群馬県 草木ダム ― 2025年11月23日
草木ダムは群馬県みどり市にある重力式コンクリートダムです。
主な利用用途は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水、水道用水、工業用水、発電です。 ダムがやれる事はだいたいやっている感じですね...。
本体着工は 1971年で完成が 1976年です。 それほど新しいダムでは無いです。
草木ダムがある長柄瀬川は、昔から氾濫による水害が多く、足尾銅山による足尾鉱毒事件による深刻な被害も発生しています。 また、東京の水需要が急増し、治水と利水を兼ねた多目的ダムの建設が計画されます。 計画当初は神戸ダムの名称でしたが住民の要望によりダムが完成する前に草木ダムに名称が変わります。
東京の水利用の為に故郷が水没する事から、地域住民の反対運動は激しかったようです。
9:00 頃に草木ダム展望台に到着。
草木ダムがある国道 122号は日光に行く通り道なので、ツーリングルートとして人気が高く、かなりの数のバイクが駐車場で休憩していました。
11月末でもかなりの数のバイクがいたので、夏場の場合は相当混雑するかも知れません。
バイクを草木ダム展望台の駐車場に停め、ダムを見学しながら歩いて管理所まで行ってダムカードを貰う事にしました。
草木湖
草木ダムによって作られた人工の湖が草木湖です。 総貯水容量は 6,050万㎥ です。
ダムの建設により、230戸が水没したらしいです。
かなり寒かったのですが、その分、紅葉が想像以上に綺麗だったです。
ダム工事により故郷を離れた人々には申し訳ないですが、美しかったが率直な感想です。
曝気循環設備による水質改善の効果を監視する装置です。
この装置が担当しているのか不明ですが、草木湖では通常の水質監視とは別に、重金属濃度の監視も行われています。 多分、上流にある足尾銅山が関係しているのだと思います。
鉱山は閉鎖されてますが、堆積場には今でも汚染水が溜まってますし、万が一に備えて今でも監視しているのだと思います。 ここは首都圏の水源としても機能しているので、多くの人の生活に影響を与えています。 足尾鉱毒事件は今でも負の遺産として残っているのかも知れません。
散気管式浅層曝気装置
こちらは湖の浅い所の水質を改善する装置で、水深 10 ~ 20m の所から空気を微細な気泡として放出しています。 草木湖には、この装置が 4台設置されています。
フォルミディウム(プランクトン)のカビ臭対策として設置されています。
1994年 ~ 1996年にかけて段階的に設置されました。
噴水合体型散気管式浅層曝気装置
こちはら空気を散気しらがら表層の水を空気中に放出して水質を改善する装置です。
草木湖に 1台設置されており、フォルミディウム(プランクトン)のカビ臭対策、植物プランクトンの増殖制御の為に設置されています。 1997年に設置されました。
曝気循環設備が設置された事により、草木湖の水質は大幅に改善したようで、下流の元宿浄水場では活性炭が使われなくなったようです。
噴水型の曝気循環設備が稼働している所をあまり見た事が無かったので、これが見れただけでも良かったです。 かなりの高さまで水を噴き上げており、噴出方法も何種類かに切り替わっているようでした。 この噴水が、水質改善装置だとは知らない人も多いかも知れませんね..。
思ったよりも大きなダムです。
堤高 140m、堤頂長 405m あります。 管理は水資源機構です。
なお、水資源機構の前身は水資源開発公団で、1961年に「水資源開発公団法」に発足しました。
小泉内閣による特殊法人改革で 2003年に解散、役割は独立行政法人水資源機構へと引き継がれました。 特殊法人と独立行政法人の違いが分かりにくいですが、より自律的運営が求められるようになったと言った所でしょうか?
艇庫
建物の上がが展望台になっています。
展望台からダムを眺めていた時は下が艇庫になっている事に気が付きませんでした。
インクライン上段の近くまで水位が上がっているので、水位が高い状態なのかも知れません。
クレストゲート
草木ダムの非常用洪水吐はクレストゲート 4門です。
仕組的には鋼製ラジアルゲートで大きさは純径間8.2m×扉高14.5mです。
ダムの貯水量が増えた時に、最大毎秒 3,650㎥ 放流することが出来ます。
訪問時もゲートが 1門開放されてました。
ラジアルゲートなので、ダム上部にゲートを引き上げるような設備は不要なので、クラストゲートの上部はすっきりしています。 ラジアルゲートは扇状をしており、円の中心部分を軸に回転するようにゲートを開閉します。 それでも、それなりの設備がダム上部に設置されている場合が多いので、非常にすっきりしています。
選択取水設備
水面に見えているのはほんの一部で、選択取水設備は全有効長68.60m もあります。
ローラーゲートを上下させ、取水する水位を調整する事が出来ます。
ここから取水した水がダムの下にある発電所で発電に使用され、利水バルブから放流されます。
選択取水設備の反対側からダムの下流側を眺めた所。
下に見える白い建物が発電所です。
ダムの堤体下から太いパイプのような物が出てますが、選択取水設備から取水した水はそこを通って発電設備へと流れます。 発電所の下に大きな穴が開いてるので、そこが利水バルブがある場所かな?
管理所
ここでダムカードを貰う事が出来ます。
ちょうど見回りに出るタイミングだったようですが、無事、ダムカードを受け取る事ができました。
非常に対応が良くて助かりました。
ダムの下にも行けるようなので、この後、バイクで下に降りてみる事にします。
美しい紅葉の中、ダムの下まで降りてきました。
ダムカードと同じ写真が撮れるような枠も設置されています。
放流中なので、ダムの下から見ると迫力があります。
上からは見えなかったのですが、ダムの中間あたりにオリフィスゲートが 2門見えます。
訪問時のオリフィスゲートは閉じられているようですが、こちらが常用洪水吐です。 最大毎秒 640㎥まで放流が可能です。
構造は圧着式鋼製高圧ラジアルゲートで大きさは径間3.2m×扉高3.7m です。
低水管理用放流設備
ダムの堤体から出ている太いパイプが選択取水設備から取水した水が通る場所です。
その下の白い建物が低水管理用放流設備で、建物の下に大きな穴が開いています。
上からは見えなかったのですが、この角度からだとホロージェットバルブが少し見えます。
このバルブの直径は 1.8m もあります。
クレストゲートから放流しているので、ホロージェットバルブは閉じられているようです。
さて、そろそろ帰りますか...。




















最近のコメント