東京都 東京国立博物館 2021 の「博物館に初もうで」2021年01月02日

毎年、東京国立博物館では「博物館に初もうで」のイベントが行われています。 ただ、今年はコロナの影響により事前予約制となり、また屋外イベントも自粛となりました。
例年よりはトーンダウンしたイベントになりますが、ほぼ毎年観に行っているので今年も訪問する事にします。

博物館の開館時間まで30分くらいあるので、上野東照宮に寄り道します。
どうやら冬季の開門は 9:30 からのようで、ぼたん苑も東照宮の門も閉ざされてました。
仕方が無いので花園稲荷に参拝して行く事にします。
上野・ぼたん苑入り口

上野東照宮・参道

いつも花園稲荷の鳥居は観光客で混雑しているのですが、この時間だと誰もいません。
「早起きは三文の徳」とはよく言った物です。
この辺りは幕末の上野戦争では戦場になっており、花園稲荷も大きなダメージを受けたと思います。正式名称は忍岡稲荷のようで、明治に入った  1873年に復興された時に花園稲荷に名称が変わったようです。 参拝を終え、博物館の方に移動します。
花園稲荷神社

花園稲荷神社

花園稲荷神社

花園稲荷・狐

予約をした 9:30 に博物館に到着。
例年は混雑するのですが、今年は入場者数を制限している事もあり閑散としています。
特に、昨年は「高御座」と「御帳台」が特別公開された事もあり、凄まじい混雑ぶりでした。
その代わり、じっくり展示物を眺める事もできるので、悪い事だけではありませんが...。
東京国立博物館・本館

表慶館で特別展が行われてましたが、気付かずに常設展のみで予約してしまいました...。
表慶館は入れない場合が多いので、ちょっと残念。
特別展は平成館で行われる事が多いので本館に直行する事が少なく、池ごしに見る表慶館の美しさを再認識しました。 やっぱり綺麗な建物です。
東京国立博物館・表慶館

本館横の正月飾り。
五輪マークが織り込まれています。
本来であれば昨年行われていた東京五輪。 開催自体が危ぶまれる状態になってしまいましたが、無事、開催できる事を願います。
東京国立博物館・正月飾り

毎年本館内に展示される生花。 近くのロゴから、華道家元池坊の作品だと言う事が分ります。
蔵重伸氏、中野幽山氏、大嶋晴代氏による共同制作です。
そう言えば、昨年訪問した六角堂は道家元池坊が住職を務める寺院でした。
東京国立博物館・生花

「博物館に初もうで」のイベントでは、毎年、その年の干支にちなんだ作品が展示されます。
こちらは、その点物の一つで、牛形の香炉です。 密教の儀式で使われていた物のようです。
東京国立博物館・香炉

同時開催されていた特別展関連として、首里城正殿の 1/10 模型が展示されていました。
今思えば、昨年1月に発生した首里城の火災から不吉な事が始まっていたのかも知れません...。
復興スケジュールとしては、2022年から正殿の再建工事を開始し、完成は 2025年末の予定ですが、コロナの影響が出ない事を願います。
東京国立博物館・香炉

毎年行われている博物館と寛永寺のコラボは、今年も開催されていました。
今年は根本中堂で宝物三点が公開され、博物館の入場券を見せると疫病退散の御札が配られました。 拝観時間が博物館より短いので、訪問を諦める事も多いのですが、今年は 9::30 から博物館に入場した上、和太鼓や獅子舞のイベントも無かったので余裕で間に合いました。
寛永寺・根本中堂

蟲塚碑
根本中堂に、都指定旧跡の絵葉書があったので、その場所を実際に観てみます。
伊勢長島藩五代目藩主であった増山正賢は書画にも精通しており、虫類写生図譜「虫豸帖(ちゅうちじょう)」を書き上げます。 この蟲塚は題材として使用された虫の霊を慰める為に建てられた物です。 元々は勧善院の境内にありましたが、昭和初期に寛永寺と合併された為に現在の場所に移されました。
寛永寺・蟲塚

慈海僧正墓
寛永寺の正式名は東叡山寛永寺であり、東の比叡山延暦寺と言う意味のようです。
慈海は、そんな東叡山を統括していた人物でした。 お墓は凌雲院の境内にありましたが、1958年、東京文化会館建設の為に現在の場所に移されました。
聖観音菩薩像に目が行ってしまい、ここがお墓だった事には気が付きませんでした。
寛永寺・慈海僧正墓

了翁禅師塔碑
了翁は江戸時代初期の僧侶でした。 上野池之端で薬屋を営み、その利益で各寺院に経典を寄進し、寛永寺にも現在の図書館のような施設を建てました。
この石碑は了翁の業績を記した物で、了翁の生前に作られました。 元々、別の場所にあったようですが、移設の経緯は不明なようです。
寛永寺・了翁禅師塔碑

例年通りであれば、多くの人で賑わうはずだった「博物館に初もうで」のイベント。
今年はいつもと違う静かな物でした。
来年のイベントは、いつも通りに戻れる事を願います。


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