東京都 吉野梅郷梅まつり 2021 ― 2021年03月20日
プラムポックスウイルスが梅の木に感染した事により、2014年に青梅市梅の公園を中心に全ての梅の木が伐採されてしまいました。 再植樹には3年間、周辺で感染が発生しない事が条件となり、2017年から植樹が開始されました。
それ以来、吉野梅郷梅まつりには行って無かったのですが、どの位回復したのか8年ぶりに見に行く事にしました。
日向和田駅
コロナの影響により主要なイベントは中止になってしまい閑散としています。
ルートを紹介するPDFは公開されており、駅にも看板は出ているので「梅まつり」自体は開催されているのだと思いますが、個人による自由散策と言った感じでしょうか?
昔の賑わいを知っているだけに寂しい限りです...。
案内ルートに沿って歩いてみる事にします。
天澤院
青梅市梅の公園のすぐそばにある曹洞宗の寺院です。 創建は 1603年です。
1909年(明治42年)の火災により焼失しており、大正時代に再建されました。
境内は解放的で感じの良い寺院でした。
裏山には菅原神社(1561年鎮座と推定)、八坂神社(1799年鎮座と推定)などが鎮座しています。
昔はここから青梅市梅の公園を眺めると素晴らしい眺めで、多くの観光客が登ってきましたが、今は私だけです。 元のの姿に戻るには、後、何年かかるのでしょうか...。
ここにあった梅の木も伐採されてしまったようです。
向かって左側が琴平神社で金毘羅様のようです。 讃岐国に流されて崩御した崇徳天皇と大国主命が祀られています。 商売繫盛の祈願にどうぞ。
右奥は秩父三峰神社が分社され祀られています。
神様としては、昔のような賑わいが良いのか、今のような静かな所が良いのか...。
青梅市梅の公園
正直、思っていたよりも酷い状況でした。 ほとんどハゲ山になっています...。
昔を知っているので、この姿を見ると悲しくなります。
コロナの影響で人が少ない事もあり、余計に寂しさが強調されます。
梅が伐採された 2014年の冬に植樹されたツツジが綺麗に咲いてました。
しばらくはこのツツジたちに頑張って貰うしか無さそうです。
これでも大きな方です。
これらの木々が立派に成長して、元の姿に戻るには何年かかるのでしょうか...。
↓こちらが最後に訪問した 2013年の「梅の公園」の様子。 こんな感じに梅が咲き乱れてました...。
鎌倉の梅跡
梅の公園から「鎌倉の梅」があった場所に移動します。
ここには樹齢 400年と伝わる古木がありましたが、そのような貴重な木も例外無く伐採されてしまったようです。 どこにあったのかすら判断が出来ない程、綺麗に伐採されてました。
岩割の梅
昔、若武者とこの地の娘が密かに会っていた場所で、若武者が出陣する時に突き刺した枝が岩を裂いて成長したと伝わる古木です。 2013年の時には既に伐採されていたので、プラムポックスウイルスとは無関係かも知れません。 岩割の梅周辺はミツマタが綺麗で、植樹された梅も綺麗に咲いており、なかなか見所の多い場所でした。
大聖院
ここの本堂裏には「親木の梅」と呼ばれる古木がありましたが、現在は荒地のようになってます。
右奥にあるほとんどの枝が伐採された木が「親木の梅」で、「青梅」の地名の由来となった金剛寺の親木です。 元々、倒木した木から根分けした2代目でしたが、復活を目指して完全に伐採しなかったのかも知れません。
ここの地蔵堂に奉納されている絵馬も見所の一つです。
絵柄がお地蔵様やそれを拝む女性で、他では見た事の無い独特な絵馬です。
地蔵堂は 1889年に建立され、その年に下村、柚木村、日影和田村、畑中村が合併して吉野村が誕生しました。 ここのお地蔵様にはその由来が彫られています。
即清寺
即清寺は平安時代初期に智証大師円珍が諸国巡礼の折に開基したと伝わる寺院です。
智証大師円珍は弘法大師の甥で、唐への留学経験もあるようです。 三井寺の再興にも深く関わった人物です。 しかし、これと言った交通手段が無かった時代なのに、当時の人の移動範囲の広さには驚かされます。
ここの梅の木も伐採されたと思いますが、比較的成長した梅の木が残ってました。 梅よりも、大きなハクモクレンが綺麗に咲いていて、そちらの印象が強かったです。
愛宕神社
即清寺の守護として元慶年間(877 ~ 885年)に創建された神社です。
伐採されたのか、梅はそれほど目立ちませんでした。 拝殿に伸びる階段の先の早咲きの桜が印象的でした。 階段の両脇はツツジなので、時期を変えて訪問するのも良さそうです。
二俣尾駅のゴールに到着。
8年前と同じコースを歩いてみましたが、散策する人はほとんどおらず寂しい限りでした。
梅が元の状態になるには10年単位の時間が必要かも知れませんが、コロナの方はなんとか収束させて、来年こそは元通りのイベントが開催できる事を願います。
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