長野県 龍岡城跡 ― 2020年10月24日
龍岡城五稜郭は日本に2つしかない西洋式星形稜堡です。
三河国奥殿藩主、松平乗謨(のりかた)は 1863年に移転する際に築城の許可を得ます。 翌 1864年から3年かけて龍岡城は築城されました。
一応、竣工祝いも行われていますが、実質的には未完成だったようです。 竣工してから数年後の 1871年には廃藩置県によって廃城になります。 築城して即、明治維新で廃城と言う、何とも言えない運命の城でした。
敷地は学校として利用される事になり、御殿の一部だった「御台所」だけが校舎として再利用され、他の建物は取り壊されました。 敷地は現在も小学校として使用されています。
五稜郭であいの館
続100名城のスタンプはここの出入り口に設置されています。
到着したのは会館時間前でしたが、スタンプはいつでも押せるようになっていました。
「であいの館」の壁に展望台への道順が案内されており、会館までは少し時間があったので、先に五稜郭全体が見える展望台に登る事にします。 距離がありそうでしたが、駐車場の場所が不明だったので、バイクはここの駐車場に止めて歩いて展望台に行く事にします。
北の枡形
展望台に行く途中、枡形の一部が保存されている場所がありました。
鳥居があったので最初は神社かと思いましたが、石垣がどう見ても枡形虎口。
反対側に案内板があり、やはりここは、龍岡城の北側出入り口を守る枡形跡でした。
展望台駐車場
山を回り込むように歩くので、「であいの館」から40分位で展望台の駐車場に到着。
駐車場と言っても数台の車が止まれる程度の場所です。 また、道幅も狭く、大半は未舗装道路だったので、私のバイクでここまで来るのは難しかったと思います。
車でも、ここまで登って来るのは勇気がいりますね...。
展望台から見た龍岡城
ここから見ると、星形なのが良く分かります。 この風景を見る為だけにここまで登って来ましたが、この近くに田口城の主郭跡がある事を後で知りました。
その事を先に知ってれば、違う展開になったのかも知れませんが、途中、「下山口」なる看板を見かけた事により、登山道とは思えない道を通って下山する事に...。 設置してあったロープを頼りになんとか下山できましたが、どうやら補強工事の最中だったようで、恐らく通行禁止だったのだと思います。 おかげで、登りの半分以下の時間で下山できましたが...。
龍岡藩高札場
道に迷った事により、予定に無かった龍岡藩高札場を見学する事に。
ここに法度などを記した板札が掲げられました。 近くの空き地が田野口藩陣屋があった場所です。
田野口藩は 1868年に龍岡藩に改名、明治維新後の 1881年に廃藩。
長時間の寄り道の後、無事、「であいの館」に到着。 足がガクガクで、休んだら歩けなくなりそうだったので、資料館の見学は後にします。
大手門付近
大給松平氏は持てない身分だったらしく、龍岡城は厳密には城では無く陣屋に該当するようです。
函館の五稜郭と比べると非常にコンパクトで、大手門付近から水堀をみると折れ曲がった形から星形が推測できます。
龍岡城の城内は佐久市立田口小学校の敷地なので、平日にカメラをもってウロウロするのは控えたい場所です。 御台所も、小学校の施設として使用されている可能性があるので撮影せずに帰ってきました。 不審人物と間違えられないように、手短に散策する事にします。
城内にあった田口招魂社。
由来書きの字がかすれていて分かりにくいのですが、戊辰戦争(北越戦争)から太平洋戦争までの戦死した兵士を祀っている神社のようです。 護国神社に近い感じの神社かも知れません。
黒門付近
どんな門だったのかは不明です。
学校として利用する際、土塁や石垣にも多少、手が入っているのかも知れません。
御台所の裏側付近。 周辺の土塁が、今も良く残っています。
でも、土塁がちょっと低い印象を受けます。 また、この城は展望台のあった山の近くなので、場所的には良い場所とは思えませんでした。 山に大砲を運ぶのは困難との判断からでしょうか?
ちょっと不思議な感じがする城です。
土塁の上に登って北側を眺めた所。
内側からは高く見えない土塁ですが、外からは結構な高さがある事が分かります。
守る側からは登りやすく、攻める側からは登り難いようにちゃんと設計されていました。
先端部分から東側を眺めた所。
この辺りの水堀は埋め立てられているようで、奥に小学校のプールが見えます。
これ以上、学校に近に寄るのは止めとく事にして引き返す事にします。
大手門付近を過ぎて東端の方に移動します。
少し石垣が見えます。 綺麗に加工された石が斜めに積まれているように見えます。
どことなく、最近積まれた物に見えなくもありませんが、当時の石垣ですかね?
最後に周辺の水堀を見学する事にします。
龍岡城の北側にあたる、この辺りの石垣は綺麗に加工された切込ハギの布積みです。
今回は城の南側には回りませんでしたが、そちら側は野面積みだそうです。
でも、石垣や土塁は少し低い印象を受けますね...。
最後に資料館を見学して龍岡城の散策を終えます。
やはり、小学校の敷地だと、見学しにくいですね...。
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