広島県 宮島(2)2019年01月05日

宮島散策の2日目です。

宮島桟橋の広場にある平清盛像。 厳島神社の造営に大きく関わった人物です。
清盛が厳島神社の大規模な拡張をおこなったのは「夢のお告げ」との話もありますが、当時の神職だった佐伯氏が瀬戸内海の制海権を重視する清盛に近づいたのが現実的な理由かと思います。 なかなかリアルな像で京都の方角を向いているようです。
宮島・平清盛像

まずは、昨日訪問出来なかった五重塔、千畳閣に向かいます。
早朝なので表参道商店街もガラガラです。
日中は非常に混雑するので、早朝の宮島散策は静かで気分が良いです。
昨日は人の多さに気を取られ、五重塔が綺麗に見える事に気が付きませんでした...。
宮島・表参道商店街

誓真釣井
街中には「誓真釣井」と呼ばれる井戸がいくつか現存します。
誓真は神泉寺の番僧(仏堂を守護する僧)で、飲料水に苦しむ島民の為に多くの井戸を掘りました。 なお、神泉寺は壇ノ浦の戦いで亡くなった二位の尼(平清盛の妻)の遺体を弔った寺との伝承がありますが既に廃寺となっています。 寺は光明院の裏にあったそうです。
宮島・誓真釣井

五重塔
元々は金剛院の五重塔として 1407年に建立された物ですが、金剛院は 1877年に広島市佐伯区に移った為、宮島には存在しません。
五重塔は厳島神社に帰属しており、世界遺産の構成要素に含まれる建造物です。 安置されていた仏像は大願寺に移されました。 これも、明治の神仏分離令の影響かと思います。
厳島神社・五重塔

千畳閣(豊国神社)
1587年に豊臣秀吉の発願により安国寺恵瓊に建立を命じましたが、秀吉が亡くなった事により「未完成のまま」と伝わる建物です。
神仏分離令により安置されていた仏像は大願寺に移され、1872年からは豊臣秀吉、加藤清正を祀る豊国神社に変わります。 この建物も世界遺産の構成要素に含まれます。
宮島・千畳閣

宮島・千畳閣

内部を見学すると、とにかく目立つのが奉納された巨大な「飯杓子(しゃもじ)」です。
「飯杓子」は宮島の土産屋さんで売っている名産品ですが、これも、神泉寺の番僧だった誓真が島民の収入源として伝えた物らしいです。
宮島・千畳閣・飯杓子

「未完成」なので壁が無く、風通しが良すぎて寒かったです。
宮島・千畳閣

三翁神社
創建年代は不明ですが 1177年に書かれた「伊都岐島社千僧供養日記」に「比叡御社壇」と記載されているのがこの神社と考えらいます。 また、平清盛が近江の日吉三王を勧請したと伝わる事からその頃かと思います。
厳島神社の境外摂社の一つで、明治以前は「三王社」と呼ばれてました。
御祭神に安徳天皇や二位の尼が含まれているのも興味深いです。
宮島・三翁神社

四宮神社
弥山に登る為にロープウェイ乗り場に向かう途中に出会った神社です。
御祭神は迦具土神(ガクツチ)との事ですが、鳥居には「大國神社」とも書かれているので複数の神社が合祀されているようです。 「大國神社」と言う事は大國主命も祀られていると言う事でしょうか?
宮島・四宮神社

宮島ロープウェイの乗り場までは紅葉台公園手前から無料の送迎バスも出てますが、歩いても10~15分程度です。ロープウェイ2本を乗り継いで獅子岩駅に到着。
近くの獅子岩展望台からの眺めは非常に美しかったです。
三角形の特徴的な島が小黒神島で、太陽光で光る水面を貨物船が横切ります...。
弥山・獅子岩展望台・小黒神島

閼伽井堂
獅子岩駅から徒歩で20分位歩くと弥山にある寺院の中心部にたどり着きます。
その少し手前にあるのが閼伽井堂(あかいどう)です。
登山路から少し離れているせいか立ち寄る人も少ないようですが、弘法大師空海が求聞持法(経典を記憶する為の記憶力増進法)の修業で使った井戸があります。 その上に建てられたお堂のようです。
弥山・閼伽井堂

弥山本堂
弘法大師空海は宮島に立ち寄った時、弥山の山頂で100日におよぶ求聞持法の修業を行ったそうです。 現在の本堂は 1995年に建立された立派な建物ですが、創建当初はもっと簡素な物だったと思います。
この建物の裏に求聞持堂、行者堂があったようですが気付かなかったので見逃しました...。
弥山・弥山本堂

霊火堂
弘法大師空海が修業の時に使った火は 1200年経った今でもこの霊火堂の中で燃え続けており、弥山七不思議の一つ「消えずの火」と呼ばれています。 この火は広島平和公園の「平和の灯」の火元の一つでもあります。
現在の建物は 1950年に建立されたもので、それまでは本堂裏にある求聞持堂と呼ばれる建物で管理されていたそうです。
弥山・霊火堂

弥山・消えずの火

三鬼堂
霊火堂から山頂に向けて少し登った所にある御堂で、家内安全・商売繫盛の御利益があると伝わります。 平清盛の時代から御堂は存在していたようですが現在の建物は 1998年に再建されたものです。 三鬼大権現と言う山岳信仰の鬼の神様が祀られています。
弥山・三鬼堂

観音堂/文殊堂
三鬼堂から更に登った先にあるのが観音堂と文殊堂で、同じ形をした御堂が並びます。
向かって左側が観音堂で右側が文殊堂になります。
いつ頃建てられた物なのか、正確な所は不明なようです。
安産、学業に御利益ありとの事。
弥山・観音堂

山頂に近づくにつれ、巨大な岩が折り重なった景色が目立つようになります。
相当な時間をかけて浸食してこのような状態になったのだと思います。 弘法大師空海もこんな岩の隙間を進みながら修業をしたのでしょうか...。
弥山・奇岩

弥山・山頂

山頂に到着。 弥山展望台からの眺めは素晴らしいの一言です。
獅子岩駅から山頂まで思ったよりも大変でした...。 もっとも、ロープウェイも無く、登山道も整備されていなかった頃に下から登って来た空海の苦労とは比較になりませんが...。
なお、厳島神社から弥山山頂周辺までの弥山原始林も世界遺産に含まれています。
弥山・山頂

少し休んだら反対側から下山しますかね...。


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