東京都 旧東京音楽学校奏楽堂2025年05月18日

5月18日は 1977年に国際博物館会議(ICOM)が設けた「国際博物館の日」です。 この日は全国で多くの美術館、博物館が無料公開されます。 今年は日曜日なので上野の美術館、博物館を観に行く事にしました。

旧東京音楽学校奏楽堂は、東京芸術大学大学美術館に行く時にその前を通るので存在は知ってましたがが入った事はありませんでした。
日曜コンサートが行われているのですが、逆にそれが音楽にあまり興味の無い自分にとって行き難い場所となっていました。 今回は無料公開日で人も多く、割と気軽に入る事が出来ました。 なお、上野周辺の美術館、博物館には駐車場が無く、周辺の有料駐車場を使用する事になります。

旧東京音楽学校奏楽堂は、1890年(明治 23年)に東京音楽学校(現東京藝術大学音楽部)の本館として建てられました。 創建以来、日本の音楽教育の中心的存在でしたが老朽化により、1981年から使用が禁止され、1983年に台東区に寄贈されました。
1987年に現在の場所に移築されて一般公開されています。
現在は国の重要文化財に指定されています。
旧東京音楽学校奏楽堂

古い洋風の建物です。 2015 ~ 2018年に建物の修復と耐震補強工事が行われているので、建物は非常に綺麗な状態です。
創建当時は左右がもっと長い建物だったようですが、現在はだいぶ短くなっています。 保存用に現在の場所に移築した時に切り詰められたのかも知れません。
入り口が車寄せになってますが、当時の学生もここから登校したのでしょうか?
旧東京音楽学校奏楽堂

旧東京音楽学校奏楽堂

校舎の脇には「荒城の月」で知られている滝廉太郎の銅像が設置されてました。
滝廉太郎も東京音楽学校に入学し、ここでピアノを学びました。
「荒城の月」は石垣のみに荒廃した岡城を見て作曲したと伝わります。
自分が岡城を訪問した時は雨が降っていたので、寂しげな雰囲気を今でも覚えています。
また九州をバイクで旅する日が来ると良いのですが...。
旧東京音楽学校奏楽堂・滝廉太郎像

1階の廊下部分
今の学校の廊下と比べると、少し幅が狭いかも知れません。
昔は今の培の長さがあったと思うので、廊下を見た時の印象はだいぶ違うかも知れません。
1階の各部屋は展示室になっています。
旧東京音楽学校奏楽堂・廊下

建物の中心部分に4カ所階段があります。
微妙に窓の高さと階段の高さが合って無いような気がしますが、外からの見た目を重視して窓の位置を決めたのかも知れません。
それでも、中々美しい階段です。
旧東京音楽学校奏楽堂・階段

旧東京音楽学校奏楽堂・階段

旧東京音楽学校奏楽堂・階段

ホワイエ
建物の 2階中央部分は音楽ホールとなっており、階段を上がった先はホワイエ(音楽ホールのロビーのような場所)になります。
殺風景な一般的な学校には無い、かなりオシャレな部屋です。
演奏用のホールを備えた音楽学校であれば、今でもこんな感じなのでしょうか?
旧東京音楽学校奏楽堂・ホワイエ

旧東京音楽学校奏楽堂・ホワイエ

音楽ホール(奏楽堂)
学校の校舎とは思えない場所です。
ここは今でも使用されている音楽ホールです。 今日も午後からここで演奏が行われるので、演奏が無い時しか見学する事が出来ません。
ピアノの奥にある、管が並んだ大きな物はパイプオルガンです。
奏楽堂が建てられた時にはパイプオルガンは無く、このパイプオルガンは徳川頼貞伯爵が 1928年に東京音楽学校に寄贈した物です。 元々、このパイプオルガンは自宅の音楽ホールに設置していたようですが、関東大震災で建物が崩壊します。 ただ、パイプオルガンは無事だった為、東京音楽学校に寄贈したようです。 パイプオルガンも老朽化していて演奏に使えない状態だったようですが、2015年からの修復工事の時に修理されたようです。
旧東京音楽学校奏楽堂・音楽ホール

旧東京音楽学校奏楽堂・音楽ホール

何故か、なんとなく入り難い場所だったので、今回見学する事が出来て良かったです。