朝霞 陸上自衛隊広報センター2017年06月18日

陸上自衛隊朝霞駐屯地には陸上自衛隊広報センター「りっくんランド」が併設されています。
基本的には子供向けに自衛隊の役割や装備などを伝える施設なのだが、展示されている戦闘車両やヘリコプターなどは大人でも見応えがあります。
いろいろとイベントを行っている事も多いので、それらの予定に合わせて観るのも良いかも知れません。
自衛隊広報センター

浜松の航空自衛隊広報館に続き 2002 年に開館した施設ですが、来館者数は既に 150万人を超えているらしく、ヒヨコ隊員なる記念キャラクターもいます。
二階で自衛隊の歴史を見た後、屋内の展示施設を上から眺めます。
展示コーナーにはフライトシミュレータなどもありますが、子供に交じっていい大人が並ぶのは恥ずかしいのでこちらはパス。
自衛隊広報センター

90式戦車
1990年に正式採用された戦車です。 展示品は試作品と事。
現在主流となる10式戦車の人世代前の戦車ですが、北海道を中心に現役として活躍している模様。 エンジン性能などの一般的なスペックだけを見ると素人目には10式とそれほど変わらないように見えてしまう。 重量 50t が 70km で走行している姿を一度見てみたい...。
自衛隊広報センター・90式戦車

自衛隊広報センター・90式戦車

日常生活でまず見る事の無い戦車の砲弾。
上が対戦車りゅう弾で、下が装弾筒付翼安定徹甲弾。 ライフルの弾丸のような形かと思いきや、ちょっと変わった形をしています。
対戦車りゅう弾は成形炸薬弾と呼ばれる物で、爆発すると内部に仕込まれた円錐形のライナーが高温・高圧のメタルジェットとして噴き出して装甲を貫通する仕組。
装弾筒付翼安定徹甲弾の方は、発射すると装弾筒の部分がパカっと割れて、細い矢のような部分だけが飛んでいく仕組。 細くする事により空気抵抗を減らし、運動エネルギーを一点に集中させる。 よく考えますね...。
自衛隊広報センター・砲弾

砲手用照準潜望鏡
90式戦車で使用されている、砲手が照準を合わせる為の潜望鏡。
90年代だとこんな物かも知れないが、もっとデジタル化されている機器かと思ったが意外とアナログな感じ。
しかし、狭い車内からこの潜望鏡越しに敵と向かい合うのは、あまり想像したく無い世界。 できればゲームだけにしたいですね...。
自衛隊広報センター・砲手用照準潜望鏡

AH-1S コブラ
1982年から陸上自衛隊への配備が始まります。
後続としていた AH-64D が価格の高騰により 10数機しか調達されておらず、運用が始まってからもう30年以上経過しますが、まだまだ現役で頑張っています。
攻撃されにくくする為だと思いますが、ヘリの幅が異常に狭いのが特徴的です。
自衛隊広報センター・AH-1S コブラ

機種に取り付けられている 20mm機関砲。 機関砲の上にはいくつものレンズが睨みをきかせてます。 機関砲はヘルメットのサイトと連動して稼働するらしい。
こんなので撃たれたらたまらん...。
自衛隊広報センター・AH-1S コブラ

70mm ロケットポッドと TOW対戦車ミサイルランチャー。
TOWは誘導式ミサイルで、射手が照準で捕らえている情報をワイヤーでミサイルに伝達して誘導します。 命中精度は高そうですが、着弾まで誘導し続けるので反撃も受けやすいです。 まぁ、だから2人乗りなのかな...
自衛隊広報センター・AH-1S コブラ

10式戦車
2010年から調達が開始された現在主力となる10式戦車。 デザインも、90式と比べると現代的です。 日本全国への運用を視野に入れている為、防御力を維持したまま重量を44tに軽量化し、そのおかげで73式特大型セミトレーラでそのまま運搬できるようになりました。
自衛隊広報センター・10式戦車

自衛隊広報センター・10式戦車

74式戦車
90式の一世代前の戦車で 1974年に完成し、1975年から生産が開始されました。
一応現役ではありますが、退役が進み数は減っているようです。
戦車の場合、曲線的なデザインも少し古さを感じます。
自衛隊広報センター・74式戦車

96式装輪装甲車
クーガーの愛称で呼ばれている乗員10名(内、兵員8名)の兵員輸送車で、自衛隊のイラク派遣でも使用されました。 製造は小松製作所で、配備されたのは 1998年。 じつはこの日、小松製作所が軍事車両を製造している事を初めて知りました...。
自衛隊広報センター・96式装輪装甲車

89式装甲戦闘車
ライトタイガーの愛称で呼ばれている歩兵戦車で、乗員10名(内、兵員7名)を輸送する事ができます。 武器は35mm機関砲と79式体舟艇対戦車誘導弾など...。
この車体のあちらこちらに取り付けられている金色の球体はガンポートで、車内から射撃ができるように防弾ガラスで守られたのぞき窓と射撃用の穴が開く仕組になっているようです。
自衛隊広報センター・89式装甲戦闘車

自衛隊広報センター・89式装甲戦闘車

87式自走高射機関砲
35mm対空機関砲を2門備えた自走式対空車両です。
対空兵器としては誘導ミサイルのイメージが強く、ちょっと時代遅れの印象を受けます。
調達価格も15億円と、10式戦車よりも高価なのには驚きます。
後続機の予定もはっきりしておらず、今の時代では運用方法が難しい部類の車両なのかも知れません。
自衛隊広報センター・87式自走高射機関砲

94式水際地雷敷設装置
全長11.8mもあるちょっと変わった車体(船体?)です。
水陸両用車と地雷施設機で構成されており、東日本大震災の時には施設機を外した車体が行方不明者の捜索に利用されました。 車両後部には水上航行用のスクリューが付いています。 半分舟のようなこの車両の製造は日立造船。 納得です。
自衛隊広報センター・94式水際地雷敷設装置

74式自走105mmりゅう弾砲
同時期に自走 155mmりゅう弾砲の配備が検討されており、性能不足である事から1個大隊分の20台しか調達されませんでした。 2000年にはすべて退役しています。
なぜ同時期に 105mm と 155mm が検討されていたのか気になりますが、税金が無駄使いされていない事を祈ります。
自衛隊広報センター・74式自走105mmりゅう弾砲

75式自走155mmりゅう弾砲
長い砲身がカッコイイ75式自走砲です。 74式とほぼ同時期に調達が開始されましたが、主力として採用されます。 後続の99式の採用により、2016年にすべて退役しています。
自衛隊広報センター・75式自走155mmりゅう弾砲

地下指揮所
戦闘車両以外にも、こんな物も展示されてました。 この土嚢に囲まれた穴の先は地下指揮所になります。 高さ 2m、奥行 4m、幅2.5m で非常に窮屈な空間です。
自分は狭い所が苦手なので、こんな所で着弾音を聞いていたら耐えられないと思います...。
自衛隊広報センター・地下指揮所

自衛隊広報センター・地下指揮所

2000ポンド普通爆弾
こちらは自衛隊の装備ではありませんが、太平洋戦争時に投下されたメイドインUASの不発弾です。 埼玉で見つかった物らしいですが、日本にもこんな1トン近い巨大な爆弾が降って来た時代があった事を忘れないようにしましょう...。
自衛隊広報センター・2000ポンド普通爆弾

個人的には自衛の為の軍備は必要かと思ってますが、これらの装備が使われたない事が望ましいです。 過去の装備同様に、現在の主力兵器たちも実践で使われる事なく退役を迎えられると良いのですが...。
と、難しい事を考えつつ、お土産に栄養ドリンクを買って帰りました。
自衛隊広報センター・元気バッチリ2