群馬県 旧生方家住宅、旧土岐邸洋館 ― 2018年07月14日
旧生方家住宅は、昭和48年に沼田城公園に移築・保存されてる旧家です。
生方家は沼田藩の薬種御用達を勤めた商家でした。 建築年代は17世紀後期と推定されており、城下町の町家の特徴を良く残しています。
客を雨や雪から守る為、庇が主屋から 2m ほど張り出しています。
店の看板も立派で、一目で商家であった事が判ります。
沼田城の城下町にはこのような店が軒を連ねていたのかも知れません。
土間は「たたき土」で固めてあります。
「たたき」は、消石灰、にがり、砂を混ぜた物で、乾くとコンクリートのように固まります。
三種類の材料を混ぜる事から、漢字では「三和土」と書きます。
耐水性も強いので、湾岸工事や用水路などでも使用されていました。
表通りに面している方に、「上みせ」「下みせ」が配置されている間取りです。
家の奥の方から「上みせ」を眺めた所。
部屋が一直線に連なっていて、部屋の仕切りを開けると風通しが良さそうです。
家屋の正面右側の部屋である「上みせ」。
「下みせ」との役割りの違いは良く解らないが、奥に仕切られた部屋が連なっています。
あんまり「お店」っぽく無いですね...。
こちらが「上みせ」。
薬用のタンスが置かれており、こちらは一目で薬屋だった事が解ります。
薬百味だんす
幕末から明治にかけて造られた物らしいです。
生方弥右衛門氏は神田薬学校を卒業しており、その後、日本で薬剤師が誕生すると免許を受けたそうです。 近代日本の薬局の始まりと言った所でしょうか。
旧土岐邸洋館
旧生方家住宅と併設されているのがこの旧土岐邸洋館です。
土岐氏は大阪城代などを務めた名門で、1742年から明治までの間に沼田城の城主になります。 明治の廃藩置県により土岐氏は東京に転居します。 この洋館は大正13年に東京の渋谷に建てられた物で、沼田市への寄贈により、平成2年に沼田公園に移築され一般公開されています。
子爵の住居らしい美しい洋館です。
大正時代のドイツ風家屋で、内部には和室もあります。
関東大震災後の建築物なので、耐震、耐火への配慮もされているようです。
二階建ての建物かと思っていたのですが、三階建てらしく、三階部分は非公開でした。
「牛の目窓」とよばれている屋根付近の窓辺りが三階部分でしょうか?
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