愛媛県 能島城(1)2024年05月04日

能島城は愛媛県今治市の能島にある海城で、続 100名城の一つです。
能島村上氏は芸予諸島を中心に勢力も持つ海賊でした、 1419年頃、村上氏は能島村上家、因島村上家、来島村上家の3家に分立しており、その頃に能島城が築城されたとの説があります。 その後、村上氏は大内氏や毛利氏などに加勢して勢力を伸ばしていき、1555年の厳島の戦いにも毛利氏方として参戦しています。
毛利氏と大友氏が対立すると、1571年、大友氏側に付いた能島村上家が、毛利氏方の小早川隆景、因島村上軍、来島村上軍らに攻められるような事もありました。
1587年、小早川隆景が筑前に転封になると能島村上家も能島を離れ、能島城は廃城になります。 さらに、1588年に豊臣秀吉から海賊禁止令が出されると、村上氏は海賊としての活動が出来なくなります。

能島水軍潮流体験船 水軍レストラン
能島城は無人島なので、上陸ツアーに参加しないと能島城に入る事が出来ません。
今回は事前に上陸ツアーに申し込んでおいたので、受付はここの店内で行います。
上陸ツアーに空きがあれば、当日参加できる場合もありそうですが、上陸するには基本的にツアーへの事前予約が必要です。
能島水軍潮流体験船·水軍レストラン

海が綺麗ですね..。
能島城・水軍レストラン周辺

上陸まで少し時間があるので、それまでの間に続 100名城のスタンプを押しに、今治市村上海賊ミュージアムに行きます。
写真右側の茶色い建物が先ほどの水軍レストランで、左奥にある建物が今治市村上海賊ミュージアムです。 今回は時間の都合によりミュージアムの見学をぜずにスタンプだけ押す事にしました。
能島城・水軍レストラン周辺

この船が上陸ツアーで乗船する船です。
船の大きさから見ても、1日に能島に上陸できる人数はかなり制限されています。
当日は団体客と重なった事もあり、ほぼ満席でした。
今回の四国旅で一番楽しみにしていたので期待が高まります。 天気も良くて助かりました。
この後、ライフジャケットを着用し、乗船して能島へと向かいます。
能島上陸ツアー

鯛崎島 弁財天
最初に見えてきたのは能島の南側にある鯛崎島です。
島の上に見える建物は弁財天の祠です。 鯛崎島も年に1回の「能島弁財天まつり」の時に上陸できるようです。 この島からも掘立柱建物跡や陶磁器などがみつかっているそうなので、能島城の一部として機能していたのかも知れません。
能島上陸ツアー・鯛崎島、弁財天

能島と鵜島の間付近の潮流の様子です。
瀬戸内海なので波は穏やかなのですが、潮の流れがもの凄く速いです。 まるで川の流れのようです。 このような急流が他にもあり、時間によって流れが変わるとしたら、能島周辺を人力の船で航行するのは大変だったと思います。
周辺の地表を見ると、能島はかなり脆そうな地盤に思えました。 これだと島の遺構を保存するのは大変かも知れません。
能島城上陸ツアー・周辺の潮流

次に見えてきたのは穏やかな砂浜でした。
この辺りの砂浜は船だまりだった場所のようです。
能島の北側に位置しており、船を接岸、繁留した場所で対岸的な窓口だったようです。
能島上陸ツアー・船だまり

船だまりから少し離れた所だと思います。
多分、奥に見える平たい場所が本丸だと思います。
こうして見ると、明らかに人工的に平地化されているのがわかりますね...。
能島上陸ツアー・本丸

ツアー船は、能島をぐるりと回りながら桟橋に向かっています。
能島の広さは 17,829㎡なので、周辺の島と比べてもそれほど大きな島ではありません。
城を築くには狭すぎるような気もしますが、島を要塞化するには程よい大きさだったのでしょうか?
高台の上に三之丸の展望台が見えてきました。 そろそろ上陸地点に近づいてきました。
能島上陸ツアー・三之丸

南部平坦地の石垣が見えてきました。
城だった頃も石垣だったようですが、現在の石垣の多くは復元された物のようです。
能島上陸ツアー・南部平坦部の石垣

ここが能島の桟橋です。
船はツアー客が降りると引き返してしまいました。
上陸ツアーとは別に、潮流体験もやっているので、その客を乗せるのかも知れません。
能島城・桟橋

まずはこの急な階段を登って東南出丸を目指します。
なお、島内は史跡保護の為、自由に散策する事はできません。 必ずガイドに従って見学する事になります。
ご覧の通り、能島の崖はかなり崩れやすそうで、補強工事しているのが分かります。 ガイド同伴なのは、史跡保護以外にも安全確保の目的もありそうです。
今回は団体客と個人参加客の2手に分かれ、逆回りで能島城を見学する事にあなりました。
能島城・桟橋付近

東南出丸に向かって登る途中から海を眺めた所。
下に見えるのは南部平坦部で、奥の方に団体客側のツアー客が小さく見えます。
能島城・南部平坦地

こちらは、先ほど船で脇を通った鯛崎島です。
こうして見ると、かなり小さい島ですね..。 船着き場のような場所が見えるので、「能島弁財天まつり」の時はあそこから上陸するのかも知れません。
この辺りの潮流も、異常に速いですね...。 ここを流れに逆らってて手漕ぎ船で通過するのは困難だと思います。 多分、潮の満ち引きによって流れが変わると思うので、この辺りの航行にはかなりの知識が必要だったと思います。
能島城・鯛崎島

東南出丸
島の南端にある出丸です。
ここからは、「かわらけ」や中国銭などが出土しています。
また、1棟の掘立柱建物跡が見つかっていますが、住居なのか、倉庫なのか、利用目的は不明です。 地鎮祭と思われる跡が見つかっている事から、何かしらの儀式に使われた建物の可能性もありそうです。
能島城・東南出丸

東南出丸でガイドの説明を聞いてる所です。
一人で散策する事が多いので、ガイド付きの散策も悪く無いです。
能島城・東南出丸

二之丸
中央の高台が本丸で、その一段低い場所が二之丸です。
二之丸は本丸の帯曲輪で、本丸を囲むような形をしています。
二之丸からは、多数の掘立柱建物跡が見つかっており、何回も建て替えた痕跡が見つかっています。 二之丸は居住空間だった可能性があるそうです。
能島城・本丸、二之丸方面

二之丸から見た本丸です。
落差が 3m 以上はありそうですね..。
能島城・二之丸から見た本丸

これから本丸に登ります。
能島城・二之丸から見た本丸

能島城・本丸へ