栃木県 塩原ダム ― 2025年04月27日
塩原ダムは、栃木県那須塩原市にある栃木県が管理する重力式コンクリートダムです。
主なダムの利用目的は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水などです。
こちらのダムは寺山ダムに続く国内2例目となる ESCO 事業による、塩原ダム発電所が 2015年から開業しており、利水放流を利用した発電も行われています。
寺山ダムの場合もそうですが、ESCO 事業による発電は、事業者がダム管理者と異なるのでダムカードに「発電」の記載をしていないようです。 その代わり、発電所カードを配布してました。
塩原ダム公園
県道 30号から塩原ダム公園 駐車場への道の入り口が分かりにくく、一度、通り過ぎてしまいましたがなんとか到着。 立派な公園なのですが、車で来ている人は誰もおらず、また、ここへの道路は道幅が狭いので、大型の車には向かない場所かも知れません。
ただ、駐車場はガラガラなのに人が多く、どうやら大抵の人は対岸のもみじ谷大吊橋の駐車場から吊り橋を渡ってきているようです。
びっくりしたのは、この時期に桜が綺麗に咲いていた事です。
管理所
まずはここでダムカードを貰いましょう。
ここは、管理所の 2階部分のようです。
管理所付近から見るとダムがカーブしているように見えます。
一見、アーチ式ダムのように見えますが、カーブしているのは湖に接していない内陸の方だけです。 水圧を支えている部分は直線的な構造になっています。
塩原ダムの堤高は 60m、堤頂長は 240m です。 湖に面している部分の長さは 110m 程度なので、堤頂長 240mは塩原ダム公園の駐車場付近までを含めた長さのようです。
塩原ダムの本体着工は 1971年で、完成は 1978年です。
ダムの中央に大きな非常用洪水吐のクレストゲートが 1門あり、横から見るとクレストゲートの側壁によってダムの奥の方が見えないほど突出しています。 これだけで出っ張っているクレストゲートは珍しいかも知れません。
常用洪水吐としてコンジットゲートが 2門あり、多分、ダムの下の方に見える 2つの建物がコンジットゲートの制御室だと思います。 また、 2つある制御室の片方にはホロージェットバルブが 1門あります。
箒川発電所
減勢池の副ダムの先にある建物が箒川発電所です。
この発電所の水源は塩原ダムでは無く、さらに上流にある箒川ダムであり、発電所を管理しているのは東京電力リニューアブルパワー株式会社です。
塩原ダムの関連施設では無さそうです。
情報が少なく ESCO事業による発電所が何処なのかはっきりしないのですが、利水放流水を利用した後付けの発電設備なので、恐らく、ダムの下にある制御室のどちらかに発電用の水車を設置して発電しているのだと思います。 ホロージェットバルブがある方かな?
なお、塩原ダムの貯水位は変動が大きく、放流量の変動が大きいので、適用範囲の広いフランシス水車が利用されているとの事。 発電の出力は 195kw 。
艇庫
インクラインが伸びてるので、あそこが艇庫でしょう。
塩原湖
総貯水容量は 876万㎥ なので、思ったよりも貯水容量が大きいです。
少しだけ見えてますが、ダム湖の上には「もみじ谷大吊橋」が架けられています。 吊り橋の長さ 320m は無補剛桁歩道吊橋としては本州最大級です。
公園も綺麗に整備されているので、観光客が多いダムでした。
洪水吐ゲート制御室
手前の建物と奥の建物の間にクレストゲートがあり、この建物はクレストゲートの制御室だと思います。
横から見ると、異常に突き出ている事がわかります。 大きなクレストゲート 1門で対応すると、こんな感じになるのでしょうか?
洪水吐ゲート制御室
変わった形をした建物ですが、位置的にここがエレベーター室だと思います。
エレベータを動かす装置の都合でしょうか? この不自然な形状な何でだろう?
出入り口がシャッターなのも変わってます。
結構、ダムの上は賑やかです。
右手前の小さな建物は水位計室、その向かい側がエレベーター室です。
エレベータ室の奥にあるのが洪水吐ゲート制御室。
右側奥に見える建物は場所的にコンジットゲートの取水設備でしょうか?
減勢工の様子。
減勢池と副ダムが見えます。 あまり落差は感じないです。
この後、沼原ダムのダムカードを貰いに「森の発電おはなし館」に行ったら休館中...。
どうやら、12/1 ~ 4/30 の期間は休館しているらしい...。 調査が甘かった..。
深山ダムもダムカードを配布しているのですが、こちらも平日のみの配布...。
塩原ダムから、結構、山奥まで移動したのに全て無駄に..。
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