奈良県 唐招提寺2014年08月16日

当時の日本では正式な僧侶になる為の儀式である授戒が行える師が存在しませんでした。 鑑真はその要請を受け日本に渡ろうとしますが、当時の交通事情は厳しく、日本に渡る事は命がけでした。 鑑真も6度目にしてやっと日本にたどり着きましたが、その時には失明していました。
唐招提寺は 759 年に新田部親王の旧地を賜って建立された鑑真の私寺でした。 当時は講堂といくつかの御堂があった程度だったそうです。

南大門
唐招提寺にバイクで来たのは初めてでしたが大きな観光駐車場が整備されていたので停める場所には苦労しませんでした。
ここで拝観料を支払って内部に入ります。 現在の建物は 1960 年に再建された物です。
唐招提寺・南大門

金堂(国宝)
奈良時代に建立された金堂としては唯一の現存建物になります。
鑑真の死後、共に日本へ渡った弟子の如宝によって金堂は建立されたと伝わっています。 平成の大修理の際、年輪年代法によって 781 年に伐採された木材が使用された事が判明してますが、正確な建立年代は不明なようです。 平成の大修理は 2000 年~ 2009 年にかけて行われた大規模な物で完全に解体してから組み直されています。 初めて訪問した時は解体修理中でした。
唐招提寺・金堂

唐招提寺・金堂

鼓楼(国宝)
1240 年に建立された鎌倉時代の建物です。 唐招提寺では唯一の重層建築物になります。 名前からして太鼓でも鳴らす場所かと思いましたが、鑑真和上が持ってこられた仏舎利が収められており、舎利殿とも呼ばれてます。
右側に見える非常に長い建物は礼堂東室になります。
唐招提寺・鼓楼

礼堂東室
この角度から見ると普通の建物ですが、上の写真でも解るように19間もある非常に長い建物です。 南側8間が礼堂、北側10間が東室、その中間1間が馬道と呼ばれる通路になっています。
1283 年に僧房を改築して建てられたようです。
唐招提寺・礼堂東室

宝蔵(国宝)
南側に同じような形をした一回り小さい建物があり、そちらが経蔵でそちらも国宝です。 唐招提寺創建時に建立されたと伝えられています。
唐招提寺・宝蔵

講堂(国宝)
金堂の裏手にある大きな建物で、唐招提寺創建時に平城宮の東朝集殿を賜って移築した物です。 鎌倉時代の改修の影響を受けてはいますが、平城宮の面影を残す貴重な建物です。
唐招提寺・講堂

戒壇
僧侶になる為の授戒が行われた場所です。 唐招提寺創建時に建立されたようですが建物は火災で焼失しています。
石段は鎌倉時代の物ですが、その上の宝塔は 1980 年に建てられた新しい物です。 ちなみに日本における授戒の第1号は聖武天皇になります。
唐招提寺・戒壇

醍醐井戸
鑑真が掘ったと伝えられる井戸で、水の味が最上である事から醍醐井戸と呼ばれているそうです。 「醍醐」が何で最上位なのかと言うと、仏教の大乗経典の中で五味の最上位が「醍醐」とされているからだそうです。
唐招提寺・醍醐井戸

本坊
「本坊」となっているので住職の住居だと思われますが、参拝するような場所ではないので見学する場合はお静かに...。 公開されているのはお庭だけなので、立ち入り禁止区域には入らないようにしましょう。 
唐招提寺・本坊

唐招提寺・本坊

開山堂
元々は江戸時代に徳川家の御霊殿として建立された物でしたが、国宝である鑑真和上坐像を安置する為に現在の場所に移築されました。
鑑真和上坐像は現在、御影堂へ移されています。
唐招提寺・開山堂

御影堂を玄関から見ても絵的に面白くなかったのでパスして開山御廟の方へ向かいます。 その途中にある土塀が印象的でした。
唐招提寺・土塀

ここの雰囲気は周りとちょっと違ってます。
廟へ続く道の両脇は苔に覆われていて非常に美しいです。
周りが美しすぎて、肝心の廟の方を撮るのを忘れてしまった...。
唐招提寺・開山御廟

唐招提寺・開山御廟

唐招提寺は、こういった普通の通路も何気に美しいです。
夏にしか来た事が無いので今度は別の季節に来てみたいです。
唐招提寺