京都府 清水寺ライトアップ2020年11月20日

清水寺は京都府京都市東山区にある世界遺産登録されている寺院です。
清水寺は 778年に賢心によって創建されたと伝わる古い寺院です。 賢心は夢のお告げに従い音羽山に行くと、老修行僧に出会います。 老修行僧が「後を頼む」と言って旅経つと、賢心は老人が観音の化身だったと悟ります。 老修行僧が残した霊木に千手観音像を彫り安置したのが清水寺の始まりと伝わります。 また、賢心の教えに感銘を受けた坂上田村麻呂が寺院を建立したとの伝承もあります。

長らく本堂の修復工事が行われていたので参拝を見送ってましたが、修復工事も無事完了したので参拝する事にしました。 また、ライトアップ期間中だったので夜間の参拝になります。
清水寺に近づくと、夜空に伸びるサーチライトが見えてきました。
清水寺ライトアップ

仁王門
応仁の乱の時に焼失したようですが、16世紀初頭(室町時代)に再建されました。
清水寺では 1629年までに9回も火災が発生しています。 この門は清水寺の中では古い部類の建物なのかも知れません。
ここまでの参道は人が少なく感じましたが、さすがに仁王門前まで来ると人が増えてきます。
門を守る金剛力士像は金倉時代末期の作です。 ライトの当たり具合なのか、仁王像の目が光って見えます。
清水寺ライトアップ・仁王門

仁王門の先にある券売所で入場券を購入します。
連休前日だったので、思いの他、混雑はしてませんでした。
多分、明日以降はこんな物では無いと思います......。
清水寺ライトアップ・券売所

西門
1631年に再建された門です。 1629年に火災があったようなので、その時の火災で焼失したのだと思います。
門自体は通行止めでした。 仁王門から少し横に逸れた場所にあるので、実用性を考えると少し不自然な場所に思える門です。
清水寺ライトアップ・西門

清水寺ライトアップ・西門

鐘楼
1607年に現在の場所に再建された建物です。 ただし、清水寺のHPでは「再建・移築」と説明しているので、もっと古い年代の建物なのかも知れません。
三脚は使用禁止だろうと思い持ってきませんでした。 手持ち撮影なので苦労します...。
清水寺ライトアップ・鐘楼

三重塔
1632年に再建された三重塔です。 高さ 31m の三重塔は、大きな部類に入るようです。
清水寺の建物は綺麗な朱色の物が多く、少し神社っぽく感じる所があります。 また、色彩も綺麗なので、それほど古さを感じません。
清水寺ライトアップ・三重塔

随求堂
1718年に再建された、大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)を本尊として祀る御堂です。
本来であれば「胎内めぐり」ができるのですが、コロナの影響で中止しているようです。
本尊は秘仏で、博物館などを除く随求堂内での居開帳は今まで数回程度しか行われていないようです。 ここはライトアップされていなかったので、参拝する人も少なかったです。
清水寺ライトアップ・随求堂

経堂
1633年に再建された建物で、平安中期までは講堂として使われていたようです。 また、納められていた一切経も現存していないようです。
釈迦三尊像が安置されてますが、展示会の会場として使用される場合もあるようです。
奥に見えるのは坂上田村麻呂夫妻像を祀る開山堂(田村堂)です。
清水寺ライトアップ・経堂

轟門
轟門は本堂の入り口にあたる中門で、1631 ~ 1633年に徳川家光の寄進によって再建されました。 手前には轟橋と呼ばれる石橋があり、昔はこの場所に川が流れていたようです。
門にある「普門閣」の扁額は月舟宗胡の書。 月舟は、応仁の乱以降衰退していた曹洞宗の復古運動を行った江戸時代前期の僧侶です。
この辺りからライトアップされた清水寺の谷間が良く見えます。
清水寺ライトアップ・轟門

清水寺ライトアップ・轟門からの眺め

出世大黒天
轟門から有名な舞台に移動する途中にある大黒天像です。
暗い中での真っ黒な大国天は少し不気味さも感じますが、財運、商売繫盛などの御利益がある神様です。 目立った剥落も無いので最近造られた像に見えますが、室町時代に造られた古い像のようです。
清水寺ライトアップ・出世大黒天

舞台の床板はまだ工事中でしたが、一応、歩く事は出来ました。
紅葉と言うより、夜景がきれいですね...。
京都タワーが良く見えます。
清水寺ライトアップ・舞台からの眺め

本堂
「清水の舞台」で有名は本堂は、1633年に再建されました。
工事現場の足場のような土台を築き、その上の舞台が音羽山の岸壁に突き出ています。
本尊である千手観音に芸能を奉納する為の場所なので、神社にある神楽殿に近い存在なのかも知れません。 神仏習合を色濃く感じますが、明治の神仏分離令や廃仏毀釈をよく乗り越えられたと思います。 状況によっては、この風景は全く別物になってたかも知れません。
清水寺ライトアップ・本堂

建物に強い照明を当てている訳では無いので、高感度の手持ち撮影は厳しいです...。
だいぶ画像が荒れますね...。
清水寺ライトアップ・本堂

下の見ると音羽の滝が見えます。 寺の名前になった滝で、清水寺はここから始まったとも言えます。
奥に見える三重塔が子安塔。ただしライトアップの時間帯は立ち入り禁止で近くまで行けませんでした。 
清水寺ライトアップ

阿弥陀堂
現在の建物は、1631年に再建された物ですが、ここは法然上人が最初に常行念仏道場とした場所です。 法然は浄土宗の開祖なので、清水寺は神仏以外に宗派も入り組んでそうです。
黄金に輝く阿弥陀如来像が、ライトアップで浮かび上がって見えるのが印象的です。
清水寺ライトアップ・阿弥陀堂

清水寺ライトアップ・阿弥陀堂

百体地蔵堂
釈迦堂、阿弥陀堂の裏にある、目立たない寂しげな場所です。
ずらりと並ぶお地蔵様が独特の雰囲気を作り出しています。
建てられたのは 1921年なので、比較的新しい建物のようです。 子供を亡くした親が、子供に似た地蔵を探して崇拝している場所のようです。
清水寺ライトアップ・百体地蔵堂

一通りの見学を終え、池の近くを通って入り口に戻ります。
清水寺ライトアップ

振り返ると三重塔が...。
清水寺のライトアップは、見せる為に整えられた庭園と違う、自然に近い姿を楽しむような印象でした。 混雑ぶりから三脚は難しいので、次は固定物やミニ三脚を上手く使って撮影したいと思います。
清水寺ライトアップ・三重塔