京都府 六角堂2020年11月22日

本堂の形から六角堂で知られてますが、正式名は頂法寺のようです。
頂法寺は 587年に聖徳太子が創建したと伝わる、非常に古い寺院です。 鎌倉時代には、若い頃の親鸞が百日間参籠した場所でもあります。 応仁の乱以降は町の中核だったようですが、戦乱の被害は受けなかったのでしょうか?
また、華道家元池坊が住職を務めた事から「いけばな発祥の地」とも伝わります。

中京郵便局
晴明神社からの移動だったので、「堀川御池」で京都バスに乗り換えて「烏丸御池」で下車しました。ただ、この路線の本数が少なかった記憶があります。
バス停から六角堂に移動する途中で出会ったのがこのレンガ造りの建物です。
多分、1902年に建てられた局舎だと思います。 1978年に外壁を残して新築されているようなので、中身は近代的な建物なのかも知れません。 でも、そのような取り組みは好感が持てます。
中京郵便局

山門でしょうか? それとも総門でしょうか?
街中に突然現れるような感じです。
六角堂

一言願い地蔵
首をかしげる、かわいいお地蔵様です。
願いを叶えてあげるのか悩んでいる姿のようで、欲張らずに一つだけお願いしましょう。
六角堂・一言願い地蔵

親鸞堂
1201年、親鸞は 100日間、毎晩六角堂を参籠して 95日目に夢でお告げを授かります。 その時のお告げに従い、法然のもとを訪ね弟子になります。 親鸞は法然の教えを継承し、浄土真宗を開きます。 そんな親鸞像を安置する御堂です。
六角堂・親鸞堂

親鸞上人像
1207年、親鸞は承元の法難で僧籍を剥奪されて越後へ流罪になります。 また、師匠の法然も僧籍を剥奪されて土佐に流されます。 門弟の中には死罪になった者もいます。
後鳥羽上皇が念仏宗に危機感を感じたのが理由のようですが、念仏集会に参加した宮中の女官が出家した事に怒ったのが本当の原因とする説もあります。 本当に出家が原因なら理不尽ですね..。
1211年に2人は赦免されますが、法然は京都に戻る前に亡くなります。
六角堂・親鸞像

日彰稲荷
一段高い場所に鎮座している日彰稲荷。
この辺りの学区は「日彰」と言うらしく、この地域の日彰祭賛会が子供の安全を祈願して分霊したのが日彰稲荷のようです。
六角堂

六角堂・日彰稲荷

唐崎社
日彰稲荷の横に鎮座しています。 琵琶湖畔の唐崎神社の神様のようで、六角堂の鎮守になります。 また、唐崎神社は日吉大社の摂社のようです。
現在は、祇園社(八坂神社)、天満宮(北野天満宮)が合祀されています。
六角堂・唐崎社

十六羅漢
十六羅漢像はお寺によくありますが、難しい顔をした物が多いです。 それに比べて、六角堂の十六羅漢像は笑顔で可愛らしいです。
「優しい顔で穏やかに人と話す事を心がけていれば、良い事がありますよ」と言う事を伝えています。
六角堂・十六羅漢

太子堂
六角堂を創建した聖徳太子を祀る御堂です。 開山堂とも呼ばれているようです。
中には、ぽっちゃりとした太子二歳像と、物部守屋と戦った姿を表す騎馬像が安置されています。
六角堂・太子堂

手水舎
コロナの影響で、どこの社寺からも柄杓が消えてしまいましたね...。
早く収束すると良いのですが...。
六角堂・手水舎

六角堂(本堂)
現在の本堂は 1877年に再建された建物です。 古い寺院ですが、意外と新しい建物のようです。
「六角堂」の「六つの角(カド)」とは、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)によって生ずる六欲の事で、それらの欲を捨てて角を無くして丸くなる願いが込められているようです。
そう言えば、日本各地にある八角堂の八角形にも何か意味があるのでしょうか?
六角堂・本堂

六角堂・本堂

六角堂・本堂

周辺には可愛らしい鳩の置物が奉納されていました。
鳩は平和のシンボルですが、何で鳩なんだろう?
六角堂

お地蔵様が並ぶ前にも、少し形が違う鳩の置物が奉納されていました。 どうやら、こちらは「おみくじ」のようで、枝に縛る代わりにこうして奉納しているようです。
お地蔵様もコロナ対策でマスクをしてますね...。
六角堂・お地蔵

小さな子供を抱く「わらべ地蔵」です。
ここには、色んな地蔵が並んでいます。 顔がはっきりしない、結構、古そうなお地蔵様もいます。
六角堂・わらべ地蔵

石不動
不動明王の石像が安置されている御堂です。 石不動は 1780年に刊行された「都名所図会」に描かれている事から、古くから六角堂に安置されていたようです。
近くに木造の不動明王像も安置されていました。
六角堂・石不動

六角堂の参拝は、今回が初めてでした。
京都の街中に、溶け込んでいる感じにも地元愛を感じます。
六角堂を創建した聖徳太子も、周りがビルだらけになった現在の姿は想像しなかったでしょう...。


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