神奈川県 日本新聞博物館、旧横浜商工奨励館 ― 2025年03月02日
今回は横浜にある NEWSPARK(日本新聞博物館)で開催されていた「2024年 報道写真展」を見に行くついでに、周辺の博物館なども見学する事にしました。
NEWSPARK(日本新聞博物館)は 2000年に開館した日本新聞協会が運営する新聞博物館で、「NEWSPARK」はその愛称です。 ここでは新聞の歴史や情報社会と新聞の関わり合いなどの資料が分かりやすく展示されています。
企画展「2024年 報道写真展」の後に常設展も見学しましたが内容は充実していると思います。 特に、ここに展示されている大型機械がかっこよすぎます..。
マリノニ型輪転機
展示されているのは、東京機械製作所が 1922 ~ 1936年までに製造したマリノニ型輪転機です。 マリノニ型輪転機が 1890年に日本で初めて朝日新聞社が導入した輪転機です。 それまで 4ページの新聞が 1時間で 1,500部しか印刷できませんでしたが、輪転機の導入で 24,000部まで印刷可能になります。
大小の歯車が連なる非常にカッコいい機械です。
漢字キーボード
アルファベットを使用する欧米と違い、漢字を使用する日本の新聞印刷は大変な作業だったと思います。 1950年代になると、活字を拾う作業から漢字キーボードを使った原稿入力作業に変わったようですが、このような漢字キーボードを使っていたようです。
私はこれで漢字を入力するのは無理ですね..。
VBW型新聞オフセット輪転機
新聞を印刷する輪転機を初めて見ましたが、これほど巨大な物だとは知りませんでした..。
高さは 7.3m、重量は 78.7t もあります。 説明が無ければ何の機械か分からないです..。
展示されているのは 1979 ~ 1997年までの間に静岡新聞社で使用されていた輪転機です。
この輪転機は 4ページの新聞を 1時間で 15万部印刷する事が出来ます。 マリノニ型輪転機と比べると非常に大型化、かつ、高速化しています。
最新の輪転機は技術の進歩でこれよりも少しは小さくなったのかな?
旧横浜商工奨励館
NEWSPARK と同じ、横浜情報文化センター内にあります。
横浜情報文化センターは、1929年に建てられた旧横浜商工奨励館をベースに 12階建の新館を建てた変わった建物です。
今でも旧横浜商工奨励館時代の貴賓室を見学する事が出来ます。
旧横浜商工奨励館付近は他と少し雰囲気が違いますね...。
東京国立博物館の本館に似ています。
ここが旧貴賓室です。
飾り金具や照明器具は創建時の物を修復して使用しています。
家具は失われていたので、新たに作成したようです。
NEWSPARK と同じ建物とは思えないくらい雰囲気が違います。 かなり変わった建物ですね..。
横浜情報文化センターの裏側に中庭のような場所があり、そこにも変わった物が展示されています。
神奈川台場の石
神奈川台場は勝海舟が湾岸警備の為に建造した台場ですが、一度も戦闘に使われる事は無かったようです。 昔は海だった神奈川台場付近は埋め立てられてしまい、台場の痕跡は残ってません。 この石は発掘調査の時に出土した台場の石垣の石です。
国内最古のガス管
2002年に市本町小学校の校庭から出土したガス管です。
市本町小学校があった場所は、横浜瓦斯会社の施設があった場所で、そこから地下のガス管を通って街のガス灯にガスを供給していました。
このガス管は国内最古のガス管になります。 雨ざらしで良いのかな...。
横浜市瓦斯局のガスタンク基礎
こちらも市本町小学校の発掘調査で見つかったガスタンクの基礎部分です。
横浜瓦斯会社は 1872年に操業を開始し、4基のガスタンクを建設しました。 この煉瓦造りの基礎は、1906年に建てられた 4号タンクの物と思われます。
こう言う物は、建物を撤去する時に綺麗に取り除かれると思ったのですが、意外と地中に残っている物なんですね..。
卵型下水管
この形状の下水管は、他の博物館で見た事があります。
2001年に県庁前の地下から見つかった物です。 県庁付近は外国人居留地だったようで、地下に煉瓦造りの下水管が通っていたようです。
枕木を敷いた上にコンクリートを巻いてこの下水管を施設していたようです。 卵型の管は今でも傾斜が少ないような場所で流速を確保する為に使用されているようです。
この付近は、他にも横浜ユーラシア文化館や、横浜都市発展記念館などの博物館もあり、結構、楽しめました。
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