東京都 深大寺2016年12月11日

東京都調布市にある天台宗の寺院で、733 年に法相宗を学んだ満功上人が創建したと伝わります。 「深沙大王」を祀っていた事が名前の由来と伝わっているので、地名の「深大寺」はお寺の名称から来ているのかも知れません。 天台宗に変わったのは 860 年頃で、比叡山の恵亮和尚がこの地に下り、反乱の収束を祈願した事がきっかけのようです。

深大寺水車館
昔はこの辺りでは水車を使用して製粉などを行ってましたが電力の普及によって使われなくなりました。 この水車も町のシンボルとして復活したもので、水車館では当時の農工具などが展示されています。
深大寺水車館

大黒天と恵比寿尊
元々は個人の邸宅入口に祀られていたようですが、平成18年に現在の場所に移されました。 昔からある物ではなさそうですが、右側にある彫刻も見事な出来です。
深大寺・大黒天と恵比寿尊

深沙堂
先ほどの大黒天と恵比寿尊の側にある建物で、現在の建物は 1968 年に再建された物です。 元々の建物は深沙大王堂内宮殿と呼ばれもっと大きかったそうですが、明治の廃仏毀釈によって取り壊されました。
深沙大王が安置されています。
深大寺・深沙堂

深大寺・深沙堂

延命観音
昭和41年に秋田県象潟港の工事を行った際、海底から引き上げた石に延命観音が刻まれており、その石がここに安置されています。
この像は、慈覚大師が彫った物と伝えられています。
慈覚大師が生まれたのは 794 年とされているので、彫られたのは 800 年代になりますが、ハッキリと輪郭が残っています。
深大寺・延命地蔵

深大寺・延命観音

西門へ向かいます。 裏道みたいな所ですが、この辺りは紅葉が綺麗です。
深大寺・西門へ

釈迦如来像
釈迦堂に安置されている釈迦如来像は白鳳時代に造られた物でかなり古い物です。 古い年代の仏像は見た目がアンバランスな物が多いのですが、この仏像はバランスが良く美しいです。
深大寺・釈迦如来像

元三大師堂
変わった名前のお堂ですが、慈恵大師像が安置されています。
慈恵大師は正月三日に亡くなった事から元三大師とも呼ばれています。
元々の建物は 1865 年の火災で類焼してしまい、1867 年に現在の場所に移して 再建されました。
深大寺・元三大師堂

賓頭盧尊者
元三大師堂の傍らに賓頭盧尊者像が安置されています。
賓頭盧尊者は多くの人病から救った事から悪い所をなでると御利益があるとされています。 その為か、顔の輪郭がハッキリしないほどすり減ってます。
深大寺・賓頭盧尊者

本堂
こちらも 1865 年の火災で焼失しており、現在の建物は 1919 年に再建された物です。 真ん中に「植」の印がある事から「植木」を意味していると思われる物が壁に飾られてました。 どうやら周辺の植木職人が寄進した物だそうです。
深大寺・本堂

深大寺・本堂

元三大師堂の裏にある階段から開山堂の方へ向かいます。
深大寺・開山堂へ

開山堂
深大寺開創 1250 年を記念して昭和58年に新築されました。
本尊は薬師瑠璃光如来像で、両脇に弥勒菩薩像、十一面観音、さらに満功上人、大楽大師像が祀られてます。
深大寺・開山堂

山門
深大寺は 1865 年の火災で多くの建物が焼失した為、比較的新しい建物が多いです。 山門はその中で焼失を逃れた貴重な建築物で、1695 に建てられた深大寺では一番古い建物です。
深大寺・山門

不動堂
1884 年に再建されたとされているので、こちらも幕末期の火災で焼失していたと思われます。 本尊の不動明王像、二童子像は火災前に造られた物のようです。 ここは、深大寺の中心部から少し奥まった場所にあるせいか、訪問する人は少ないですが紅葉が綺麗でした。
そういえば、不動明王は八大童子の中の2人を合わせた三尊で表現される事が多いですが、童子の意味が良く解らないですね...。
深大寺・不動堂

深大寺・不動堂

深大寺・不動堂の紅葉