群馬県 荒船風穴 ― 2018年07月15日
荒船風穴は群馬県下仁田町にある世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成施設の一つです。 荒船風穴は自然の冷風を利用した「種紙」(蚕蛾が卵を産んだ紙)を貯蔵した施設で、この施設により、年1回しか出来なかった生糸の生産が2回、3回と行えるようになりました。 荒船風穴により卵の保管が可能になり、高山社、田島弥平により飼育方法が改善・普及、富岡製糸場による大量生産へと繋がります。
国道からの入り口が分からず、たどり着くのに少し苦労しましたが、なんとか駐車場に到着。
広さは十分ですが、ここから荒船風穴までは 800m の歩きになります。 帰りは登坂になるのでご注意を...。
荒船風穴までの途中にあった冷風体験ポイント。
温度計は6度を指しており、涼しくて居心地が良いので動けなくなりそうです。
料金所に到着。
3号風穴
1914年頃に造られた風穴で、荒船風穴では一番最後の風穴です。
当時はこの上に建物があったそうです。 奥行 12m 73cm、幅 5m 6cm
風穴の上部には風穴山が崩落した岩が堆積しており、その内部には雨水などから氷柱が造られます。 そこから漏れ出る冷風が山の斜面を下ってこの風穴に流れ込む仕組のようです。
2号風穴
1908年頃に造られた風穴で、一番大きな物です。 奥行 16m 7cm、幅 5m 47cm
この石垣の上にも土蔵造りの建屋があったようです。 昭和に入ると日本での生糸の生産量が減少し、1939年頃には施設は使用されてなかったようで、1950年頃には建物も失われていたようです。
1号風穴
荒船風穴では最も古い風穴で、1906年頃に造られました。 奥行 9m 66cm、幅 4m 6cm
スロープ状になっていて下の方に下りられる構造のようです。
山の上から冷気が降りてくるので、この辺りはちょっと涼しいです。 風穴内部に設置された温度計の数値は 2.8度なので、予想以上の冷却効果です。 冷気が穴に蓄積しているようです。
山の斜面を見上げると岩に隙間があるのが分かります。
この隙間から冷気が出ているようで、条件が良ければ白い霧のような冷気が噴き出す所が観れるそうです。 当日は写真には写らない程度の薄いモヤが出ている程度でした。
荒船風穴から周辺を見た所。 何にも無い場所にポツンと存在しているようです。
ここから駐車場まで 800m の登坂...。 料金所近くに自動販売機がありますが、ちゃんと水分補給しないと熱中症になりそうな場所でした。
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