青森県 恐山(2)2019年08月23日

恐山参拝の続きです。

地獄の世界観を再現したような参道と点在する石仏の中を先に進みます。
あの世に行くと、こんな寂しげな道を一人で彷徨うのでしょうか...。
恐山・石仏

恐山

軍服を着ている地蔵様は他で見た記憶が無いです。
戦没者を祀っているのかも知れません。 青い襷が印象的です。
恐山・英霊地蔵尊

親よりも早く亡くなった子は懺悔の為に石を積み、それを鬼が崩してしまうので何度も石積みを繰り返すらしい...。 そして、生きている人々が供養として石積みを手伝ってあげるこの光景がずっと昔から続いているのだと思います。
恐山

恐山

八葉地蔵菩薩
八葉塔の方が正しい呼び名なのかも知れません。 恐山の一番奥にある、高さは 5m もある大きな石仏です。 仏像の方も半跏大地蔵尊の方が正しい呼び名のようです。
半跏」とは、右足を左足の膝の上にのせ、右手を頬に付けている姿ですが、地蔵菩薩では珍しい印象を受けます。
恐山・八葉地蔵菩薩

恐山・八葉地蔵菩薩

塩屋地獄
湯気が出ている所に塩屋地獄の木札がありました。
八大地獄とも関係無さそうで、どんな地獄なのか不明です...。 噴き出しているガスには硫化水素が含まれており、その為なのか地面が黄色く変色している場所が多いです。
恐山は特定の場所を除き、ロウソク、線香の類は使用禁止になっています。
恐山・塩屋地獄

恐山・硫黄

血の池地獄
酸化鉄とかで赤くなるようですが、赤くは無かったです。 昔は赤かったのであれば、成分が変わってしまったのかも知れません。
元々、血の池地獄の血は月経やお産の時に流れ出た血で出来ており、それら出血をする女性が落ちると言う理不尽な内容でした。 今の時代に合わない内容なので、血の池地獄も遠慮しているのかも知れません...。
恐山・血の池地獄

八角円堂
血の池地獄の側にある御堂で、死者がこの御堂の裏にある森に降りてくるらしいです。
遺族は降りてくる死者の為に、衣服をこの御堂に納めます。
お盆になると、下界に降りてきた死者の為に手ぬぐいが木に結び付けられます。 手ぬぐいの意味が分からなかったので、最初に見た時はかなり不気味でした...。
恐山・八角円堂

恐山・タオル

極楽浜
青く美しい極楽浜の写真を何枚も見てきたのですが...。
山の上にある恐山では、天候が悪化すると雲が低くて不気味な風景になります。
あまり極楽っぽく無かったです。
恐山・極楽浜

恐山・極楽浜

東日本大震災慰霊塔
東日本大震災の犠牲者を供養する為、2013年に建立されました。
蓮華の中に地蔵菩薩坐像、その足元に男の子と女の子がいる印象的な慰霊塔です。
地獄の中を歩き、静かな極楽浜で地蔵菩薩に出会うこの参拝ルートは物語的な物を感じます...。
恐山・東日本大震災慰霊塔

極楽浜で少し休憩をした後、「胎内くぐり」と言われる参道を通って本堂の方に戻ります。
地獄を通って極楽(浜)にたどり着き、胎内くぐりを経て生まれ変わると言う流れかと思いきや、その先にあったのは重罪地獄。 どうやら罪人は簡単には再生できないようです....。
恐山・胎内くぐり

恐山・重罪地獄

数ある地獄の中を進み、小高い丘を登りきるとそこに延命地蔵が現れます。
地獄めぐりもここまで。 そろそろ現世に戻る事にしましょう...。
恐山・延命地蔵

恐山・延命地蔵

売店で実家の墓参り用に線香を購入し、バイクに荷物を載せていた時に再び雨が降ってきました。
参拝中は雨が止んでいたので助かりました。 豪雨の中、諦めずに参拝したご褒美だったのかも知れません。 この後、夜まで高速を走り続けて宮城県のホテルへ...。 疲れました...。