埼玉県 松山城跡2022年10月23日

埼玉県比企郡吉見町の松山城は、15 世紀後半に築城されたと考えられている平山城です。
築城に関わる詳細は不明ですが、扇谷、山内の両上杉氏の対立の中、築城されたと考えられています。 1546年の河越夜戦後、松山城は北条氏の支城となり、北条氏の勢力下だった上田氏が城主を務めます。
1590年に豊臣秀吉が小田原征伐を開始すると北条氏の支城は攻め立てられ松山城も落城します。
秀吉の命で徳川家康が関東に入ると、松平家広を松山城の城主にしますが、1601年に廃城になります。

吉見百穴を見学した時、展示資料を見て近くに松山城がある事を知りました。
すぐ近くなのでそちらも散策する事にします。 松山城跡に駐車場は無いので、吉見百穴駐車場から徒歩で散策する事にします。 岩室観音堂からも登れるようですが、ルートが荒れていたので松山城西側の登山口から登る事にします。 登山口までは駐車場から徒歩で5分程度の距離です。
早速、本曲輪に向かって登城を開始します。
松山城・登山道

本曲輪
松山城は西から東に本曲輪、二曲輪、三曲輪が直線的に直線的に連なる縄張りです。
曲輪の形状からして、連郭式と梯郭式の中間的な配置に見えます。
また、それら主軸の曲輪の周辺を腰曲輪が守ります。
本曲輪は東西 45m、南北 45m の曲輪で、物見櫓もありました。
本曲輪の土壌を調査した所、大量の炭と焼土が含まれており、複数回の火災が発生している事が判明しています。 但し、1590年の小田原征伐によって豊臣勢に包囲された時は戦わずに開城しているので、焼き討ちとかは無かったと思います。
松山城・本曲輪

少し気になったのが、この建物の基礎部分。
見た感じ、城の遺構とは思えません。 多分、神社のような建物があったのだと思います。
松山城・本曲輪

二曲輪
本曲輪と二曲輪の間には空堀があり、本曲輪の物見櫓は東側に突き出たような場所にあります。
二曲輪はその突き出た本曲輪の物見櫓を囲むような感じの形状をしています。
広さ的には本曲輪とだいたい同じ位だと思います。
松山城・二曲輪

松山城・二曲輪

二曲輪、三曲輪間の堀切。
松山城・二、三曲輪間の空堀

三曲輪
二曲輪と三曲輪の間は堀切で分断されています。
三曲輪は少し細長い形状をしています。
案内によっては三曲輪の事を「春日丸」と書いてある物がありました。 名前の由来を説明している案内は見当たらなかったので、「春日丸」の由来は良く分からなかったです。
松山城・三曲輪

三曲輪周辺の堀はかなり深いです。
本丸西側にこれほど大きな堀は無かったような気がします。
妙に東側の防御に重点を置いてるような印象を受けます...。
西側は市野川が天然の水堀として機能するから東側の防御に重点を置いてるのでしょうか?
松山城・三曲輪周辺の堀

松山城・三曲輪周辺の堀

松山城・三曲輪周辺の堀

三曲輪から曲輪4に行く途中にあった空堀です。
正確には堀切のようですが...。
松山城・曲輪4の堀

曲輪4
小さな腰曲輪を別にすれば、松山城で一番東にある主軸となる曲輪です。
良く分からないのが、秀吉の小田原征伐の時の天正松山合戦図です。 現在の松山城よりも東側に多くの曲輪が描かれています。 もしかしたら、ここが「広沢曲輪」と呼ばれていた場所だったのかも知れません。 但し、この件に触れている説明が無くて詳細は不明です。
松山城・曲輪4

兵糧倉や惣曲輪など、見学していない曲輪もあるのですが、ルートが分からなかったです...。
曲輪4付近で「根古屋出口」の案内を見つけたので、そちらから城外へ出る事にします。
ただ、家に帰った後でも「根古屋って何?」といった感じだったのですが、調べて見ると松山城の東側に「根古屋集会所」がありました。 また、天正松山合戦図をみると、「寝古屋曲輪」との記載がありました。 字が違いますが、松山城東側の地名が「根古屋」なのでしょう...。
松山城・根古屋出口へ

更に進むと「虎口」「根古屋」の道案内が見えましたが、正直、どの辺りが虎口なのか分からなかったです。 虎口っぽい所を出て外から振り返った所なのですが、ここが虎口でしょうか?
松山城・虎口付近

道路が見えてきました。
どうやら、無事、松山城から出られたようです。 良く分かりませんが、この辺り一帯が「寝古屋曲輪」だった場所でしょうか?
松山城

松山城跡の散策路は、もう少し分かりやすいと助かるのですが私有地のようなので、案内板を増やすのも手続きが面倒なのかも知れません。
散策時は気付かなかったのですが、松山城は「比企城館跡群」の一つで、以前訪問した続100名城の菅谷館跡や、杉山城跡の関連遺構だったようです。


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