大阪府 四天王寺2019年12月28日

四天王寺は 593年に聖徳太子によって創建された日本最古の本格的な寺院です。
しかし、災害や戦火によって何度も消失と再建を繰り返してきました。 現在の伽藍は太平洋戦争時の空襲で焼失した後の 1957年以降に再建された建物がほとんどです。
残念ながら創建当時の建物は現存していませんが、飛鳥様式の外観で再現されています。

南大門
四天王寺はバイクが停車できそうな駐輪場が不明だったので電車での訪問にしました。
JR四天王寺駅から、のんびり歩いて15分くらいで南大門に到着しました。 道中、海外からの観光客が多い印象を受けました。
四天王寺は「四天王寺式伽藍配置」と呼ばれており、中門、五重塔、金堂、講堂が南北に一直線に並んで配置しています。 南大門は中門(仁王門)の手前にある門です。
現在の南大門は 1985年に再建された物らしいので、四天王寺で再建された建物の中でも新しい方なのかも知れません。
四天王寺・南大門

中門(仁王門)
現在の中門は8代目のようで、1963年に鉄筋コンクリート製で再建された物です。
四天王寺の伽藍配置は創建当時からあまり変わっていないようで、1812年に再建された江戸時代の中門があったようですが、1934年の室戸台風で倒壊、再建されるも 1945年に太平洋戦争の空襲で焼失しています。
昔はこの門から中に入っていたのだと思いますが、現在は西重門から中に入ります。
中門の奥から五重塔が覗いており、特徴的な建物配置が良く分かります。
四天王寺・仁王門

四天王寺・仁王門

聖霊院
四天王寺の周辺を一周してから回廊内を拝観する事にします。
聖霊院は、聖徳太子を祀る御堂で太子堂とも呼ばれています。
四天王寺・聖霊院

写真は前殿と呼ばれている建物で、太子二才像が祀られています。
前殿の奥には八角形の奥殿があり、そこには太子六観音像が祀られているようです。
秘仏との事なので、普段は一般公開していないのだと思います。
四天王寺・聖霊院

番匠堂
ここに祀られているのも聖徳太子のようです。
「番匠」とは大工の事のようで、聖徳太子は大工技術の始祖として大工達から崇拝されていたようです。 四天王寺は百済から伝わった建築技術を駆使して建立されており、この御堂は聖徳太子の偉業と建築関係者の安全を祈願して建立されました。 多分、比較的最近の建物だと思います。
四天王寺・番匠堂

太鼓楼
お経木を水に沈める独特な供養・祈祷が行われている亀井堂のそばにある建物です。
元々は時を伝える太鼓が置かれた御堂だったようですが、現在は鐘楼として使用されており、除夜の鐘はここでつかれているようです。
四天王寺・太鼓楼

六時堂
四天王寺では珍しい古い建物で、1623年に建立されました。 薬師如来坐像と四天王像が祀られています。 1日に六回、礼賛が行われていた事から六時堂と呼ばれているようです。
中門から講堂までの直線上にあるので昔からここにありそうですが、別の場所から移築された建物のようです。
四天王寺・六時堂

四天王寺・六時堂

石舞台
六時堂の前に架かる橋の上にあるのが日本三大舞台の一つとされる石舞台です。
聖徳太子の命日(4月22日)に雅楽が奉納されます。
六時堂とほぼ同じ年代に作られた舞台のようなので、四天王寺に現存する建造物の中では古い物だと思います。
四天王寺・石舞台

北鐘堂(黄鐘楼)
楽舎を挟んで太鼓楼と対になる鐘楼で、正式には黄鐘楼と呼びます。
こちらの鐘は先祖供養の為につかれています。
鐘は天井裏に吊るされているので、鳴らす時でも鐘は見えないようです。
四天王寺・北鐘堂

西重門
回廊で囲まれた五重塔、金堂、および講堂に行くにはここで拝観料を支払う必要があります。
現在の中心伽藍は 1963年に鉄筋コンクリート製で再建された物です。
四天王寺・西重門

西重門から回廊の中に入ると四天王寺式伽藍配置の特徴である一列にならぶ金堂と五重塔が見えます。 角度を変えると建物が一直線に並んでいる事が良く分かります。
このような建物配置は6~7世紀頃の大陸に見れるようで、四天王寺の建設に百済の技術者が関係していた事の裏付けになるのかも知れません。
四天王寺・金堂と五重塔

四天王寺・金堂と五重塔

五重塔
聖徳太子が建立した時は仏舎利と自信の毛髪を納めたようです。
現在の五重塔は8代目で 1959年に再建された物です。
北側の出入口から内部を拝観する事ができます。
四天王寺・五重塔

金堂
五重塔の北側にある金堂の本尊は救世観音菩薩です。 現在の建物は 1961年に鉄筋コンクリート製で再建された物です。
建物内周囲の壁は釈迦の生涯を伝える壁画になっています。
四天王寺・金堂

講堂
向かって左側が金堂で、右奥に見えるのが講堂です。
講堂は中央を境に東側を冬堂、西側を夏堂と呼ぶそうで、冬堂の本尊は十一面観世音菩薩立像、夏堂の本尊は阿弥陀如来坐像になります。
こちらの建物内周囲の壁は玄奘三蔵を伝える壁画になっています。
四天王寺・金堂と講堂

中心伽藍周辺の回廊には奉納された永代万灯灯籠が吊るされています。
奉納する目的は故人の供養や祈願など様々です。
四天王寺は季節によってライトアップもあるようで、お彼岸には実際に点灯するようです。
一度見てみたいですね....。
四天王寺・回廊

龍の井戸
中心伽藍には「龍の井戸」と呼ばれる井戸があります。
なぜこんな場所に井戸があるのか少し不思議な感じがしますが、四天王寺を守る青龍が住むと伝わる井戸です。
井戸屋形は太平洋戦争の空襲で焼失しており、現在の屋形は戦後に再建された物です。 屋根には井戸の水面に龍が浮かぶように龍が描かれています。 今は投げ込まれた賽銭しか見えませんが...。
四天王寺・龍の井戸

四天王寺・龍の井戸

極楽門(西大門)
中心伽藍の拝観を終えて四天王寺を後にします。
西大門には極楽に通じる門との意味があり、極楽門と呼ばれています。
この門は 1962年に松下幸之助が寄贈した門です。 門柱の転法輪を回すと功徳を積む事ができるようで、知ってか知らずか、皆さん、ぐるぐる回していました。
まだ時間があるので帰りは極楽門から西側に出て、周辺の史跡を巡る事にします。
四天王寺・極楽門

最後に四天王寺を訪問してから10年も経っていた事を後で知りました。
当時とあまり変わっていないようで、まるで時間が止まっているようでした。


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