上野東照宮周辺と蓮の花2015年08月23日

東京藝術大学大学美術館で開催されている、「うらめしや~、冥途のみやげ」展の帰り、上野公園に寄り道してみました。

上野東照宮
1627 年に藤堂高虎と天台宗僧侶天海によって、徳川家康を祀る為に建てられました。 「東照宮」と言えば日光を思い浮かべる人が多いと思いますが、上野にもあります。 拝観料を払えば、唐門の内側を見学する事もできますが、今回はパスしました。 (以前拝観しましたが、大変美しい社殿です。)
上野東照宮・大鳥居

水舎門の扁額。 神社の場合、「神額」、お寺の場合「寺額」とも言うそうです。
上野東照宮・水舎門の扁額

灯篭が並ぶ参道を進むと右手に五重塔が見えます。 残念ながら五重塔は動物園の敷地内なので近くまでは行けません。 建てられたのは 1639 年なので、東照宮が出来た少し後に建てられたようです。
上野東照宮・灯篭

上野東照宮・五重塔

唐門の建造時期は 1651 年。 五重塔よりもさらに後になります。
ご覧の通り、非常に美しい作りです。 2013 年に修復を終えた社殿も美しいので、お金と時間に余裕のある方はぜひ拝観を。
上野東照宮・唐門

上野大仏
東照宮を出てしばらく進むと、小高い丘のような所に上の大仏があります。
とは言っても、現在はお顔だけしか残ってません。
この大仏、波乱万丈の人生(仏生?)を歩んでいます。 1631 年に漆喰で大仏が建ちますが、1647 年に地震で倒壊。 その後、幾度と無く修復と損壊を繰り返し、最後は戦争中に軍需金属資源として顔だけ残して消滅しました。
上野大仏

花園稲荷神社
続いて、花園稲荷神社へ。 どことなく、ミニ伏見稲荷と言った感じの入り口がいい雰囲気を出しています。 いつ頃出来たのかは不明だそうですが、廃絶していたお寺を再建して山の守り神としたそうです。
花園稲荷神社

花園稲荷神社

何度も訪れているこの神社ですが、穴稲荷の存在は今回、初めて知りました。 どうも、寛永寺を建てた際、狐の住家が無くなった事を哀れんで建てたそうです。 奥にある、大きな穴が狐の穴に見立てた本尊でしょうか?
とにかく、ここだけ雰囲気が違います。 
花園稲荷神社・穴稲荷

花園稲荷神社・穴稲荷

花園稲荷神社・穴稲荷

不忍弁才天
続いて、不忍弁才天へ向かいます。 いつもと比べると、露店が少なく感じたのですが、普段はこんなもんなのでしょうか...。 さらに驚いたのは、一面が蓮の葉に覆われていて、湖面が見えなかった事です。 この時期、こんなになるとは思いませんでした。
不忍池の蓮

不忍池の蓮

弁財天が建立された時期は、はっきりしないそうですが寛永寺が創建され言われてます。 このお堂は、比叡山の近江の竹生島にならって作られたそうです。
不忍弁財天

なんかつぼみが多いです。 蓮って、開くとすぐ散ってしまうのでしょうか?
ちなみに、不忍池の蓮はいつ誰が植えたのか分かっていないそうです。
説としては、寛永寺を造営した天海和尚、弁天島を作った水谷伊勢守などがあるそうです。 1677 年に出版された本には不忍池の蓮に関する記述があるそうなので、この頃には既に植えられていたようです。
不忍池の蓮

不忍池の蓮

清水観音堂
最後の訪問先が清水観音堂。 弁財天同様、ここも寛永寺の一部で、1631 年に建立されました。 人形供養でも有名です。 寛永寺の最盛期は30万5千坪もあったそうなので、当時は本当に大きなお寺だったようです。
清水観音堂

清水観音堂・人形供養碑

月の松の中に見えるのが不忍弁才天。 よく、こんなに綺麗に丸めたもんです。
清水観音堂・月の松

なんだかんだで見所の多い上野公園周辺。
博物館や、美術館も多く、好きな所の一つです。