長野県 野辺山宇宙電波観測所2025年07月21日

野辺山宇宙電波観測所は長野県南佐久郡南牧村野辺山にある国立天文台の施設の一つです。
国内外から多くの研究者が集まり、電波天文学の研究や技術開発が行われています。
1961年頃から太陽電波観測所の候補地として調査が始まり、1967年に 45m 電波望遠鏡を中心とした基本計画が決定します。 1969年に起工式が行われ太陽電波観測所としての建設が始まりました。 この観測所のシンボルとも言える 45m 電波望遠鏡は 1981年に完成しました。
機材の老朽化などにより多くの観測は終了しているようですが、45m 電波望遠鏡や太陽電波強度偏波計は今でも稼働しているようです。

駐輪場
2025/04/18 ~ 2025/09/30 までの間は混雑の為、一般車は天文台近くの駐車場は使用できず、旧野辺山スキー場駐車場からシャトルバスで移動するようでした。
ただ、バイクは天文台入り口横の駐輪場に停められたので助かりました。
この後、奥に見える守衛所のタッチパネルで見学の受付をして中に入りました。
なお、観測に影響が出るので敷地内で携帯電話は利用できません。 電源を切るか機内モードにする必要があります。
野辺山天文台

日時計
天文台の中に入ると最初に目に入ったのが、この大きな日時計でした。 高さは 4m あります。
「太陽の坐(いす)」言う作品のようで、良く見ると椅子のような形をしています。
背もたれのU字型をしたプレート部分が時刻を見る為の目盛りのようで、ちょうど 8 ~ 9 の間に影があります。 日時計は季節毎に誤差が出るので、モニュメント下のプレートはその補正表です。
写真を撮ったのは 8時32分で 、訪問日の 7/21 の誤差は約 5分なので、当たり前ですがほぼ正確な時刻を指してるようです。
野辺山天文台・日時計

遊歩道に引かれたラインはパラボラアンテナの直径を表しています。
ヘリオグラフのパラボラアンテナの直径は 80cm なのでそれほど大きくはありません。
ヘリオグラフは小さなアンテナを何台も繋いで観測します。
野辺山天文台・遊歩道

さっきのラインを歩いた先が 45m 電波望遠鏡のパラボラアンテナの直径です。
こうして歩いて見ると、45m 電波望遠鏡のアンテナが想像以上に巨大である事が体感できます。
野辺山天文台・遊歩道

ミリ波干渉計
直径 10m のアンテナを 6台繋いで観測する干渉計で、最大 600m の電波望遠鏡に匹敵する解像度が得られます。 干渉計は観測目的に御応じてアンテナの位置を移動します。 アンテナ間の距離が離れると解像度が上がり、距離が近づくと視野が広がります。
完成したのは 1982年で 2010年に役目を終えて現在は稼働してません。 このノウハウは南米チリのアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡へと引き継がれています。 アルマ望遠鏡はミリ波よりも波長が短いサブミリ波で観測する事が出来るので機能が大幅に向上しています。
野辺山天文台・ミリ波干渉計

野辺山天文台・ミリ波干渉計

野辺山天文台・ミリ波干渉計

野辺山天文台・ミリ波干渉計

干渉計のアンテナを移動するのに使用したレール
アンテナの重量は 35t もあるので、移動台車に乗せてレールの上を移動します。
レールに沿ってアンテナを設置する 30ヶ所のステーションがありました。
移動台車は親子2段になっており、子台車がアンテナの下に潜り込んでアンテナを持ち上げて子台車ごと親台車に乗ってステーション間を移動します。  各ステーションでは 0.1mm 単位の精度で設置していたようです。
野辺山天文台・ミリ波干渉計のレール

アンテナを固定するステーションの様子です。
3つの台座でアンテナを固定します。
野辺山天文台・ステーション

アンテナの実験装置です。
30m 離れた場所にアンテナが向かい合うように設置されています。
これは、アンテナの前で小さな声で話した内容が、反対側のアンテナで聞こえる事を体感する為の装置です。 アンテナの中央に向かって話した声はアンテナの曲面に反射して真っすぐ反対側のアンテナに反射します。 反対側のアンテナの曲面に反射した声は中央に集められるので小さな声で話した音でも聞こえると言う事らしいです。
野辺山天文台・アンテナ実験

説明が無くて確証が無いですが、赤い台座のアンテナはヘリオグラフの前身として使われていた 17GHz 電波干渉計のアンテナだと思います。 1.7m 間隔の 4基と、その 4倍間隔の 10基で構成されていたようです。
その隣の白い台座のアンテナはヘリオグラフのアンテナに似てますが、台座の形状が少し違う感じがします。
野辺山天文台

200MHz 電波望遠鏡 (日本天文遺産)
これは、東京三鷹の国立天文台で最初に作られた電波望遠鏡を復元した物です。
設置されたのは戦後間もない 1949年で、資材不足から製造には大変苦労したようです。 アンテナの台座は望遠鏡の赤道義を流用しています。
現在のような円形のパラボラアンテナでは無く、木の枠に金属製の棒をあててアンテナにしていたようです。 見た目はレーダーのアンテナににている感じでしょうか?
野辺山天文台・200MHz電波望遠鏡

野辺山天文台・200MHz電波望遠鏡

ヘリオグラフ
直径 80cm のパラボラアンテナを 84台繋いだ干渉計です。 小さなアンテナですが、直径 500m の電波望遠鏡に匹敵する解像度がありました。
現在は稼働してませんが 1992年から 2020年までの間、毎日、太陽の電波画像を撮影し続けていました。 最大で毎秒 20枚の画像が撮影出来たようです。
この小さなアンテナがずらりと並ぶ姿は見応えがあります。
野辺山天文台・ヘリオグラフ

野辺山天文台・ヘリオグラフ

野辺山天文台・ヘリオグラフ

SIS 受信機 S40
展示棟には過去に使用されていた機材なども展示されてました。
1987 ~ 2016年の間に 45m 電波望遠鏡で使用されていた受信機です。
電波は右側にある窓から入るようです。
専門では無いので詳しい事は分かりませんが、結構、でかい装置ですね..。
野辺山天文台・S40

野辺山天文台・S40

SIS マルチビーム受信機 BEARS
BEARS 受信機は 1998年に試験運用が開始され、2000 ~ 2014年までの間に 45m 電波望遠鏡で使用されていた受信機です。 向かって右側が電波の入り口のようで、25個のレンズが使用されています。 2011年から高性能が向上した FOREST の試験運用が開始され、2016年から共同利用運用が開始されており、現在は引退している装置のようです。
野辺山天文台・BEARS

野辺山天文台・BEARS

45m 電波望遠鏡
ミリ波を観測する電波望遠鏡としては最大級の大きさです。
野辺山天文台と言えば、この電波望遠鏡を思い浮かべる人は多いと思います。 実物を見ないと、この大きさは伝わり難いかも知れません。
1982年に三菱電機が製造しました。 現在でも改良されながら使用されており、巨大ブラックホールの発見などに貢献しています。
見学者が増えたのは劇場版名探偵コナンの舞台になった事が影響しているようです。 研究費用の寄付をお願いしているような状況なので、知名度アップが寄付金に反映されると良いですね..。
野辺山天文台・45m電波望遠鏡

野辺山天文台・45m電波望遠鏡

野辺山天文台・45m電波望遠鏡

野辺山天文台・45m電波望遠鏡

野辺山天文台は昔から行きたかったのですが、今回、ようやく見学する事が出来ました。
野辺山天文台も年に1回、特別公開日があるので、今度はそこに合わせて訪問してみたいです。
そう言えば、三鷹の東京天文台の特別公開も、何年も行って無いですね...。
野辺山天文台


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