千葉県 成田山新勝寺2020年02月09日

朝廷との対立により発生した平将門の乱を鎮圧する為、朝廷は討伐軍を派遣します。 この時、寛朝僧正も派遣されており、戦乱を鎮める祈祷を行っています。
乱は将門の死によって終結しますが、寛朝僧正はこの地にとどまり 940年に新勝寺を開山します。
成田山新勝寺の名称は、1566年頃に現在の場所に移った事がきっかけのようです。
また、戦国時代にはかなり荒廃していたようです。
初代市川團十郎の子宝祈願が成就し、その感謝を伝える演目が話題となった事から成田山新勝寺は広く知られる事になります。
成田空港が近い事から、現在では多くの海外旅行者が訪れる場所になっています。

弘恵会東町第2駐車場
国道51号から新参道に入って一番最初に見つかった駐車場にバイクを停めました。
ここからだと少し歩く事になりますが、土産物屋を眺めながら歩いていたら時間はそれほど感じませんでした。 どちらにしろ、新勝寺の隣にある駐車場は満車だったので、止められそうな場所に止めた方が無難かも知れません。
 成田山新勝寺・弘恵会東町第2駐車場

駐車場から少し歩くと土産物屋が並ぶ参道に入ります。
新型ウィルスの影響でもっと閑散としているのかと思ったのですが、思ったよりも参拝者が多かったです。 帰りに土産のお酒と羊羹を買いましたが、店内は混雑していました。
成田山新勝寺・参道

総門
成田山新勝寺の正面入り口となる門で、開基1070年記念事業により 2008年に建立されました。
高さ 15m もある立派な門で、欄間には十二支の彫刻が施されています。
総門の前は広場のようになっており、大勢の観光客が総門を背景に写真を撮ってました。
成田山新勝寺・総門

仁王門
1831年に再建されたのが現在の仁王門になります。 正面は金剛像、裏側は広目天、多聞天によって守られている門です。 中央にある大きな提灯には「魚がし」の字が書かれています。
この提灯は、築地の魚河岸講が代々奉納しているそうです。 そういえば、浅草寺にも同じような大きな提灯が吊り下げてありますね...。
成田山新勝寺・仁王門

 成田山新勝寺・仁王門

成田山新勝寺・仁王門

仁王門を通った先には池があり、右側には亀の形をした岩があります。
この池には本物の亀も住んでいるそうですが、冬場は冬眠しているのか見る事はありませんでした。
この岩の上に亀がうじゃうじゃいる写真を何度か見かけた事があります。
成田山新勝寺・亀の岩

大本堂
1968年に建立された立派な本堂です。
新勝寺の本堂は何度も再建されています。 古くは、源頼義が前9年の役の頃に再建しています。
頼義は、源頼朝や足利尊氏の祖となる重要な人物です。
また、1655年に再建された本堂は、1701年の本堂再建時に移築されて新勝寺から少し離れた場所に薬師堂として現存しています。
薬師堂は新勝寺最古の現存建築物らしいのですが、気が付かずにスルーしました...。
成田山新勝寺・大本堂

鐘楼
色彩鮮やかな組み物が印象的です。 1701年に建立された鐘楼です。
梵鐘は、同じ年に建立された新しい本堂の記念に鋳造された物です。
成田山新勝寺・鐘楼

一切経堂
1722年に建立された御堂です。 転輪経蔵には約 2000冊の一切経が治められています。
堂内の経蔵は、鐘楼と同じような色彩の組み物で、豪華な彫刻が施されています。
実際に回すせるお寺もありますが、新勝寺の経蔵は回す事ができません。 これだけ豪華な物だと仕方ないかも知れませんが...。
成田山新勝寺・一切経堂

成田山新勝寺・大本堂

三重塔
1712年に建立された三重塔です。 1801年と 1858年に改修工事が施されており、1981年~1983年に、1803年頃の資料を参考に当時の色彩に修復されています。
新勝寺の建物は、色彩鮮やかな建物が多いです。 お寺と言うより、神社の建物のような感じです。
中には、大日如来、阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来が安置されています。
成田山新勝寺・三重塔

聖徳太子堂
1992年に建立された建物なので、かなり新しい部類に入る建物です。
日本仏教の祖である聖徳太子像が安置されています。
上から見ると八角形の建物で、そう言えば、四天王寺の太子奥殿も八角形の建物でしたね...。 この形に何か意味があるのでしょうか?
成田山新勝寺・聖徳太子堂

成田山公園
東京ドーム3.5個分の広さがある大きな公園で、新勝寺の敷地内にあります。
日本式の庭園以外に、は西洋式の庭苑や美術館などもあります。
今年は暖冬だったので、梅がいい感じで咲いていました。
成田山公園・梅

成田山公園・浮御堂

平和の大塔
成田山公園の中にあるのが 1984年に建立された平和の大塔です。
外観では分かりませんが、5階建の大きな建物で、塔内には写経道場などがあります。
塔の地下にはタイムカプセルが埋められており、建立から 450年後に開封する事になっているそうです。 450年後なんて、どんか世の中になっているのか想像ができませんね...。
成田山新勝寺・平和の大塔

醫王殿
難しい字ですが、「いおうでん」と読みます。
開基 1080年の記念事業として 2017年に建立された新しい御堂です。
本尊は薬師瑠璃光如来で、両脇を日光、月光菩薩、十二神将が守ります。
成田山新勝寺・醫王殿

清瀧権現堂・妙見宮
1732年の建立された建物です。 清瀧権現と地主妙見が合祀されています。
この寺院の鎮守のようで、少し離れた所には三社を祀る社もありました。
新勝寺は明治の神仏分離令の影響を受けなかったのでしょうか?
成田山新勝寺・清瀧権現堂

光明堂
この建物は、1701年に建立された旧本堂のようです。 本尊は大日如来です。
年代から察するに、この建物を本堂として建てた事により、それまでの本堂が新勝寺から少し離れた場所に薬師堂として移築されたのだと思います。
1858年に新しい本堂が建立されたので、その時に本堂裏に移築されたようです。
さらに、1968年に現在の本堂が建立される事になり、現在の場所に移築されたようです。
どういう関係なのかは不明ですが、ライフル射撃の的が奉納されていました。
成田山新勝寺・光明堂

成田山新勝寺・光明堂

開山堂
新勝寺を開山した寛朝僧正を祀る御堂です。
現在の建物は開基1000年を記念して 1938年に新築された物らしいです。
あまり目立ちませんが、この寺院では神聖な場所なのだと思います。
成田山新勝寺・開山堂

額堂
額堂は奉納額や絵馬を掲げる建物になります。
1861年に建立された2つ目の額堂です。 七代目市川團十郎が奉納した1つ目の額堂があったそうですが、1965年に焼失しています。
一見すると高床式の建物のように見えますが、昔は背面は板壁だったようです。
掲げられていた絵馬は成田山霊光館に保存されており、団十郎の石像が鎮座していました。
成田山新勝寺・額堂

釈迦堂
1858年に建立された前本堂が釈迦堂です。
この建物が建立された事により、それまで本堂だった光明堂が本堂裏に移築される事になりました。
また釈迦堂も、現在の本堂が建立された事により、現在の場所に移築される事になりました。
釈迦如来像や、普賢、文殊、弥勒、千手観音の四菩薩が安置されています。
本堂となる建物が4代に渡って現存しているのは珍しいですね。
成田山新勝寺・釈迦堂

聖天堂
2008年に、開基 1070年記念事業で建立されたようです。
秘仏「大聖歓喜天」を安置しているそうです。 大聖歓喜天は頭が像の形をしている場合もあるようですが、多分、一般公開はしていないのだと思います。
毎月月初7日間に天尊浴油が行われるようです。 天尊浴油は、油で歓喜天を沐浴させる儀式のようです。 もっと気になったのが奉納されている二股大根の額で、歓喜天へのお供え物のようです。
何故、二股大根なんだろう...。
成田山新勝寺・聖天堂

成田山新勝寺・聖天堂

建物は全体的に新しい物に建て替えられている印象を受けましたが、古い建物も移築されて現存している所が良かったです。
今度は紅葉シーズンにでも来てみたい所です。