体上部にある手前にある白い建物はエレベーター塔です。 こちらは立ち入る事はできません。
小河内ダム

小河内ダム

ダムの上から下を眺めた所。
白い建物が多摩川第1発電所で、最大 19,000 KW の発電能力があります。
プールのような部分は水じょく池と呼ばれる施設です。
小河内ダム

慰霊碑
ダムの対岸にあった慰霊碑です。
小河内ダムの工事では87名の方が亡くなっている事からも、難工事だった事が解ります。
また、ダムの建設により、945世帯の移転が必要でした。
小河内ダム・慰霊碑

コンクリートバケット
小河内ダムの建設に使用されたコンクリートバケットが展示されていました。
これ1個で 6㎥ のコンクリートを運搬する事が出来ます。
小河内ダム・コンクリートバケット

ドラム缶浮橋
奥多摩湖には麦山と留浦に浮き橋が架けられています。
今は、ポリエチレン・発泡スチロール製の浮子ですが、昔はドラム缶が使用されていました。
そう言えば、奥多摩湖の浮き橋は一度も渡った事が無いですね...。
なお、浮橋は水位が下がると取り外されている場合があるようです。
小河内ダム・ドラム缶浮橋

次は、神奈川のダムカード制覇を目指そう...。