滋賀県 鎌刃城2021年11月20日

鎌刃城は滋賀県米原市にある続100名城の一つです。
正確な築城年代は不明ですが、1472年に京極方の今井氏が、堀氏が守る鎌刃城を攻めた記録があるようです。 もっと古く、鎌倉時代の土肥元頼によって築城された可能性もあるようですが、そこまでは古くは無いとの考えが主流のようです。
激しい勢力争いの狭間にあった事から、城主は度々入れ替わり、1538年には六角氏、1559年浅井氏方に付いた堀氏が入場します。 この頃の堀氏は浅井方や六角方など所属先の入れ替わりが多く、生き残りへの必死さが伝わります。
1570年に浅井長政が織田信長に敵対すると、堀氏は織田方に付きますが 1574年に掘氏は信長によって改易されて鎌刃城は廃城になります。

鎌刃城跡駐車場
旧中山道沿いにある、鎌刃城跡駐車場。 ここからだと鎌刃城までは 3km あります。
林道を通れば、本丸近くまで行けるようですが、道の状態が不明なのでここから歩く事にします。
鎌刃城は山ヒルや熊の噂が多いので、山ヒル対策の虫よけスプレーや熊除けの鈴を準備します。
自分のバイクしか写ってませんが、朝9時半時点で他にも車が4~5台停まってました。
鎌刃城・駐車場

Cafe&Gallery「源右衛門」
続100名城のスタンプが置かれている「源右衛門」。
帰って着た時に営業してれば休憩するつもりでしたが、扉が閉まっていて影響して無さそうな感じでした。 ここで協力金 100円で鎌刃城の地図を入手して散策を開始します。
Cafe&Gallery「源右衛門」

スタンプを押してから登城口へのルートが分りにくかったです。
多分、スタンプを押した場所から少し引き返し、細い道を右折するのが正しいルートだと思うのですが、地元の人から「番場資料館」脇の細い道を教えてもらい、そこから登城口へ...。
鎌刃城・番場資料館脇

登城口
高速道路下の登城口はフェンスで閉ざされており、自分で開けて中に入ります。
獣害対策のようなので、入ったらちゃんと鎖で閉めましょう...。
鎌刃城・登城口

菅公の腰掛石
鎌刃城への脇道に、菅原道真公がこの地を通った時に腰を掛けられたと伝わる石が祀られています。 知らなかったのですが、この祠の先にも番場城と言う別の城跡があるようです。
鎌刃城・菅公の腰掛石

大手口を過ぎた辺り。
後はひたすら山道を登ります。
鎌刃城は私有地のようで、地権者の好意によって見学可能なようです。 迷惑をかけないように散策をしましょう。
鎌刃城・大手道

途中にあった熊除けのベル。 途中、もう1カ所ありました。
ここれを鳴らしてから先に進みます。 一応、自前の熊除け鈴も鳴らしながら先に進みます。
大手路は「急坂」と言うより「長い」と言った印象でした。
鎌刃城・熊よけベル

北の大堀切
大手路を登り続けると、巨大な堀切が現れます。
北側には4つの堀切があるようですが、その中で最大の物です。
幅 25m、深さ 9m もあります。 当時はもっと急な斜面だったはずです。
この上にもう一つの堀切があり、その先が北-Ⅵ曲輪です。
鎌刃城・北の大堀切

鎌刃城・北の大堀切

北-Ⅵ曲輪下の堀切と思われる付近からの眺め。
紅葉も美しく、良い眺めです。 心配していた山ヒルも見当たらず、良いタイミングに来たようです。
鎌刃城・北-Ⅵ付近からの眺め

北-Ⅵ曲輪
ここには半地下式の5×3間の礎石跡が見つかっており、それ以上の建物があったようです。
柱間は六尺五寸でした。 大量の鉄釘や天目茶碗なども発掘されています。
展望台が建てられてましたが、ちょっと心許ない感じだったので登りませんでした。
鎌刃城・北-Ⅵ曲輪

北-Ⅴ曲輪の枡形虎口跡
ここが大手門だったようで、当時の石垣の様子が復元されています。
発掘調査で門の礎石も見つかっており、三段の石段、または石垣を配した立派な門だったようです。
鎌刃城・北-Ⅴの虎口

北-Ⅴ曲輪の「水の手」
城の南側にある青龍の滝から城内に水を引き入れていた「水の手跡」が見つかっています。
山城で井戸を掘るのは難しいので、大事な水源だったのだと思います。
現在も地元の人たちによって青龍の滝から 700m のパイプで水が引き入れられています。
飲み水では無いのでご注意を。
鎌刃城・水の手

「水の手」下にある石垣跡。
もっと下に立派な物があるのかも知れませんが、少し下った所にも石垣跡がありました。
かなり急坂であった事もあり、体力温存の為にここで引き返す事にします。
鎌刃城・大石垣

正確な場所は不明ですが、多分、北-Ⅳ-2と思われる曲輪。
物見櫓のような展望台がありました。
鎌刃城は思っていたよりも巨大な山城だったようです。 なかなか主郭に辿り着きません。
鎌刃城・北ーⅣー2

この後さらに、北-Ⅳ-1、北-Ⅲ、北-Ⅱ、北-Ⅰと曲輪群を進みます。
鎌刃城・北-Ⅲ

鎌刃城・北-Ⅱ

ようやく主郭に到着。
主郭から北-Ⅰ曲輪を見下ろすと、結構な落差がある事が分ります。
当時、ここを直登するのは難しかったと思います。
鎌刃城・北-Ⅰ

主郭の桝形虎口。
石垣が組まれた立派な物です。 当時としてはかなり先進的な山城だったのかも知れません。
多分、先ほどの北-Ⅰ曲輪から主郭に沿うように歩かされて、ここに誘導される構造だったのだと思います。 北-Ⅰから登ってきた時には気付きませんでしたが、主郭は石垣で囲まれていたようです。
鎌刃城・主郭の虎口

主郭はかなり広く、周辺の土塁も良く残っているようです。
ここから南側に曲輪が連なります。 本当に大きな山城です。
鎌刃城・主郭

主郭から、さらに南-Ⅰ、南-Ⅱ曲輪へと進みます。
南側には大きな土塁があるようですが、上からみているせいか、あまり印象に残ってません。
鎌刃城・南-Ⅰ

鎌刃城・南-Ⅱ

南-Ⅱより南側に曲輪は無さそうですが、尾根が連なる為に7つの堀切が築かれています。
ただ、この巨大な堀切を乗り越えてまで先を見に行くのは止めときました。
鎌刃城・南の大堀切

南-Ⅱから西側を見ると、西-Ⅰからの曲輪群が連なります。
多分、ここを下っていくと林道にある駐車場の方に出れるのかも知れませんが、戻って来る事を考えると先に進む気力が無かったです...。
私の鎌刃城散策はここまでとしましょう。
鎌刃城・西側の曲輪群

山ヒルや熊に会わずに無事、散策を終えました。 この位の季節が一番良いのかも知れません。
新型コロナによる県外移動自粛要請も解除され、やっと100名城、続100名城の散策が再開できました。 また感染が拡大するかも知れませんが、今はこうして散策が再開出来た事を喜びたいと思います。


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