秋田県 大湯環状列石2024年07月12日

秋田県鹿角市の大湯環状列石は、1931年に発見された縄文時代後期の遺跡で、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つです。
紀万座と中野堂の2つの環状列石を中心とした、元前 2000年~紀元前 1500年頃の遺跡で、環状列石には川原石が使用されています。 環状列石の周辺からは掘立柱建物跡の他、土偶、石棒、石刀など、儀式で使用されたと思われる物も数多く出土しています。

大湯ストーンサークル館 駐車場
駐車場は、大湯ストーンサークル館の駐車場を使用させてもらいました。
とても広い駐車場なので、停める場所には困らないと思います。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の訪問は、三内丸山遺跡御所野遺跡に続いて3カ所目です。
大湯ストーンサークル館・駐車場

大湯ストーンサークル館と縄文広場です。
大湯環状列石のガイダンス施設である、大湯ストーンサークル館を先に見学する事にします。
遺跡のマップが掲載されたパンフレットが入手できるので、先に大湯ストーンサークル館を見学した方が良いかと思います。
建物の前にある縄文広場は、環状列石をイメージした物のようです。
今年は熊が人間の生活圏まで下りてくる問題が多発しており、大湯環状列石も例外では無いようでした。 あちらこちらに注意書きがありました。 来年は落ちくと良いのですが...。
大湯ストーンサークル館・縄文広場

ガイダンス施設から、万座環状列石の方に移動します。
広々とした良い場所です。 遠くの方に再現された集落建物が見えます。
夜、こんな場所で星を見てみたいですね..。 でも、熊が出るのか..。
大湯環状列石

環状配石遺構
石で作ったサークルの中に、4本の柱跡が見つかっています。
火を使った痕跡もあり、環状列石が使われなくなった後に作られたと考えられています。
大湯環状列石・環状配石遺構

五本柱建物跡
多分、背の低い木のサークルの中にある大きな木5本が、建物の柱位置だと思います。
五本の木を囲む、背の低い木のサークルは何なのでしょうか?
イメージが付きにくい遺構です。
大湯環状列石・五本柱建物跡

柱列跡
案内では、この付近に柱列があったとの事。
特に再現されている訳でも無いので、柱が並んでいた場所は不明です。 ただ、円形に少し芝の色が違う所が並んでいたので、「この辺りか?」と思って撮った一枚。
御所野遺跡でも柱が並ぶ所を見た事があるので、多分、それに近い感じかと思います。
ただ、あれが何なのかは、今でも良く分からないです...。
大湯環状列石・柱列跡

方形配石遺構
ここは、円形では無く四角形に石が並びます。
環状列石で使用されている石は、2 ~ 4km 離れた大湯川から運ばれてた事が判明しています。 環状列石を構成する配石遺構は「配石墓」と呼ばれる「お墓」らしいです。 要するに、環状列石は「集団墓地」らしいです。
大湯環状列石・方形配石遺構

こちらは多く見られる、円形に配石された遺構です。
最初に見た環状配石遺構とは違って、円の中に柱跡が無いですね...。
単に、再現してないだけかも知れませんが...。
大湯環状列石・円形配石遺構

環状列石の周辺に再現された、掘立柱建物。
高床式住居のような物かと思ったのですが屋根だけでした。
儀式を行った「祭祀施設」だと考えられているようです。 縄文時代と言うと、竪穴式住居だと思うので、環状列石は生活空間とは少し違うのかも知れませんね...。
しかし、文字が無いこの時代の事は、永遠に謎のままなのかも知れません。
大湯環状列石・掘立柱建物

大湯環状列石・掘立柱建物

万座環状列石
思ったよりも大きなサークルで、最大径 52m は国内最大級です。
並べられ散る石も、少し大きめな石が使われており、約 6500個の石が配置されています。
大湯環状列石が作られた頃は村の分散化が進み、村の小規模化が進んでいました。
環状列石は、そんな人々の思いを繋ぎ止める役割があったのかも知れません。
大湯環状列石・万座環状列石

大湯環状列石・万座環状列石

サークルは2重になっています。
さらに、2重になっているサークルの中には、小さなサークルが点在しているようです。
どんな意味があるのでしょうか...。
大湯環状列石・万座環状列石

中野堂環状列石
こちらは県道を挟んだ先にある環状列石です。
最大径 44m で、使用されている石の数は約 2000個です。
こちらも2重のサークルになっており、2重のサークルの中には小さなサークルがあります。
作者の意図を知る事は出来ないのかも知れませんが、小さなサークルが太陽を回る惑星のようで面白いです。
大湯環状列石・中野堂環状列石

大湯環状列石・中野堂環状列石

中野堂配石遺構群
中野堂環状列石の周辺にも配石遺構が点在していました。
万座側と比べると、規模が小さ目な感じがします。
大湯環状列石・中野堂配石遺構群

大湯環状列石・中野堂配石遺構群

「熊目撃注意」の看板があったので、「一本木後口配石遺構群」の方に行くのは止めておきました...。 今年は熊の目撃情報が多いので、森との境界線には注意した方が良さそうですね..。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の内、当時の様子が何等かの方法で見学できる場所は行ってみたいですね..。 ただ、関連資産も合わせると、19ヶ所もありますね...。