福岡県 基肄城跡2023年04月30日

基肄城は福岡県筑紫野市にある、大野城と並ぶ日本最古の朝鮮式山城です。
築城年代は 665年で、白村江の戦で敗戦後、国土防衛の一環として大野城、基肄城、水城が築かれました。 698年に修復された記録がありますが、いつ頃まで城として機能していたのかは不明なようです。 大和政権の時代なので、史料が少ないのかも知れません。

基山町民会館
続100名城のスタンプはここの受付に置かれています。
基肄城は4年前に訪問する予定だったのですが、大雨により登山道が通行止めになった事から訪問を諦めた経緯があります。 今回は天候も良く、ようやく訪問が実現できました。
基肄城は周囲 4km を土塁や石垣で囲む山城で、全てを回るのは時間的に難しいです。 今回は水門を訪問した後にバイクでスキー場側に移動して、基肄城の山頂側を目指します。
基山町民会館

基肄城水門跡駐車場
ここの駐車場に来る途中、住宅地の中を走るのですが、非常に道幅が狭くて驚きました。
大きな車の場合は苦労するかも知れません。
駐車場はトイレもあり、綺麗に整備されてます。
基肄城周辺はハイキングコースになっているので、当日も数人のハイキング客が駐車場にいました。 水門跡は、駐車場のすぐ近くです。
基肄城水門跡駐車場

水門跡
水門は基肄城の南端の低い場所にあり、この場所からの侵入を防ぐ為の石垣が築かれています。
現在、水門の手前には住吉宮が鎮座していますが、水門は健在で、今でも城内の谷水を城外へ放出しています。 排水溝の高さは 1.4m、幅は 1m あります。
基肄城・水門跡

水門の石垣は経年劣化で損傷が激しく、2010年に修復工事が行われました。
修復工事により石垣が解体された時、考古学的な調査も行われました。 それにより、新たに3つの通水溝が発見されました。 修復工事のおかげで、石垣の状態は良さそうです。
ここから少し山を登って南東門跡を見学する方法もありましたが、正確なルートが分からないので止めときました。 駐車場に戻り、バイクでスキー場側の駐車場へ移動します。
基肄城・水門跡

基肄城・水門跡

基肄城跡駐車場
スキー場側の駐車場に到着。
水門側の駐車場よりも広いですが、舗装されていません。
ここから基山山頂を目指します。
基肄城跡駐車場

この芝生の斜面を登った先が基山山頂です。
写真では伝わりにくいのですが、想像以上の急斜面で、登っている途中に恐怖を感じました。
前回の訪問予定時は大雨だったので、多分、この斜面は登れなかったと思います...。
基山山頂へ

登って来た斜面を上から見下ろした所。
結構、高低差があります。
長い事スキーをしてませんが、スキー場って、こんなに急斜面でしたっけ..。
それに、九州のこの辺りは雪が降るのでしょうか...。
基山山頂からの眺め

少し先に休憩所のような場所が見えるので、そこに行ってみます。
多分、ここが基肄城を囲む土塁、石垣だった場所の上だと思うのですが、そんな雰囲気はまったくありません。 ただの尾根です。 それにしても暑い...。
スキー場の斜面を直登している時も、土塁や石垣の存在は感じませんでした...。
基肄城・展望所付近

規模が大きすぎて城としての実感を感じませんが、石碑がある事から辛うじて城だった事が窺えます。 時間的にも体力的にも全部を見るのは無理なので、東北門跡まで行ってみて引き返して来ましょう。
基肄城・展望所付近

雄大です。
ほぼハイキング状態です。
基肄城

大礎石群
途中で「大礎石群」の案内を見つけたので少し寄り道します。
尾根に沿って少し山道を下ると、開けた場所に建物の礎石跡があります。
礎石は花崗岩で、礎石の間隔は10間×3間(約28m × 約9m)です。
城内では 40棟ほど建物跡が見つかっていますが、ここの建物は他よりも礎石の間隔が広く、おおきな建物だったようです。 今の所、用途は不明ですが、特別な建物だったと考えられています。
基肄城・大礎石群

基肄城・大礎石群

丸尾礎石群
大礎石群から尾根に戻り、少し進むと今度は「丸尾礎石群・北東門」の案内が見えたので、道案内に従います。 すると、一面が大きな礎石のような場所に出ます。 そこが丸尾礎石群です。
通路が少し開けたような細長い場所で、ここの礎石間隔は 5間×3間(約11m × 7m)です。
ここには倉庫のような建物があったと考えられています。
基肄城・丸尾礎石群

基肄城・丸尾礎石群

丸尾礎石群付近のオブジェに見送られて先に進みます。
結構、すれ違う人も多く、人気のあるハイキングコースなのかも知れません。
基肄城・丸尾礎石群付近のオブジェ

東北門跡
東北部の土塁を掘り下げて造られた門なので、奥に見えているのは土塁跡みたいですね..。
水門跡から登って来るとここに出るみたいですが、再度登る事を考えたらこれ以上先には進めないです。  引き返す途中、北帝門跡の方に行けそうな道案内を見つけたので進んでみましたが、完全に道に迷いました。 運よく、元の道に戻れましたが危なかったです。
基肄城・東北門跡

個人的には水門跡付近が一番の見所に思えたので、天候が悪い時は水門跡を見学するだけでも良いかも知れません。 しかし、北帝門跡への道案内は、もう少しなんとかならんのかと...。


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