東京ステーションギャラリー 鉄道開業150年2022年10月10日

1872年、新橋~横浜間で日本初の鉄道が開業しました。 今年は鉄道が開業してから 150年目になります。 東京ステーションギャラリーで「鉄道と美術の150年」が開催されていたので見学する事にしました。
東京ステーションギャラリーは東京駅丸の内駅舎内にある美術館です。 1988年に開館したので意外と昔からあるのですが、今まで存在を知りませんでした。

東京駅
東京駅は千代田区丸の内にある東京の中心的なターミナル駅です。 開業したのは 1914 年なので、鉄道開業から意外と時間が経過しています。
皇居正面に建てられる駅なのでシンボル的な役割もあり、設計は辰野金吾と葛西萬司です。
耐震性も優秀で、関東大震災の時もほとんど損害は無かったようです。
しかし、東京大空襲では焼夷弾による攻撃によって屋根は焼け落ち、内装も焼けてしまいました。
東京駅

駅舎は空襲後に修復されますが、損傷が激しかった3階部分は取り除かれ、両サイドのドーム状の屋根も中央部分と同じような台形に変わりました。
しかし、2007 年から東京駅を元の姿に復元する工事が始まり、2012 年に復元工事が完了しました。 また、地下1階、2階が増築され、免震装置も取り付けられています。 免震装置により、建物全体が最大 30 cm ほど動く事があるようです。

東京駅

東京駅

東京駅

東京駅外壁の煉瓦には覆輪目地と言う日本独自の技法が使われています。
覆輪目地とは、煉瓦を目地をかまぼこのように盛り上げる技法で、煉瓦をより美しく見せますが、熟練の技術が必要です。
東京駅・覆輪目地

ドーム部分の内装も美しいです。 修復前はもっとシンプルでした。
内観は当時の写真を参考に復元しているようです。
明り取り用の窓も効果的です。
東京駅内部

東京駅内部

東京駅

東京ステーションギャラリー内部
展示物以外にも、建物の外壁自体が見所でもある美術館です。
階段や、休憩所の外壁も当時の煉瓦が使われていて非常に美しいです。
東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリー

煉瓦のキズは戦前の修復工事の時にモルタルを流し込む為に意図的に付けられた物です。
また、黒い部分は内装取付用の木レンガが東京大空襲の火災で焼けて炭化した物です。
この傷んだ煉瓦自体が東京駅の長い歴史を物語っています。
東京ステーションギャラリー

第八号階段手すり、旧第七号階段手すり
展示会場内の撮影は出来ませんが、2階回廊の展示物は撮影OKでした。
2階回廊には、2007年からの修復工事で見つかった当時の建材などが展示されています。
写真は創建時に食堂があった場所に現存していた手すりです。
東京ステーションギャラリー・第八号階段手すり

3階回廊プラケット(月の満ち欠け)、旧第七号階段ブラケット
創建時の駅舎南北ドーム3階回廊の支えとして使われていたブラケットで、月の満ち欠けがデザインされています。 戦災後の修復工事で撤去されてましたが、2007年からの修復工事で別の部材として転用されていた事が見つかりました。
当時のデザインを現代に伝える貴重な資料ですが、それ以前に、錆びた部材自体が独特な味を出ています。
東京ステーションギャラリー・3階回廊プラケット

東京ステーションギャラリー・旧第七号階段ブラケット


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