静岡県 奥野ダム2024年04月27日

静岡県伊東市の奥野ダムは中央土質遮水壁式ロックフィルダムです。 中央土質遮水壁式ロックフィルダムと言うのはコア部分が基礎岩盤に対して垂直に建設されているロックフィルダムの事で、ロックフィルダムの標準的な構造です。
本体着工は 1981年で、完成は 1989年です。
ゲートはジェットフローゲートが2門あります。 非常用洪水吐きの途中に穴が開いており、そこが1つ目のゲートで、もう一つのゲートは非常用洪水吐きの隣にあります。

駐車場
10台程度の駐車が可能です。
9:30 よりもだいぶ前に到着したので先にダムを見学する事にします。
後で知ったのですが、ダムカードは管理事務所以外にも、道の駅「伊東マリンタウン」の観光案内所でも配布しているようです。 道の駅でダムカードをもらう場合はダムの写真を撮る事をお忘れなく...。
奥野ダム・駐車場

管理事務所
1階が通り道になっている変わった建物です。
ここにダムのデータが送られ、様々な操作や警報などが出されます。
奥野ダムの主な用途は、洪水調節、河川環境保持、水道用水などです。 また、ダムの管理業務に必要な電力もダムで発電した電力で補っているようです。
奥野ダム・管理事務所

非常用洪水吐き
非常用洪水吐きは、自然調節方式ですね。
ダムの水位が一定以上上がると、ここを乗り越えて水が流れ出る仕組みです。
奥野ダム・非常用洪水吐き

奥野ダム・非常用洪水吐き

先ほどの場所を流れ出た水がここを通ってダムの外へ放出されます。
ここからは見えませんが、この斜面の途中に大きな穴が開いており、そこがジェットフローゲートの排出口です。 非常用洪水吐きに繋がっているジェットフローゲートは、常用洪水吐きとして使用されており、通常のダム水位調整はそちらのゲートで行う仕組みです。
奥野ダム・非常用洪水吐き

ダム上部の様子です。 結構、幅が広いです。
この赤い道路の下がコア部分で、土と石を固めて水を通さなくしています。
コアの両側はフィルタと呼ばれる小さな石の層になっており、コア材の流出を防ぎます。
更にその外側を大きな石を使たロック層で挟みます。 耐震性を考慮し、奥野ダムの傾斜は比較的緩いらしいです。
奥野ダムの大きさは、高さ 63m、長さ 323m、総貯水容量 510万㎥です。
奥野ダム

こちらが川下側の傾斜の様子です。
歩いて下りれそうな微妙な傾斜ですね..。 
でも、危険なので中に入らないでください。 なにしろ、ダムの高さは 63mもあります。 転んだら大変な事になります。 メンテナンスとかはどうしているのでしょうか...。
奥野ダム

奥野ダム

こちらは湖側の傾斜の様子です。
明らかに、湖側の傾斜の方が緩いです。
奥野ダム

奥野ダム

松川湖
奥野ダムによって作られた人工の湖です。
ダムの名称はダム完成の2年前に一般公募で決まりました。
「松川湖」の得票数が一番多かった事もありますが、元々、地元では伊東大川の事を「松川」と呼んでいるそうです。 松川湖の周回コースを使ったマラソン大会なども開かれるそうです。
そう言えば、早朝でしたが地元の方も散歩してましたね...。
奥野ダム・松川湖

奥野ダムからの眺め

取水設備
奥に見える建物が常用取水口の設備のようです。 あそこからジェットフローゲートを通って、非常用洪水吐きの途中にある穴に繋がっています。
ここからは陰になって見えませんが、もう少し奥に発電に使用している取水口があります。
奥野ダム・取水設備

ついさっきまでは海岸を走ってましたが、結構な山奥まで登ってきたのですね..。
さて、ダムカードを貰って先に進みますか...。
奥野ダムからの眺め

ダムを渡った先に奥野ダム資料館があるのですが、休館中との話しもあり訪問しませんでした。 しかし、歩くとちょっと距離がありそうだし、微妙な場所に建てましたね...。