熊本県 八代城 ― 2019年05月03日
江戸時代初期、加藤氏は熊本城の支城の一つとして麦島城を築きました。 麦島城は 1619年の地震で倒壊してしまい、幕府の許可を得て 1622年に築城したのが八代城です。
1632年、加藤氏が改易されると細川氏が入城、1646年には松井氏が入城すると明治3年(1870年)に廃城になるまで松井氏が代々城主を務めます。
現在は本丸と内堀が八代宮として残されていますが、二ノ丸、三ノ丸、および外堀は残っていません。
八代市役所の正面に公園駐車場があり、バイクはそこに駐車しました。 ただ、市役所の修繕工事の為か、駐車場の半分は市役所の工事関係者専用として使用されていました。
もう少し広い駐車場があると助かります....。 市営駐車場もあるようなので、駐車施設としてはそっちがメインですかね。
駐車場から内堀を見るとコイがうじゃうじゃ...。
八代市立博物館未来の森ミュージアム
続100名城のスタンプは未来の森ミュージアムに置かれています。 八代城から歩いて訪問、無事にスタンプを押します。 当日の展示物は陶器関連だったのでスタンプのみの訪問でしたが、できれば八代城に関する資料とかも常設展示して欲しい所です。
内堀やその周辺の石垣は当時の様子が良く残っているみたいです。
でも、熊本地震の影響か、石垣が少し膨らんでいる感じがします。 植物も結構生えているので、修復が必要かも知れないですね...。
天守台
なかなか立派な天守台です。 天守方面が神社の管理施設っぽかったので本丸内から天守台の方へは行きませんでした。 もし天守台に登れたのであれば、ちょっともったいない事をしました...。 八代城には四層五階の大天守と小天守、7棟の櫓があったようなので、熊本城の支城にしてはかなり立派な城です。 一国一城令の中、よく築城許可が出たものです。
本丸北側にある出入り口で、恐らく搦手口と思われる場所です。
橋を渡った先には桝形と思われる空間があります。 向かって右側奥に天守台があります。
今は神社の石橋ですが、当時は廊下橋だったようです。
埋門跡
古い絵図を見ると、この辺りにクランク状の多門櫓のような物が描かれているので、櫓門だったとは思います。 「新堀口二階御門」が正式な名称のようなので、建物は現存してません。
手前の石垣を見ると、角は綺麗加工された石材に算木積ですが他は野面積に近い感じです。
奥の方とだいぶ違います。 修復等により年代が違うのかも知れません。
磨櫓跡
本丸東側出入り口である高麗門の南側には磨櫓(みがきやぐら)があったそうです。
「みがき」櫓と言う名前は他では聞いた記憶がありません。 名前の由来が気になります。
昔の絵図を見ると平櫓だったようで塀で宝形櫓の方まで繋がっていたようです。
宝形櫓跡
本丸南東隅で、宝形櫓(ほうぎょうやぐら)があった場所です。
神社で奉納相撲が行われるのでしょうか? 近くには立派な土俵がありました。
絵図では二階建てと思われる櫓が描かれていました。
絵図では宝形櫓からこの上を多門櫓が連なっている感じでした。
舞台脇の櫓跡
本丸南側にあった櫓跡で、絵図を見ると平櫓のような感じで描かれています。
宝形櫓とは多門櫓で繋がっていたのかも知れません。
「舞台脇」と言う事は近くにそれらしき施設があったのでしょうか? 八代城の櫓はネーミングが独特です。
舞台脇の櫓跡付近からみた本丸南側の石垣。
この上には塀があったはずで、高さのなかなかの石垣です。
現在は橋がかかっており、外から本丸内に入る事ができますが、ここに出入り口が描かれていない絵図もあります。 後から造られた出入り口でしょうか?
八代宮
八代城の廃城年代は 1870年なので、廃藩置県より少し前には廃城になっていたようです。
1880年に本丸跡地が八代宮の敷地となり神社の建設が始まります。
御祭神は後醍醐天皇の皇子だった懐良親王です。 八代市は懐良親王の墓所もあるので、神社の創建には大きく関係していると思います。
霊社は八代市郡の戦没者と戦時中工場で亡くなられた方々が祀られています。
八代市のセメント工場とアルコール工場は戦時中に2回空襲による被害を受けており、多くの死傷者を出しています。
表桝形門
本丸東側にある表桝形門付近です。 当時はこちらが正門として使用されていたようです。
絵図を見た感じではこの辺りに櫓門があったように思えます。
欄干橋を渡った先には高麗門があり、この辺りが桝形だったと思われる場所です。
実際に石垣の上から見てみると、隠れる場所がほとんど無い危険な場所です。
当時の欄干橋は木製の太鼓橋だったようです。
気にせずスルーしましたが、この橋の擬宝珠は築城当時の物らしく、築城時の年号が刻まれているそうです。
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