神奈川県 横浜三塔2019年09月15日

今回は、横浜市中区の関内地区にある「横浜三塔」を中心に街中を散策します。
横浜三塔は横浜のシンボルとして長年親しまれている建物です。 昔は入港する船の目印にもなったようですが、現在は高層ビルが多い為、三塔を同時に見れる場所も限られているようです。

横浜開港資料館
記念ホールのある旧館は 1931年に英国領事館として建てられました。 英国領事館では待合室として使用されていた記念ホールのみ見学可能です。
新館の展示室では、横浜開港からの歴史資料が展示されています。
訪問当日は「開港前後の横浜」の企画展が行われており、当時の村人が対話しているような展示方法は分かりやすくて良かったです。
横浜開港記念館

横浜開港記念館

横浜開港記念館・内装

キングの塔(神奈川県庁舎)
「横浜三塔」の一つが「キングの塔」と呼ばれる神奈川県庁舎の本庁舎です。
関東大震災で県庁舎が焼失した為、1928年に竣工したのがこの本庁舎です。 中には入れそうな感じでは無かったので、外観のみの見学となりました。 角張った感じの特徴的な建物です。
神奈川県庁舎・キングの塔

神奈川県庁舎・キングの塔

県庁舎の端の方にあったのが「神奈川運上所跡」の石碑です。
1859年に横浜開港に伴い開設されたのが神奈川運上所です。 運上所は関税や外交事務を行い、横浜税関へと引き継がれて行きます。
この場所にあった税関庁舎が県庁に譲渡され、関東大震災で焼失してこの建物になったと言う流れのようです。 
神奈川運上所跡

ジャックの塔(横浜市開港記念会館)
横浜開港50周年を記念して 1914年に「開港記念横浜会館」として竣工した建物です。 ただ、当時の建物は関東大震災で時計塔を除いて焼失してしまいます。
1927年に復旧工事が行われますがドーム状の屋根は修復されませんでした。 その後、当時の設計図が発見され市に寄贈された事から 1989年にドームも修復され大正時代の姿に戻りました。
建物内部も見学可能で、内装も素晴らしかったです。
横浜市開港記念会館・ジャックの塔

横浜市開港記念会館・ジャックの塔

横浜市開港記念会館・ジャックの塔

横浜市開港記念会館・ジャックの塔

横浜市開港記念会館・ジャックの塔

開通合名会社の煉瓦遺構
クイーンの塔に移動する途中、偶然見つけた遺構です。
1887年に創立された「開通社」(後に「開通合名会社」に改名)の社屋の一部です。
関東大震災で建物が倒壊しますが、その一部が復興された建物内部に残っており、その遺構が保存される事になりました。
向かって左側の枠が出入り口だった場所で、右側は窓枠だったようです。 当時は出入り口の左側にも同じ形状の窓枠がありました。 しかし、これを埋め込むように建物を修復するとは....。
開通合名会社の煉瓦遺構

クイーンの塔(横浜税関)
横浜税関の庁舎としては三代目で、ドーム状の塔が特徴的な 1934年竣工の建物です。
建物内に入れそうな感じではありませんでしたが、建物内にある「横浜税関資料展示室」は自由に見学できます。 密輸の手口や偽ブランドの比較など、なかなか面白い展示内容でした。
偽ブランドの精巧さと、それを見分ける税関職員の凄さに驚かされます。
横浜税関・クイーンの塔

横浜税関・クイーンの塔

横浜税関・クイーンの塔

象の鼻防波堤
1859 ~ 1867年頃は西波止場、東波止場と呼ばれる2本の直線的な防波堤でした。
主に、東波止場は主に外国船、西波止場は国内船の貨物の積卸しに使用されていたようです。
高波や強風の影響を避ける為、1867年に東側の防波堤を延長して湾曲した特徴的な防波堤になります。 創建当時の防波堤は関東大震災で沈下しており、現在の防波堤は復元された物です。
象の鼻防波堤

復元された防波堤には当時の石積みが見れる場所があります。
象の鼻防波堤・昔の石積み

赤レンガ倉庫
現在は商業スペースとして使用されていますが、元々は税関手続きが済んでない貨物を一時的に保管する倉庫でした。 1911年に2号館が竣工、1913年に1号館が竣工します。 理由は良く分かりませんが、1号館の方が後に完成しているようです。
赤レンガ倉庫も関東大震災による甚大な被害を受け1号館は半壊してしまい、復旧されるも半分の大きさに縮小されます。 1970年代に入ると徐々に取り扱い量が減少し、1989年に倉庫としての役割を終えます。 「あぶない刑事」のエンディングで使われていたのを良く覚えています。
赤レンガ倉庫

海上保安資料館横浜館
2001年に九州南西海域で発生した北朝鮮の不審船事件で自沈した工作船を展示している施設です。 巡視船は激しい抵抗にあい、海上保安官3名が負傷、工作船の船員は全員死亡する結果になりました。(死亡が確認されたのは8名だが、10名以上が乗船していたと推定されています。)
展示されている工作船は漁船のように見えますが、14.5 mm  対空機関銃やロケットランチャーなどを備えるほどの重装備でした。 ここまで来ると、自衛隊で対応した方が良さそうなレベルです...。
海上保安資料館横浜館

工作船は覚せい剤の密輸が目的だったようですが、ここまで武装しますかね...。
海上保安官は捕まえるのが目的なので、対応がより困難なのかも知れません。
日本近海で起こっている事を知る為にも一度は訪れた方が良い施設かと思います。
海上保安資料館横浜館・巡視船

最後に赤レンガパークにある横浜三塔が全て見える場所へ。
 「ジャック」は辛うじて見える感じで、これ以上ビル開発が進むと三塔が見える場所はさらに減りそうです。
横浜三塔

この辺りは天気の良い日にブラつくには良い所ですね...。


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