奈良県 春日大社(大宮)2023年11月23日

社伝では、春日大社は 768年に常陸国の武甕槌命、下総国の経津主命、河内国の天児屋根命、および比売神を迎えて御蓋山山頂に四つの社殿を建てたのが始まりになります。
なお、本宮神社がある御霊山は禁足地なので入る事は出来ません。
武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神の4柱を総じて「春日大神」とよび、春日大社の御祭神となります。
春日社は興福寺と一体化していた時期もあり、春日西塔、東塔と呼ばれる五重塔が建てられていた時期もありました。 明治時代の神仏分離令により、興福寺と春日社は完全に分離、1946年からは名称も春日大社に変わります。 また、1998年に世界遺産登録されます。

一之鳥居
国道 169号に面している場所にある鳥居で、ここが春日大社の入り口になります。
昔はこの鳥居が旧興福寺との境目になっていたようです。
現在の一之鳥居は 1638年に再建された物です。 結構、古い鳥居です。
この辺り一帯が奈良公園で、鳥居の先には鹿が大量に生息しています。
鹿は春日大神の使いなので、古来から殺生が禁じられていますが、数が増えすぎて困ったりしないのでしょうか...。
春日大社・一之鳥居

春日大社・鹿

参道
とにかく長かったです..。
バスで春日大社表参道のバス停まで行けば、歩く距離が半分くらいになるので、奈良駅から行くのであればバスに乗った方が楽です。
今回はJR奈良駅から元興寺を経由して歩いてきたので、かなり疲れました...。
春日大社・参道

春日大社・灯籠

車舎(くるまやどり)
ここまで来れば、参拝所はもう少しです。 参道、長すぎですね..。
車舎が創建されたのは 859年ですが、現在の建物はもっと後に再建された物だと思います。
ここは、天皇の行幸や勅使、藤原氏高官が参拝した時に牛車を入れる車庫でした。
春日大社・車舎

二之鳥居
この先、ルートが2つに分かれます。
多分、真っすぐ行くのが正面ルートだと思うのですが、混雑を嫌って左のルートに入ります。
春日大社・二之鳥居

慶賀門
参拝所の西側には門が三つあり、その中の一つが慶賀門です。
三つの門はほぼ同じ規格なのですが、慶賀門の天井だけがは格組天井が張られており、他よりも少し立派な作りになっています。
藤原氏の関係者はこの門から入って参拝していたようなので、本来、ここは特別な門なのかも知れません。
春日大社・慶賀門

慶賀門から中に入った所。
左側が西回廊で、右側の灯籠が吊るされている建物が直会殿です。
春日祭の時に勅使以下が直会(なおらい)の儀式を行う事から「直会殿」と呼ばれています。
創建は 859年ですが、現在の建物は 1650 ~ 1652年頃に再建された建物のようです。
春日大社・慶賀門周辺

幣殿
普段は参拝所として使用されていますが、春日祭の時には天皇の勅使がお供え物である御幣物を一旦納める場所です。
こちらも、創建が 859年で、1650 ~ 1652年頃に再建された建物のようです。
これより奥に参拝するには、特別参拝の別料金が必要になります。
春日大社・幣殿

春日大社・幣殿

特別参拝の受付を通り、順路通りに東回廊、南回廊へ。
4月~5月頃だと、山藤が見頃になるらしいけど、訪問は秋なので殺風景な感じです。
でも、整然と並ぶ灯籠は見応えがあります。
観光客が多いので、人が入らないように写真を撮るのに苦労します...。
春日大社・南回廊

春日大社・東回廊

御蓋山浮雲峰遙拝所
回廊の先にあった御蓋山頂上浮雲峰の拝所です。
御蓋山は禁足地なので入る事が出来ません。 多分、ここが春日大社の本宮神社に一番近い拝所だと思います。
ある意味、ここが春日大社の一番の拝所なのかも知れません。
春日大社・御蓋山浮雲峰遙拝所

中門
本殿への入り口となる楼門で、高さ 10m もある立派な物です。
この門の先に本殿となる四殿が並びますが、この門から先には入れません。 中門から参拝する感じになります。
神仏習合だった昔は、本殿で興福寺の僧侶が経を上げていたようです。
創建はもっと古いと思いますが、現在の建物は 1613年に再建された物のようです。 直会殿や幣殿と比べると、少し年代が古いようです。
春日大社・中門

非常に混雑していて、中々、中門から本殿に入れなかったです...。
中門横の御廊で順番待ちをしていると、吊るされている灯籠が、歴史的有名人が奉納した物である事に気が付きました。
宇喜多秀家、直江兼続、藤堂高虎...。 中々の顔ぶれです。
春日大社・御廊の灯籠

捻廊
参拝を終えて先に進むと、本殿へと延びる階段が見えてきました。
捻廊と呼ばれている渡り階段で、1707 ~ 1709年頃の建物のようです。
春日祭の時に奉仕する斎女や内侍がここから中に入るようです。 今でも使われているのかな?
春日大社・捻廊

後殿各社参拝所
明治維新以降、閉ざされていましたが、2007年の式年造替を機に約 140年ぶりに開かれました。 ここから本殿後ろの神様(佐軍神社、杉本神社、海本神社、栗柄神社、八雷神社)を参拝する事が出来ます。
式年造替は、20年毎に行われる春日大社最上級の儀式です。
春日大社・後殿各社参拝所

藤浪之屋
春日大社に奉納された灯籠は約 3,000基にもなります。
年3回、全ての灯籠に浄火を灯す春日萬灯籠が行われますが、この建物の中でその雰囲気を感じる事が出来ます。
春日大社・藤浪之屋

春日大社・藤浪之屋の灯籠

春日大社・藤浪之屋の灯籠

これ全部に火を灯す所、見てみたいですね..。
春日大社・灯籠

直会殿にメリ込む杉の木。
建物より、杉の木を優先している所が神社らしいです。
春日大社・直会殿

南門
参拝を終えて南門から外に出ました。 本当は、こっちが正門な気がします。
南門は高さ 12m ある、春日大社で最大の楼門です。
元々は鳥居だったようですが、参拝所の周辺が回廊で囲まれた時に楼門に変わったようです。  1179年に楼門になったとの情報が多いのですが、文化庁の情報では1382 ~ 1385年になっています。 その頃に再建されたのでしょうか?
春日大社・南門

春日大社の大宮の参拝が終わったので、これから若宮の方に行ってみましょう...。