東京都庭園美術館2021年07月22日

東京都庭園美術館は、元々は 1933年に竣工した朝香宮邸でした。
主要な部屋の設計はフランス人芸術家アンリ・ラパンに依頼し、また、日本人技術者も協力して建てられたアール・デコ様式の建物です。
1947年からは政府が借り受けて首相公邸として使用され、1955年からは赤坂迎賓館が完成するまで迎賓館としても使用されました。
1983年からは東京都庭園美術館として使用されています。 建物自体がこの美術館の見所でもあります。

ここを訪問するのは約11年ぶりです。 再訪しようと思った時に、リニューアル工事に入ってしまい、何故かそのまま足が遠のいてしまいました。
昭和初期の建物ですが、古さを感じさせない直線と曲線が美しい建物です。
東京都庭園美術館

東京都庭園美術館

玄関両脇の狛犬。
神社ではありませんが、邪気を追い払っているのだと思います。
東京都庭園美術館・狛犬

玄関付近。
正面玄関のモザイク画が美しいです。
館内撮影は展示物次第のようです。 今回の「ルネ・ラリック リミックス」展は撮影OKでした。
東京都庭園美術館・玄関

受付を通った先にあった洗面台のような場所。
多分、階段下の空きスペースだと思いますが、玄関先としては少し不自然な場所です。
でも、明かりの取り方とか、デザイン的な美しさを感じます。
東京都庭園美術館・玄関付近

大広間
天井の照明がオシャレ過ぎます。 私邸とは思えないデザインです。
正面玄関からの明かり取用のガラスも、女性像が浮かび上がるような加工がされています。
多分、特別に作られた物だと思いますが、明かりの取り方が素晴らしいです。
東京都庭園美術館・大広間

東京都庭園美術館・大広間のガラス

次室
大広間と繋がっており、大きなオブジェが飾られています。
円形の天井照明が印象的です。
奥の扉の先が小客室で、この写真は大客室から眺めた所です。
東京都庭園美術館・次室

大客室
メインとなる接客用の部屋です。
シャンデリア、扉の装飾、どれも素晴らしです。
展示されているアクセサリーの細工も素晴らしのですが、どうしても建物に目が行ってしまします。 この建物を建てた鳩彦王は、軍事研究の為にフランスに留学していましたが、交通事故に遭い、想定外の長期滞在となりました。 このセンスはその頃に身に着いたのでしょうか?
東京都庭園美術館・大客間

大食堂
窓側の壁が曲線になっているのが特徴的です。 曲線的な建物は、直線的な物よりも難しいと思います。 また、大理石と彫刻で飾られている、この部屋の壁の装飾は素晴らしいです。
相当な手間がかかっていると思います。
東京都庭園美術館・大食堂

東京都庭園美術館・大食堂

二階に進みます。
東京都庭園美術館・第一階段

若宮寝室と展示物
二階は寝室や居間など、プライベート空間が中心となります。
東京都庭園美術館・若宮寝室

若宮寝室、会の間、若宮居間と3部屋が続きますが、照明や内装はそれぞれ異なります。
各部屋は意外とコンパクトな印象を受けます。
写真は居間の照明。 ステンドグラス風のデザインがオシャレです。
若宮寝室、会の間、若宮居間の照明は水谷正雄がデザインした国産品です。
東京都庭園美術館・居間

書庫と書斎
書庫の両壁は天井までの高さがある本棚が設置されています。 どんな本が収蔵されていたのでしょうか..。
書庫の右側は書斎で、部屋が円形になっています。 絨毯や家具も含めてアンリ・ラパンによってデザインされた物のようです。
東京都庭園美術館・書庫

東京都庭園美術館・書斎

閣下居間
円形の天井が特徴的です。 こういった、曲線の天井は作るのが難しいと思います。
お揃いの壁紙とカーテンは 2014に修復された物のようです。
東京都庭園美術館・閣下居間

閣下寝室
シンプルな部屋のデザインと展示物が良く合います。
扉の横にあるのは空調用のラジエターカバーのようで、朝香宮妃のデザインらしいです。
扉の窓も円形のデザインで、普通の家には無い特徴的な部屋です。
東京都庭園美術館・閣下寝室

ベランダ
大理石で作られたチェス盤のような床が美しいです。
ここから日本庭園が良く見えます。
このベランダは、閣下、妃殿下の寝室、居間を繋ぐようにレイアウトされています。
東京都庭園美術館・ベランダ

この後、妃殿下の寝室、居間を通過して1階へと降ります。
首相公邸として使われていた事もあるので当然かも知れませんが大きな家です。
東京都庭園美術館・第二階段

姫宮居間
娘さんの部屋でしょうか? 照明のデザインが可愛らしいです。
寄木細工の床も美しいです。 この建物は、一部屋ごとに個性があるので、デザインした人も大変だったと思います。
姫宮寝室、居間と見学した後、最後に新館のギャラリーを見て建物内の拝観は終了です。
東京都庭園美術館・姫宮居間

ギャラリーやミュージアムショップがある新館です。
カフェもありましたが、少し混んでたので次の機会にします。
東京都庭園美術館・新館

日本庭園と茶室「光華」
日本庭園には 1936年に建てられた茶室「光華」があります。
外国からの賓客を迎える為、テーブルとイスの部屋もあり、内部の見学も可能でした。
庭園の設計は中島卯三郎、茶室の設計は中川砂村です。
東京都庭園美術館・光華

線香を入れる、ブタの置物が、日本の夏らしくて好きです。
最近、見ないですね...。 どこで売ってるのだろう。 欲しくなりました。
東京都庭園美術館・光華

東京都庭園美術館・日本庭園

久々の東京都庭園美術館でしたが、やはり、ここは良いですね。
近いうちに、また行きたいです。