沖縄県 今帰仁城(2)2023年03月18日


大庭(ウーミャ)
旧道を登った先にあるのが大庭です。
北殿、南殿の建物が配置されていたようで、政治的・宗教的な儀式が行われた場所と考えられています。
案内板には、1982年の旧8月に行われた、今帰仁ノロによる年中祭祀の写真が載ってました。
今でも行われてるのでしょうか?
今帰仁城・大庭

ソイツギ(城内下之御嶽)
今帰仁城内には御嶽のイベ(最も神聖な場所)が2ヶ所あり、その内の一つが大庭の北西にあります。 琉球国由来記には神名「ソイツギノイシズ御イベ」との記載があるようですが、どんな神様なのでしょうか? 旧8月に今帰仁ノロによる五穀豊穣の祈願が行われるようなので、それに関係する神様でしょうか?
今帰仁城・ソイツギ

カラウカー
大庭の南側にある拝所で、常時、水を蓄えていました。
訪問時は水がありましたが、今では水が無い日も多いようです。
女官たちが髪を洗ったり、吉凶を占ったりする場所でした。
だんだん、今帰仁城は戦う為の城と言うより、礼拝堂のような場所に思えてきました...。
今帰仁城・カラウカー

御内原(ウーチバル)
女官の部屋があったと伝わる場所です。
ここには今帰仁城内に2つあるもう一つのイベもあります。
今帰仁城・御内原

テンチジアマチジ(城内上之御嶽)
御内原の南東にある、今帰仁城内に2つある御嶽のイベの一つです。
崇められているテンチジアマチジは今帰仁城の守護神で、男子禁制の最も神聖な場所でした。
女官の部屋があった御内原は、今帰仁城の中でも特別な場所だったのかも知れません。
今帰仁城・テンチジアマチジ

主郭
今帰仁城の中枢だった場所です。
主郭は2つの区画に別れてました。
発掘調査により 13世紀末~17世紀前期まで機能していた事が判明しています。
周辺の石垣が築かれたのは 14世紀中頃で、その頃に礎石建の正殿が北側に建てられました。
今帰仁城・主郭

主郭が現在の広さになったのは 14世紀後半 ~ 15世紀前期の頃。
礎石跡から、正殿はその頃に南側に移されたようです。
15世紀前期に北山が滅び、今帰仁城は中山の北方を監視する拠点として使用されます。
この礎石跡は、その頃の建物跡のようです。
今帰仁城・主郭

今帰仁里主所火の神
主郭にあった祠です。 北山監守一族の火の神が祀られています。 火は家の守り神と信じられています。
今帰仁城は 1609年の薩摩による侵攻で落城しますが、1665年まで北山監守が置かれてました。
北山監守が首里に引き揚げた後も拝所として使用されていたようです。
現在の祠は戦後に改修された物のようです。
今帰仁城・今帰仁里主所火の神

主郭の石垣を外側から眺めた所。
手前の方とその奥で石垣の積み方が少し違います。
手前の方は出入り口付近の石垣で、平たい石が積まれてますが、奥の方は一般的な野面積みです。 出入り口付近は崩れないように平たい石を積んでいるのでしょう。
今帰仁城・主郭の石垣

志慶真門郭側から主郭の石垣を眺めた所。
石垣の曲線と青い海が美しいです。 本土では見れない光景です。
今帰仁城・主郭の石垣

今帰仁城・主郭の石垣

志慶真門郭
今帰仁城の山手側には志慶真集落があったと伝わり、その集落への門が志慶真門と呼ばれてました。 石垣が崩れた所があったので、多分、その辺りに門があったのだと思います。
郭からは発掘調査により4棟の建物跡が見つかっています。
明朝時代の陶器以外にも矢じりなどの武具も見つかっている事から、王の側近が住んでいたと考えられています。
今帰仁城・志慶真門郭

今帰仁城・志慶真門郭

ここからの眺めは素晴らしかったです。
海の色が途中から変わるのは、急に深くなるから?
ここが今帰仁城の先端部分。 戻るとしましょう。
今帰仁城・志慶真門郭からの眺め

本日の目的地は今帰仁城のみだったので、バスに乗ってホテルに行く前に近くを散策する事にします。 Google Map でまず目に入ったのが志慶真乙樽墓。 バス停からもさほど離れて無いので行ってみる事にします。

志慶真乙樽墓
川の畔にあるのですが、目立たない場所にひっそりとありました。
志慶真村の乙樽は評判の美女でした。 乙樽は、その噂を聞いた今帰仁城の王によって召し抱えられる事になりました。 乙樽は王の寵愛を受けますが、王は王妃との間に王子を残して大病を患って亡くなってしまいます。
王が亡くなった後、家臣による謀反が発生しますが乙樽は幼い王子を背負って城を脱出します。
やがて、脱出した王子は成長し、今帰仁城を奪還して乙樽と再開します。 乙樽は北山最高位のノロになります。 ここは、その乙樽の墓です。
お供えがある所を見ると、今でもちゃんと管理されっているようです。
志慶真乙樽墓

シルバマ港
せっかくなので、近くの港まで行ってみる事にします。
途中、地元の人に何処から来たのか聞かれたので、しばし雑談を..。 「海に入るなよ~」との話をしって港へ到着。 海は思ったよりも荒れてましたが美しい場所です。
港と言っても、船を引き上げるだろうコンクリートの通路が1本あるだけのシンプルな物です。
あいにくの曇天が残念ですが、沖縄らしい海です。
シルバマ港

砂浜かと思いきや、砂では無くサンゴの残骸でした。
こんな場所に来たのは初めてです...。 寄り道をして良かった。
先ほどまで釣りをしていた人も帰ったので、港にいるのは私一人。 風と波の音しかしません。
シルバマ港

ここに住んでる人が羨ましい..。
シルバマ港

海をじっと見つめるシーザー。
港を見守っています。
もう夕方の6時。 名残惜しいですが、バスの本数も少ないのでそろそろホテルに帰る事にしましょう。 今日は名護市のホテルで1泊して、明日は座喜味城を目指します。
シルバマ港のシーザー


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