京成電鉄旧博物館動物園駅2020年02月22日

上野駅から東京藝術大学方面に進むと、東京国立博物館のカド付近に京成電鉄旧博物館動物園駅の出入口となる建物があります。
1933 年の京成本線開通時に開業した駅でしたが、利用者数が伸びず1997年に営業を停止、2004 年に廃止になりました。
外観も独特な建物で、昔駅だった事は把握していたのですが、意外と最近まで使われていた事は知りませんでした。 昔から気になっていたのですが、偶然期間限定で一般公開している事を知り、早速見学に行ってきました。

博物館駅の扉が開いている所を初めて見ました!
東京国立博物館の表慶館と雰囲気が似ている西洋式の建物です。
2018年に内部の補修工事が行われており、その時に現在の扉に変更されたようです。
扉には日比野克彦氏(東京藝術大学美術学部長)デザインのレリーフが施されています。 昔の駅にしては「洒落た扉だな」と思っていたら、アートとして後付けされた物だったようです。
旧博物館動物園駅

旧博物館動物園駅

旧博物館動物園駅

中に入ってまず目に入ったのは天井のドームです。
開業時は照明用のシャンデリアが吊るされていたようです。
外から見た屋根はピラミッド型をしているのですが、中はドーム状になっていたのですね...。
旧博物館動物園駅・内部

コンクリートで覆われた地下への階段は、どこか廃墟のような雰囲気があります。
古い駅なのでエスカレーターなどは当然ありません。
ホラー映画にでも出てきそうな風景です...。
旧博物館動物園駅・内部

旧博物館動物園駅・内部

窓はガラスでは無く鉄板でてきており、錆々になっていました。
これだと光があまり入らなそうな感じがしますが、昔からこんな感じだったのでしょうか? もしかしたら、廃駅にする時にガラスを外したのかも知れません。
でも、これはこれで妙な美しさを感じてしまいます....。
旧博物館動物園駅・内部

階段の壁は落書きが凄かったです...。
駅として営業していた時からこんな状態だったのでしょうか?
落書きだらけの地下鉄駅は記憶に無いので、駅として最後の日に書かれた物でしょうか?
旧博物館動物園駅・内部

旧博物館動物園駅・内部

階段の折り返し部分です。
この空間は資料の展示スペースとして使用されてました。
太平洋戦争の末期である 1945年、日暮里~上野間の運行は一時運休する事になります。
その間、博物館動物園駅は国に接収され、軍需品の資材置場として使用されていたようです。
戦争が終結した同年10月に運行は再開されますが、博物館動物園駅は 1953年までは営業が再開されませんでした。
旧博物館動物園駅・内部

旧博物館動物園駅・内部

出入口は封鎖されてますが、トイレの跡もあります。
旧博物館動物園駅・内部

実際に電車が行き来しているので、改札付近まで下りる事はできません。
その手前にあるガラス越しに見学する事になります。
左奥に見えるのは「アナウサギを追いかけて」と言うアート作品で、頭から地面の潜るウサギの像です。 2018年にこの像はドーム付近に居たので、ここまで潜って来たみたいです。 次に現れる時は駅のホームですかね....。
旧博物館動物園駅・内部

でかい....。
旧博物館動物園駅・内部

かなりレトロな感じがする改札口です。
廃止になったのは 2004年ですが、1997年には営業が停止していたので設備が更新される事が無かったのかも知れません。
ここのホームは他の駅よりも短く、4両編成の列車しか停車できませんでした。 その為通過列車も多く、利用者が減った要因はその辺りにもあるのかと思います。
一度、ホームも見てみたいですね...。
旧博物館動物園駅・内部

国際こども図書館
地下鉄駅の散策なのでそれほど時間はかかりません。 似たような外観の建物が近くにあるのでそちらを観てから帰る事にします。
一度も中に入った事が無いのですが、美しい外観が印象的なので記憶にのこる建物です。
この建物が建てられたのは明治39年(1906年)なので 100年以上も前の事です。
計画は「ロ」の字型の建物だったようですが、実際に建築されたのは側面の一部のようです。 元々は帝国図書館でしたが、永田町に国立国会図書館ができると分館的な役割になります。 1999年に国際こども図書館になる事が決定し、全面会館は 2002年になります。
国際こども図書館

国際こども図書館

東京国立博物館・黒門
この門は丸の内大名小路にあった鳥取藩池田家江戸上屋敷の正門を移築した物です。
上野駅に戻る途中、東京国立博物館の黒門から見える梅が美しかったです。 今年は暖冬なので梅も満開状態です。 この感じだと桜の開花も早そうです。
東京国立博物館・黒門

東京国立博物館・黒門