奈良県 飛鳥寺2017年10月07日

飛鳥寺は蘇我馬子の発願により、596年に創建された日本初の本格的な仏教寺院です。
創建当時は、五重塔を囲むように東金堂、西金堂、中金堂が配置されていました。
飛鳥寺には複数の呼び名があり、「法興寺」、「元興寺」とも呼ばれていたようです。
そういえば、奈良市にある世界遺産登録されている「元興寺」は飛鳥寺を移したお寺で、当時は大寺院だったようです。 一方、飛鳥の方の寺院も廃寺とはならず、そのまま残り続けたようです。

駐車スペースは十分なのですが、ルートを誤ると非常に細い道を通る事になるので、車で向かう場合はご注意を...。
飛鳥寺・入り口

本堂
落雷によって金堂を焼失した後は飛鳥寺は衰退しており、現在の本堂も 1825年に建てられたものです。 ちなみに、この位置がちょうど中金堂があった場所だったようです。 もっとも、当時の中金堂はもっと大きな建物だったと思います。
飛鳥寺・本堂

飛鳥寺・本堂

飛鳥大仏
本堂に安置されているのがこの飛鳥大仏。 ここは珍しく本堂内の撮影がOKです。
鎌倉時代には火災にも会い、一時期は雨ざらしにもなっていたようで、「写真のストロボくらいでビクともしない」との事。
飛鳥・白鳳時代の特徴的な顔立ちの仏像で、日本最古の仏像と言われてます。 609年に開眼供養された仏像で、当初の部分は顔と指先の一部だけとの事ですが、修復され、ずっとこの地で世の中を見守り続けています。
飛鳥寺・飛鳥大仏

聖徳太子像
16歳の頃の姿だそうで、室町時代に作られた物です。
飛鳥寺・聖徳太子像

本堂裏の中庭の様子。
年代的に、意外と貴重な物も置かれていそう...。 本堂奥の建物には貴重な資料なども展示されています。
飛鳥寺・中庭

思惟殿(しゆいでん)
本尊は聖観音菩薩像。 「新西国霊場」と書かれますね...。
サイトで確認してみた所、一般の人によって選ばれた人気のある寺院で構成されているらしく、38カ所あるようです。 飛鳥寺は第九番のようです。
飛鳥寺・思惟殿

鐘楼
1745年に建立された鐘楼で、珍しく参拝者が鐘を撞く事ができます。
飛鳥寺・鐘楼

飛鳥寺・鐘楼

お寺の敷地内にある池。
池の中央にある四角い石は、何かの遺構でしょうか?
飛鳥寺・池

反対側の出口の先に、蘇我入鹿の首塚があるので、そちらの方に向かいます。
飛鳥寺・反対側の入り口

西門跡
首塚に向かう途中、少し広い場所があります。 この辺りに西門がありました。
瓦葺きの門で、四方にある門の中では一番大きな門だったようです。
遠くに見えるのが先ほど出てきた飛鳥寺の門なので、当時は本当に大きな寺院だったのだと思います。
飛鳥寺・西門跡

蘇我入鹿の首塚
田園風景の中にひっそりと建つ首塚。
飛鳥時代、絶大な権力を握っていた蘇我氏。 大化の改新で蘇我入鹿が討たれると衰退していきます。 この供養塔は、鎌倉時代以降に建てられた物のようです。
ちょっと寂しい場所ですね...。
飛鳥寺・蘇我入鹿の首塚

日本最初の本格的寺院として創建された飛鳥寺ですが、当時の面影はほとんど残っていません。 そんな中でも 2000年以上に渡って、お寺と大仏は存続しています。
長い歴史の一時を共有できる貴重な場所は、今後も残して行きたいものです...。
飛鳥寺