北海道 旧笹浪家住宅2019年08月22日

旧笹浪家住宅は、北海道檜山郡上ノ国にある古民家で、北海道に現存する民家としては最古の建物になります。 1838年に笹浪家五代目久右衛門が建てたと伝わる建物で、ニシン漁で栄えた笹浪家の住居兼作業場として使用されました。
ニシン番屋建築の原型とも言われている建物で、国の重要文化財に指定されています。

続100名城「勝山館」訪問の寄り道2つ目です。
旧笹浪家住宅正面の国道228号を挟んで海側に観光用の駐車場があるので、バイクはそこに停めました。 案内を見ると、ここから勝山館跡までは徒歩でも行ける距離のようですが、無理せず旧笹浪家住宅見学後にバイクでガイダンスセンターに移動する事にします。
駐車場からは海が良く見えます。 この辺りから漁に出てたのでしょうか?
旧笹浪家住宅・駐車場

旧笹浪家住宅・駐車場からの眺め

外観は歴史を感じさせる風貌です。 右上には「ほしやまに」の家印も見えます。
勝山館跡ガイダンスセンターとの共通券を購入して建物内を見学します。
この建物は「家督普請扣」と言う、主屋の修理記録が残されている為、建物の経歴は割とはっきりしているようです。
旧笹浪家住宅

内部は、襖などの仕切りが無かったので広々としています。
当時の暖房器具と言えば囲炉裏程度だったと思うと、冬場は相当寒かったと思います。
寄贈されたのは平成2年(1990年)で、その頃まで実際に使われていたようです。 わりと最近まで生活していた事に驚かされます....。
旧笹浪家住宅・内部

旧笹浪家住宅・内部

円空さんが彫った仏像が展示されていました。
薄い板のような物に掘る独特な仏像で、円空さんにしては丸みを感じる像です。
初めて円空仏を見たのは飛騨だったと思います。 日本各地で見かけるのですが、北海道まで来ていたとは知りませんでした。 移動手段が限られていた中での行動範囲の広さに驚かされます。 昔の人は凄いですね...。
旧笹浪家住宅・円空仏

主屋の側には蔵がありました。 こちらの内部にも資料が展示されています。
向かって右側が土蔵で明治18年(1885年)に建てられたようです。
左側にあるのが 1848年に建てられた蔵です。 内部は2つに仕切られていて、北側が文庫蔵、南側が米蔵として使用されていたようです。
外観は右側の土蔵と比べると、しっかりとした造りに見えます。
旧笹浪家住宅・土蔵

旧笹浪家住宅・蔵内部

主屋や蔵の奥にあったのが北ノ国八幡宮の本殿です。
神社の創建は1473年と古く、かなり前から和人が北海道に渡っていた事がわかります。
現在の本殿は 1699年に建立された物で、北海道内で現存する神社建築では最古の物です。
この辺りは意外と貴重な建物が集中しているうようで、思い付きの寄り道でしたが訪問して良かったです。
旧笹浪家住宅・上ノ国八幡宮

では、本来の目的地、勝山館跡に移動する事にしましょう。