足利氏館跡 (鑁阿寺)2016年05月04日

日本100名城の一つ足利氏館跡です。
城と言うよりほとんどお寺で、鑁阿寺(ばんなじ)の方が広く知られてます。
12世紀半ばに足利氏の祖・源義康が館を建てたのが始まりとさます。
現在のお寺は足利氏の氏寺であり、館内に大日如来を奉納するお堂を建てたのが始まりです。

山門
門の前の堀に屋根の付いた橋が架かっている、独特な風貌です。
この門が建てられたのは 1564 年ですが、現在の門は江戸時代後期に再建された物です。
鑁阿寺・山門

堀と土塁
現代的な工事がされていますが、四方を囲む堀は当時の物のようです。
よく見ると、堀の内側は土塁が盛られています。 少し当時の面影が残っているようです。
鑁阿寺・堀と土塁

鑁阿寺・堀と土塁


館跡
城跡と言えるのはここまでです。 案内版をみるとこの辺りが館跡のようですが、ほとんど何もありません。 城跡と言うより普通にお寺ですね...。
鑁阿寺・館跡

本堂
すごく立派な屋根を持つこの本堂は国宝に指定されています。
本堂は足利義兼によって 1196 年に建立されましたが、現在の建物は 1199 年に再建された物です。
鑁阿寺・本堂

多宝塔
創建したのは足利義兼とされますが、現在の建物は再建された物です。
相輪の宝珠を調査した結果、1629 年の銘が入った物が見つかったそうなので、再建時期はその頃かも知れません。
多宝塔としては国内最大だそうです。 (これより大きいと、「大塔」と呼び名が変わるそうです。)
鑁阿寺・多宝塔

中御堂(不動堂)
こちらも足利義兼創建ですが、1592 年に再建された物です。
昔は本堂と廊下で繋がっていて護摩法の道場として使用されていたようです。
鑁阿寺・中御堂

経堂
結構、新しい建物に見えますが、現在の建物は 1407 年に足利満兼によって再建された物です。
鑁阿寺・経堂

御霊屋
赤御堂とも呼ばれるこの建物は鎌倉時代に創建されましたが、現在の建物は江戸時代に再建された物です。 本殿に源氏の祖が祀られています。
鑁阿寺・御霊屋

大酉堂
足利尊氏を祀る御堂で、室町時代に建立されました。
明治時代の足利尊氏を逆賊とする歴史観により、足利尊氏像は本坊に移され、大酉大権現が本尊となりました。 (明治から戦前までは道鏡、平将門、足利尊氏は、三大悪人と呼ばれてましたからね...。)
鑁阿寺・大酉堂

校倉
宝物は他に移され、大黒天を祀った事から大黒堂と呼ばれる事もあるようです。 1432 年に再建されたとの事ですが、現在の棟札では 1752 年の再修となっています。
鑁阿寺・校倉

蛭子堂
開基、足利義兼の妻、北条時子を祀った御堂です。
ちいさな前掛けが印象的で、安産の御利益があると伝えられています。
鑁阿寺・蛭子堂

鐘楼
1196 年に足利義兼によって建立されました。
梵鐘は元禄時代の再鋳だそうです。 ここlは、紅葉シーズンに来たい場所ですね...
鑁阿寺・鐘楼

近くに観光駐車場があるのでバイクを停める所には苦労しませんでした。
武田氏館跡も、ほとんど神社と化しており、似た印象を受けました。
お寺としては、古い建築物が残された良い場所です。
鑁阿寺・山門