愛知県 名古屋城 本丸御殿2017年03月18日

本丸御殿は藩主の住居、および政庁として天守の完成翌年から建設事業が開始し、1615 年に完成しました。 幕末の動乱も無事に乗り切り、昭和まで健在でしたが、昭和20年の空襲により残念ながら焼失しました。
2009 年から本丸御殿の復元事業が始まり、2013 年から第1期の一般公開が始まりました。 2018 年には第3期の工事が完了し、全体公開される予定です。

右に見えるのが天守で、左奥に見えるのが小天守。 小天守の手前にある新しい建物が本丸御殿の一部で、右端部分は売店になっています。 この辺りは場所的に「上台所」かと思います。
なぜか訪問当日は小天守の存在に気が付かず、家で地図を眺めていて気が付きました。 小天守も木造で再建するのでしょうか...。
名古屋城・天守、小天守、本丸御殿

先ほどの視点を左に向けるとこんな感じ。
現在は第3期の工事中なので、御殿の奥が建築用の仮設建物で覆われています。 来年全体公開なので、この風景もあと1年で見納めになります。
名古屋城・本丸御殿

車寄
将軍など、一部の限られた人しか使用する事が許されない正規の入り口になります。 右側に行列が出来てますが、これは本丸御殿を見学する為の順番待ちの列です。 鞄などの大きな手荷物は持ち込めないので、御殿入口内のロッカーに預ける事になりますが、それほど大きくはなかったと思います。
観光案内所にもコインロッカーがあったので、不安な方は先に観光案内所で確認した方が良いかも知れません。
名古屋城・車寄

玄関 一之間、二之間
先ほどの車寄を入った先にあるのが玄関一之間、二之間になります。
金地の上に虎が描かれた襖絵や壁画で囲まれています。
正式な入口付近の部屋なので、非常に豪華な造りです。
名古屋城・本丸御殿・玄関一之間

名古屋城・本丸御殿・玄関二之間

表書院 三之間
表書院の三之間にある麝香猫図(じゃこうねこず)。
タヌキかと思ったら東南アジアに生息するジャコウネコでした。 こちらも金ピカ状態です。
名古屋城・本丸御殿・表書院三之間

表書院 上段之間
表書院の一之間から奥の上段之間を眺めた所。
名前の通り、上段之間の方が一段高くなってます。 かなり現実離れした造りの部屋です。
名古屋城・本丸御殿・表書院上段之間

角度を変えてみました。 右側が表書院の一之間で左側の一段高い部屋が上段之間です。 一之間に描かれているのは桜花雉子図です。
(ようするに、キジと桜の絵ですね..。) 豪華すぎて落ち着かない部屋です。
名古屋城・本丸御殿・表書院上段之間、一之間

対面所 次之間
藩主が家臣などと面会する場所です。 今までの部屋と比べると落ち着いた感じの部屋です。 左側の一段高くなっている襖の奥が上段之間です。
ここから上段之間の藩主に謁見する感じでしょうか...。
名古屋城・本丸御殿・対面所次之間

対面所 上段之間
右側の襖を開けると次之間になります。 右側の襖に描かれているのは吉田神社、田植風景、上賀茂神社だそうです。
ここからお殿様が一段下でひれ伏している家臣と面会する感じですかね...。
名古屋城・本丸御殿・対面所上段之間

対面所 納戸一之間
上段之間の裏側にある部屋です。 納戸とは「控室」の事なので、一之間の方は藩主用の控室と言った所でしょうか...。
書院や玄関に比べると、対面所はだいぶ落ち着いた感じです。
名古屋城・本丸御殿・対面所納戸一之間

下御膳所
囲炉裏が備えられているこの部屋は料理の準備などが行われた場所だそうです。 作業場のような所なので畳もないシンプルな部屋です。
名古屋城・本丸御殿・下御膳所

一通り内部を見て回ったので、第3期の工事現場を見学します。
工事現場が見学できるのは12時までのようです。 また、もうすぐ第3期の工事も終了なので、作業風景が見れるのは長くは無いと思います。
名古屋城・本丸御殿・第3期工事現場

屋根の組立て作業中でした。 かなり大きな屋根です。
場所的に上洛殿の屋根だと思います。 外観的には完成が近そうです。
今は作業用の建屋で囲むので天候の影響を受けませんし、屋根より下に落下する事も無いので安全性も確保されています。
当時は足場のみで作業したと思うので大変だったと思います。
上洛殿は、徳川家光の上洛に合わせて 1634 年に造られました。
名古屋城・本丸御殿・第3期工事現場

一番奥の部分の様子です。 場所と形から、御湯殿書院の基礎部分だと思います。 こちらは、まだまだこれからのようです。
御湯殿とは将軍専用の浴室や脱衣所の事なのですが、広すぎません?
名古屋城・本丸御殿・第3期工事現場

本丸御殿の建築に使用する木材の加工は、西北隅櫓の方の木材加工場、原寸場で行われます。 こちらも見学が可能です。
名古屋城・木材加工場

不明門の手前には、大きな石がゴロゴロしている場所があります。
これは、天守の焼け跡に残っていた礎石を、この場所に移して再現した物です。 かなり大きな石が使用されています。
名古屋城・天守礎石

天守の礎石を再現した場所の奥に、奇妙な石室があります。
これは名古屋城とは直接関係ありませんが、島根県松江市山代町にあった古墳時代後期の石棺式石室を移した物です。
珍しい物には違いありませんが、なぜ島根の石室がここに?
名古屋城・石棺式石室

不明門周辺の空堀に、巨石が並べられてました。
最初、何なのか解らなかったのですが、本丸搦手馬出周辺の石垣の修復工事が行われているので、そこの石垣の石を一時保管しているのだと思います。
名古屋城・空堀

来年に本丸御殿の再建が完了しますが、その後も天守の再建へと工事が続いてくと思われます。 もし、天守の再建工事が見学できるのであれば、その頃にまた来てみたいですね..。
名古屋城・水堀

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