鎌倉 建長寺2017年04月08日

建長寺は 1253年に北条時頼によって創建された日本最初の禅寺です。
開山(初代住職)は中国から来た蘭渓道隆で、厳しい禅修行が導入されました。
また、諸説あるようですが、「けんちん汁(建長汁)」は、この建長寺が発祥の料理との説が有力です。

何度も訪れている建長寺ですが、桜のシーズンなので久々に訪問しました。 が、あいにくの雨です。 時々ぱらつく程度かと思って無理して来たのですが、予想以上の本降りでした。

総門
現在の総門は 1783年(江戸時代)に京都の般舟三昧院に建立された門を昭和15年に移築した物です。 以外と最近になって移築された門のようです。
調べてみると、建長寺は関東大震災のダメージがかなり大きかったようで、前の総門はその時に倒壊したようです。
「花祭り」、「降誕会」なる看板がありますが、今日は何か特別な日なのでしょうか?
建長寺・総門

総門から三門までの参道を覆いかぶさるように咲いている桜が美しいです。
建長寺・参道

建長寺

三門
桜の隙間から三門が見えてきました。
現在の山門は、1775年に再建に再建された物で、五百羅漢などが安置されています。
多くの建物が関東大震災で倒壊した中、この三門は倒壊を逃れた貴重な建物になります。
なお、この三門の下では、三門土曜法話が11:00、13:00 に行われるので、それに時間を合わせてみるのも良いかと思います。
建長寺・三門

建長寺・三門

どうやら4月8日は釈迦の誕生日らしく、いろいろな法事が行われるようです。
三門の下にも釈迦の像が安置されており、甘茶を掛けて誕生を祝います。
サタデー・ナイト・フィーバーのトラボルタのような変わったポーズの像ですが、これは釈迦が生まれてすぐに7歩あるき、「天上天下唯我独尊」と話した時の様子になります。
この日に来たのは偶然ですが、自分も甘茶を掛けて祝いました。
建長寺・花まつり

仏殿
1647年に東京の増上寺から移築した物で、地蔵菩薩が安置されています。
いろいろな資料を見ると、この仏殿も関東大震災の時に倒壊したようですが、重要文化財でもあった事から国の補助もあり、大正期には復旧していたようです。
建長寺・仏殿

建長寺・仏殿

法堂
関東最大の法堂で、1814年に再建されました。 本尊は千手観音像です。
興味深いのは、すぐ近くにある同じような規模の仏殿は関東大震災で倒壊してますが、法堂は多少、傾いた程度の被害だったようです。 素人目にはほとんど同じような建物に見えますが、命運を分ける微妙な違いがあったようです。
法堂の周りには何故か人があつまってます...。
建長寺・法堂

どうやら降誕会の法要が行われていたようです。
沢山のお坊さんが経を読みながら法堂内を回っています。
履いている靴が凄い形をしてます。 木靴でしょうか? ちょっと歩きにくそうです。
建長寺・法堂・降誕会法要

唐門
1628年に増上寺に建立された物で、仏殿と共に 1647年に方丈の正門として移築されました。
2011年に解体修理したばかりなので非常に綺麗な状態です。
雨具のポンチョを脱ぐのが面倒だったので今回は方丈内の拝観は諦めました。
建長寺・唐門

しかし、雨が全然止まない...。
今回はバッグを肩にかけたまま上からポンチョを着ており、今まで傘で塞がっていた片手が自由なので、撮影しながら歩くにはなかなか便利!
カメラにもレインカバーを付けてるので、このくらいの雨であれば結構自由に動けます。
建長寺

梵鐘
1255年に鋳造された国宝の梵鐘です。 建長寺は震災や火災によって創建当時の物はほとんど残っていないので、この梵鐘は貴重な物だと思います。
大覚禅師(蘭渓道隆)による「建長禅寺」の銘文が入っています。
重量は2.7トン。 当時、どうやって吊るしたんですかね...。
建長寺・梵鐘

建長寺・梵鐘

晴れてれば、桜ももう少し見栄えが良かったかも知れませんが、偶然とは言え「降誕会」に来れたので良しとしましょう。 雨のおかげで混雑も和らいでると思うので...。
建長寺