沖縄県 玉陵2023年03月19日

首里城の後、すぐ近くの同じく世界遺産である玉陵(たまうどぅん)に行く事にしました。
玉陵は、1501年に尚真王が父親の尚円王の遺骨を改葬する為に建立された陵墓です。
以降、第二尚氏王統の陵墓になりました。
1406年、佐敷按司だった巴志が挙兵して中山王を滅ぼします。 巴志の父親である思紹が中山の王に即位し、尚氏を名乗ります。
尚巴志は 1416年に北山を滅ぼし、1421年には尚思紹王が薨去した事により王位を継ぎます。
尚巴志は 1429年に 南山を滅ぼして琉球を統一し、初代の琉球王となります。
しかし、尚氏7代目の尚徳王が薨去すると、クーデターにより金丸が王になります。 金丸は尚円王を名乗り、第二尚氏による統治が始まります。 玉陵は、その第二尚氏の陵墓です。

入り口でチケットを購入後、奉円館が展示物を見学します。
閉館時間に近かったので、足早に見学を済ませて陵墓の見学に向かいます。
参道の周辺に植えられているの大きなはガジュマルの木のようですが、ツルが絡んでいて南国っぽくて良い感じです。
玉陵・参道

(玉陵・周辺の樹木)

陵墓の第1門
石垣の積み方が非常に綺麗です。
今まで見てきた沖縄の城郭のアーチ門と違い、平たい作りの石の門です。
非常にシンプルですが、神聖な雰囲気が伝わってきます。
沖縄戦で大きな被害を受けますが、1974年から 3年かけて修復されました。
2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産登録されています。
玉陵・第1の門

玉陵・第1の門

陵墓前の広場
第1の門を通った先は広場になっています。
ここは神の島・久高島の珊瑚が魔除として敷かれているようです。
玉陵・陵墓前の広場

玉陵・陵墓前の広場

広場を眺める玉陵碑。
8人の名前が記載されているようです。 が、かなり傷んでいますね。
戦争の影響もあるのかも知れません。
首里城に軍司令部が置かれた事から、首里城周辺は攻撃対象になりました。
玉陵もかなりの被害を受けました。
玉陵・玉陵碑

玉陵の第2門
何か意図があるのか不明ですが、第1門と第2門は少しずれた場所にあります。
こちらの門は石造りの屋根があります。
この先が陵墓になります。
玉陵・第2門

陵墓は、東室、中室、西室の3つの墓室が並びます。
中室、西室が一直線に並び、円塔の部分で少し角度がついて東室が並びます。
詳しい事は知りませんが、東室は後から増築したのでしょうか?
玉陵

玉陵

西室
王子や王女が眠る部屋です。
パンフレットの写真を見ると、部屋の側面が一段高くなっており、そこに厨子甕が安置されています。
また、その手前が祭壇になっているようです。
玉陵・西室

玉陵・西室

中室
洗骨前の遺体を安置する部屋です。
昔の沖縄では、棺を墓室内に安置した後、数年後に遺骨を洗い清めて改葬する「洗骨」が主流だったようです。 日本で「洗骨」が行われていたのは沖縄や奄美など一部ですが、海外でも行われている風習のようです。 埋葬方法が土葬から火葬に移り変わった事により「洗骨」は減少します。
今でも行われているのでしょうか? 法的に大丈夫なのか気になりますが...。
玉陵・中室

東室
王と王妃の遺体を安置する部屋です。
墓室の周辺は、さらに4つの墓室があります。
37個の厨子があり、尚円王からの国王、王妃ら40人が埋葬されています。
ここだけ扉が無く、白い漆喰のような物で塞がれています。 パンフレットの写真を見ると普通に扉があるので、破損でもしたのでしょうか?
玉陵・東室

東岩巻石の上の雌獅子。
どうやら、子供の獅子をあやしているようです。
他であまり見かけない、珍しい獅子です。
玉陵・東岩巻石の雌獅子

東の御番所
第1門の奥にある建物です。 現存してませんが、手前の方にも西の御番所がありました。
東の御番所は、法事の時に国宝の控所として使用されていました。
但し、戦前には2間四方しか無く、倉庫のような使われ方をしていました。
発掘調査により礎石跡や石敷などが見つかり、現存する資料なども分析調査して現在の姿に復元しました。 でも、国王の控所にしては意外と質素な感じがします。
玉陵・東の御番所

玉陵・東の御番所

玉陵・東の御番所

さぁ、明日はいよいよ、今回の沖縄旅行最後の目的地、中城城です。


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