東京都 岡本太郎記念館2023年02月05日

芸術家、岡本太郎が42年間に渡り住居兼アトリエとして使用した建物が岡本太郎記念館です。
旧館は当時のままですが、隣接する書斎兼、彫刻アトリエは展示棟として建て替えられています。
岡本太郎はエキセントリックな行動が印象的でしたが、日本を代表する芸術家の一人です。
若いころはヨーロッパで活動をしてましたが、第二次世界大戦によりドイツがフランスに侵攻した事を機に帰国します。 岡本太郎も中国戦線へと出兵する事になり、戦争へと巻き込まれて行きます。
この時の体験が彼の作風に大きな影響を与えたと言われてます。

岡本太郎記念館
岡本敏子氏によって記念館として公開されたのは 1998年からです。
ここは、岡本太良の出生の地でもありました。
岡本太良の生家は戦争被害を受けたらしく、そこに保管されてていた戦前の作品は全て焼失したようです。 岡本太郎の作品は原色を多く使った作品が知られてますが、戦前の作品は意外と暗い色を使った印象を受けます。
岡本太郎記念館

第1展示室
企画展に合わせて展示方法が変わるようです。
訪問した時は「弓指寛治“饗宴”」展でした。
岡本太郎が好みそうな「赤」壁の中に、個性的な弓指寛治と岡本太郎の作品が展示されています。
岡本太郎記念館・第1展示室

岡本太郎記念館・第1展示室

「座ることを拒否する椅子」だと思います。
座ったら、お尻を食いちぎると言わんばかりの表情です。
こう言った発想が面白いです。
岡本太郎記念館・第1展示室

後ろを向いてる「太陽の塔」
太陽の塔は、背中にも顔があります。 背中の顔は「過去」を意味する「黒い太陽」です。
正面上には「未来」を意味する「黄金の顔」、お腹の辺りに「現在」を意味する「太陽の顔」があります。 実は、地底に第4の顔があるそうです。
岡本太郎記念館・第1展示室

第2展示室
2003年、長らく行方不明になっていた岡本太郎の作品「明日の神話」がメキシコシティ郊外で見つかりました。 傷ついた作品を日本に移送して修復する事が決まったのですが、あまりにも大きな作品な為、そのままでは移送する事が出来ません。
作品を分割して移送する事になり、分割時に出た数千個の破片も全て回収して修復されました。
この展示作品は、その時の破片を模した付箋紙を壁一面に張り付けた物です。
移送に関わっていた岡本敏子氏は、修復が完成した「明日の神話」を見る事なく他界してしまいました。
岡本太郎記念館・第2展示室

岡本太郎記念館・第2展示室

サロン
打合せなどを行った、応接間のような場所でした。
岡本太郎の作品が展示されてますが、中央の「生命の樹」は太郎の作品ではないそうです。
奥に、岡本太郎のマネキンがいますね..。
似ていると思ったら、実際に本人を型取りして造ったマネキンのようです。
岡本太郎記念館・サロン

岡本太郎記念館・サロン

「めばえ」と言う作品らしいです。
何をイメージして造ったのでしょうか...。
それぞれ表情が違っていて、下から2番目は重そうな顔をしてますね。
岡本太郎記念館・サロン

アトリエ
汚れ具合など、岡本太郎が今でも作業をしてそうなアトリエです。
この場所には他と違った、何とも言えない雰囲気があります。
少し圧倒されました。
岡本太郎記念館・アトリエ

岡本太郎記念館・アトリエ

最後に、岡本太郎記念館の庭を見学して行きます。
ここは、伸びきった植物の中に、変わった動物のような岡本太郎の作品が置かれてます。
まるで、森の中に「座ることを拒否する椅子」が集まってきて、他の作品と会話しているみたいです。
右奥にあるのは「太陽の塔」のお腹にある「太陽の顔」かと思ったのですが「月の顔」でした。
万歳しているみたいのは「栄光」と言う作品です。
岡本太郎記念館・庭

犬の植木鉢
美術館で見かけて気に入りました。
「犬の植木鉢」がこの造形になる事自体が凄いです..。 普通の人は、こんな「犬」作れないですよ。
大きさ的にも手ごろなので欲しくなります。
岡本太郎記念館・犬の植木鉢

歓喜の鐘
こちらは小さいバージョンですが、これの大きな物が名古屋の天長山久国寺にあります。
梵鐘としては規格外のデザインですが、住職がこれを最初に見た時はどう思ったのでしょうか...。
貴重な鐘なので、久国寺では大晦日だけ先着 108名が歓喜の鐘を撞けるそうです。
岡本太郎記念館・歓喜の鐘

河童像
最初、宇宙人かと思ったのですが作品名を見ると「河童」でした。
岡本太郎記念館・河童像

午後の日
草で隠れて分かりませんが、両手で頬杖をついてます。
この像は、岡本太郎の墓標になっており、都立多磨霊園の岡本家の墓にはこの像が墓石として置かれています。 笑顔が素敵です。
岡本太郎記念館・午後の日

森の中を未知の生物が歩いてるみたいです。
庭がもっとも岡本太郎を感じる場所かも知れません。
岡本太郎記念館・庭

日本人で、岡本太郎みたいな人は当分出ないかも知れませんね..。