熊本県 鞠智城2019年05月03日

鞠智城は7世紀後半に大和朝廷によて築かれたと考えられています。 同時期に築かれた大野城、基肄城、金田城への補給を行う後方支援の拠点だったようです。
廃城年代は不明ですが、300年くらいは存続していたようで、8世紀後半では貯蔵施設のような存在だったようです。

鞠智城の駐車場に付いたのは朝8時前だったのでほとんど人はいませんでした。
続100名城のスタンプが置かれている温故創生館はまだ開館していないので先に城の散策を行う事にします。 日光を遮る物が少ないので夏場は早朝の方が良いかも知れません。
鞠智城・駐車場

八角形鼓楼
古代の山城では他では見つかって無い八角形の建物です。 八角形と言う特殊な形状から三重の「鼓楼」として復元されています。 発掘調査では八角形の建物が2棟見つかっており、掘立柱建物だった事が判明しています。 本来の場所には礎石が展示されており、復元は本来の場所とは別の場所に行われています。 連絡用の太鼓が置かれていた事が資料として残されているようで鼓楼として復元されています。
鞠智城・八角形鼓楼

米蔵
鞠智城では礎石を規則的に並べた建物跡が21棟見つかっています。
ここからは多量の炭化米が見つかっている事から米蔵だったと推定されています。
高床式の校倉造りの建物として復元されています。
鞠智城・米蔵

米蔵近くで展示されている礎石跡。
米蔵の本来の場所はこっちかも...。
鞠智城・礎石跡

兵舎
側柱のみの掘立柱建物で、同型の物が2棟並んでいたようです。
大体50人程度の「防人」が寝泊まりしていたと考えられています。
土間床、土壁、板葺き屋根の建物として復元されています。
鞠智城・兵舎

鞠智城・兵舎付近の礎石跡

板倉復元建物
3間×4間の掘立柱建物で、総柱である事から高床式倉庫だったと考えられています。
兵舎の近くにある事から武器庫として復元されています。 茅葺倉庫の存在が資料に残っている事から茅葺屋根で復元したようです。 周辺には建物の柱跡が多数展示されています。
鞠智城・板倉復元建物

鞠智城・柱跡

宮野礎石群
3間×9間の総柱の建物跡です。 展示されている礎石は当時の物で、礎石のいくつかは失われているようです。 平瓦や丸瓦が出土している事から瓦葺屋根だった事が判明しています。 また、瓦には焼けた跡があり、建物は焼失した可能性があります。
ここは、鞠智城では一番大きな礎石建物だったようです。
鞠智城・宮野礎石群

長者山展望広場への分岐路付近にある住居跡。
今までの展示の流れから、木の部分が掘立柱、石の部分が礎石だと思うのですが、それらが複合した建物だったのでしょうか?
広大な土地に築かれた鞠智城ですが、他の城や砦にあるような土塁や堀がここまで見当たらないですね....。  曲輪のような区分けも無いようです。
鞠智城・礎石跡

池でもあったのかのように回りより低くなった土地があります。
何の木なのかは不明ですが、美しい花が目を引きます。
鞠智城・植物

長者山展望広場と灰塚の間には谷がありますが、人工的な堀切なのかは不明です。
特に説明はありませんでした。 単なる自然の地形を利用しているだけなのかも知れません。
鞠智城は城としての緊張感を感じさせない場所です...。
鞠智城・長者山展望広場付近

鞠智城・長者山展望広場

灰塚
長者山展望広場から谷を挟んで反対側に灰塚と呼ばれる展望所があります。
ここは非常に見晴らしの良い場所でした。 当時も見張り場として使用されていたのかも知れません。
鞠智城・灰塚

鞠智城・灰塚からの眺め

貯水池
水位はそれほどでも無かったです。 普段よりも少ないのかも知れません。
この辺りからは木簡や百済系銅像菩薩立像、建物の部材などが見つかっているようです。
鞠智城は百済の亡命貴族の指導により築城されたとの資料があり、発掘された銅像菩薩立像はそれを裏付ける資料と考えられています。
鞠智城・貯水池

駐車場に戻る途中、鞠智城の西側を眺めた所。
なだらかな道が続きます。 城内と言うより、昔の田園風景のようです。
大野城もそうですが、古代の城は大きすぎて城の実感を感じないです。 1時間くらい歩いて疲れたのでこの先には行かなかったです...。
鞠智城

スタンプが置かれている温故創生館の開館まではまだ30分近く早かったのですが、資料館の人のご好意でスタンプを押させてもらえました。
ここは城の見学者と言うより、ツーリングライダーが集まる場所でしたね...。 確かに道が良いので走ってて気持ち良い場所でした。
鞠智城・温故創生之碑


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