石川県 尾小屋鉱山資料館 ― 2025年08月09日
尾小屋鉱山は石川県小松市にある、日本有数の銅鉱山です。
何時頃から鉱山があったのか正確な事は不明なようですが、1682年に採掘していた記録が残っているようです。 1877年(明治10年)から本格的な採掘が開始されます。 一時期経営が厳しかったようですが、戦後の経済成長によって復活します。 しかし、海外から安い鉱石が輸入されると経営が悪化し、1962年に本山が閉山、1971年には支山も閉山して尾小屋鉱山は役目を終えます。
ポッポ汽車展示館
尾小屋鉱山資料館の手前に古い鉄道車両が展示されてました。
1920年、鉱山から採掘された鉱石を運び出す為に個人名義の鉄道が新小松~尾小屋間に開通します。 1929年に尾小屋鉄道に譲渡され、生成期には 100万人の旅客を輸送しました。 しかし、鉱山が閉山になると周辺の人口が減少し、1977年に尾小屋鉄道は廃止されます。
5号機関車(C155)
1947年に立山重工で製造された機関車です。 尾小屋鉄道で運用されたのは 1951年からですが、翌年にはディーゼル機関車が導入されると、イベント以外ではあまり使われなかったようです。
出番は少なかったようですが、尾小屋鉄道が廃止されるまで車籍が登録されていたようです。
向かって右側がハフ1で、左側がキハ3です。
キハ3の方は 1954年に製造された車掌で、遠州鉄道奥山線(静岡県)で使用されていた車両で、奥山線が廃止になった後、1964年から尾小屋鉄道で運用されていたようです。
ハフ1の方は 1918年に製造された車両で、尾小屋鉄道が開通した時から使用されていたようです。
製造してから 100年以上経つ非常に古い車両ですが、保存状態が良さそうです。
尾小屋鉱山資料館
尾小屋鉱山の資料を展示する為、1984年に開館した資料館です。
鉱山で使用された道具や鉱物資料などが展示されています。 冬季は休館しているようです。
1992年からは昭和時代の鉱山の様子を再現した尾小屋マインロードもオープンします。
元々、予定に入って無かったのですが、大日川ダムの近くにまる鉱山資料館だったので見学する事にしました。
トランシット
大正~昭和初期に使用された方向や角度を測る光学測量機器です。
トンネルを正確に掘るのに必要な機材です。
現在はトンネル工事ではレーザー照射するタイプが多いようです。 光源が限られるトンネル工事の場合、光学的な物は使い勝手が良く無かったのかも知れませんね...。
削岩機
昭和中期に使用された削岩機で、これで火薬を詰める為の穴を岩に開けて岩盤を爆破しました。
この削岩機は東洋工業製で、当時のシェアは 1位でした。
東洋工業は自動車メーカー「マツダ」の前身です。
尾小屋マインロード
当時の坑道の一部を利用した展示施設です。
本来は全長 600m が見学できるようですが、現在は 1/3 程度が見学可能です。
通行止めになっている理由は良く分かりませんが、安全確認とか、そう言った類いの理由だと思います。 また全部見れるようになると良いですね...。
外は真夏日ですが、坑道内の温度は寒いくらいです。
イベント日には坑道内をトロッコが走行するようで、体験乗車する事もできるようです。
詳しくはありませんが、この辺りは三本の木で枠を作って坑道を補強しているので、「三ツ留」と呼ばれている支柱構造でしょうか?
より強度が必要になると材料の数が増えて合唱枠と呼ばれるアーチ状に近い組み方になるようです。
見張り場
本来、見張り場は坑道の外に設置されるのですが、展示の都合により坑道内に再現しています。
見張り場では坑道内への出退勤を管理し、その日の作業内容を確認する打ち合わせなどが行われました。 坑内に入る作業員はここで判座を渡し、外に出る時に判座を受け取る事により、坑内にだれがいるのか把握していたようです。
元からなのか、見学用に補強したのか不明ですが、この辺りの枠は鉄骨でした。
サバ合掌
この辺りは「三ツ留」よりも強固な「サバ合掌」と呼ばれる方法で補強されています。
サバ合掌は、岩が柔らかく周囲からの圧力が強い場所に用いられ、「三ツ留」の内側に「合掌枠」を組み込んだ構造になります。 内側から見ると木枠が少しアーチ状に見えます。
合掌は木材と木材を合わせるような組み方から来ていると思いますが、「サバ」は何処から来た名称なのでしょうか...。
切羽
このあたりは「切羽(きりは)」と呼ばれる坑道の先端部分の作業の様子を再現しているようです。
岩盤に「削孔」と呼ばれる穴を削岩機で開け、そこに火薬を装薬して爆破します。
火薬を削孔の奥に詰め込む為、棒で押し込んだ後にアンコ(土栓)を詰めて穴を塞ぎます。
発破して採掘した鉱石は鉱車に積み込みバッテリーで稼働する機関車で運搬します。
装薬の様子を再現したマネキン。
薄暗い中で1日中、火薬などを扱う危険な重労働...。
奥の方は素掘りの状態でした。
多分、昔はこの先が見学出来たのかも知れません。
奥の方は素掘りなので、何らかの補強をしないと一般公開出来ないのでしょうか...。
日本の炭鉱や鉱山はほとんど閉山しましたが、今でも数カ所運用しているようです。
しかし、現代では電気製品からリサイクルで資源回収する方が効率的なのかも知れませんね..。


















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