長崎県 金田城跡(1)2023年05月01日

金田城跡は、長崎県対馬市にある続100名城の一つです。
大和政権は、663年の白村江の戦に敗れた後、水城、基肄城、大野城などを翌年に築城します。
更に、667年に今回訪問する金田城を築城します。
城山を囲むように、総延長約 3km の城壁が築かれています。 史料が乏しく、城主は不明です。
正確な廃城年も不明ですが、奈良時代には廃城していたようです。

金田城は本土から離れた島にある事から、自分にとっては続100名城の難関の一つです。
今回は基肄城を訪問したその日の深夜便で対馬に渡ります。 なので、今回はさんふらわあ、九州郵船と、フェリーに連泊する事になります。

博多ふ頭第2ターミナル
00:05 発の便に乗船するのですが、九州郵船の対馬行フェリーは、バイク、自転車の特殊手荷物を予約する事ができません。 先着順に手続きする為、万が一、乗船できなかった場合は大変面倒な事になるので、21:30 の発券開始時間前から受付に並んで無事にチケットを購入。
また、ターミナル周辺で夕食を取る予定だったのですが、食事できる場所が無く、コンビニのパンやおにぎりで済ませる事に...。
博多ふ頭第2ターミナル

博多ポートタワー
1964年に建てられた塔です。 設計は東京タワーや通天閣を手掛けた内藤多仲氏。
博多港に関する無料のミュージアムになっています。
ライトアップされていて、港では非常に目立つ建物です。
博多ポートタワー

乗船手続きまでのバイク用駐輪スペースがちと狭い...。
XSR-700 位のサイズであれば問題無いですが、もっと大きなバイクだと出し入れが大変かも..。
手続き後は埠頭の方に移動して、乗船まで待機します。
当日の深夜便に乗船したバイクは10台程度だったので、あまり心配しなくても良かったかも知れません。
博多ふ頭第2ターミナル・バイク

フェリー到着。 航行距離の割には小さ目のフェリーです。 揺れないか心配ですね..。
00:05 に出航し、04::45 に厳原に到着します。
2等自由席なので、大部屋で寝場所を確保してすぐに寝る事にします。
が、予想通りフェリーの揺れが大きく、あまり眠れませんでした。 ウトウトしてたら厳原に到着。
対馬行フェリー

早朝、厳原港から金田城の間に営業しているコンビニやガソリンスタンドは存在しませんでした。
給油や食べ物などの買出しは乗船前に済ましておく事をお勧めします。
金田城登山口への林道は細く、距離もかなりあるので大きな車の場合は注意が必要です。
早朝、6:00 頃に登山道入り口手前の駐車場に到着。
この先にも駐車場はありますが、道路が舗装されてなかったので、ここの駐車場に停めました。
ここから登山道入り口まで歩いても、距離は 200m 程度なのでたいした事はありません。
林道はかなり道幅が狭く、距離も長いので注意が必要です。
金田城・登山口手前の駐車場

城壁の上を歩いてるような登山道です。
綺麗な道なので、最近整備された道だと思いますが、「ここまで綺麗に作るかな?」と言った印象を受けます。 昔の登城路を拡張したのでしょうか?
立派過ぎて少し疑問を感じます。
金田城・登山道

南門跡
最初に見える遺構が南門跡です。
発掘調査中なのか、修繕修理中なのかは不明ですが、南門はシートが被せられている状態でした。
向かって左側の石垣は崩れてますが、右側の状態は良さそうです。
間口 3.2m、奥行き 1.84m あり、水抜きの溝も見つかっています。
シート越しに見える形状からしても、階段状の石畳も保存状態が良さそうに思えます。
本来は、この門の先が登城路だと思うので、先ほど歩いてきた登山道は当時の登城路では無いのかも知れません。
金田城・南門跡

金田城・南門跡

海岸の方に戻ると、金田城を囲む石塁の一部、南東隅石塁が見えてきます。
かなり大規模な石塁だった事が分りますが、石垣はだいぶ崩れてるようです。
ただ積み直せば良いと言う事でも無いと思うので、この先の保存方法が難しい所です。
とは言え、素晴らしい眺めです。
奥に見えるのは湖では無く黒瀬湾。 対馬の複雑な海岸線がここからも分かります。
金田城・南東隅石塁

掘立柱建物跡
南東隅石塁を下って行くとその途中に2棟の掘立柱建物跡が見つかっています。
この遺構の周辺から出土した物から、7世紀後半の建物跡と考えられています。
南門守備兵の詰所や、見張り場としての使用されていたと考えられています。
金田城・掘立柱建物跡

南東隅石塁
南東隅石塁は、石塁の下に行って見学する事が出来ます。
ここの石垣の角の部分は、ほかよりも外側に張り出しています。 これは攻めてくる敵を横から攻撃する為の「横矢」と呼ばれている仕組みです。
遠くから見た時の石塁は、だいぶ崩落が進んでる感じがしましたが、下から見ると思ったよりも修復されていました。
金田城・南東隅石塁

金田城・南東隅石塁

金田城・南東隅石塁

金田城・南東隅石塁

三ノ城戸
南東隅石塁から、だいたい20分程度で三ノ城戸に到着します。
沢があった場所には城内に出入るする為の城戸が設置されました。 城戸は沢の谷間に設置された為、水圧を逃がす為の水門が設置されました。
西側の石垣は比較的保存状態が良さそうですが、東側の石垣はだいぶ崩落が進んでるように見えます。 この先はルートが2つに別れますが、今回は石塁ルートを進む事にします。
金田城・三ノ城戸

金田城・三ノ城戸

金田城・三ノ城戸

金田城・三ノ城戸

石塁ルートを進みます。
ここからの眺めは素晴らしいです。
このルートを通ると、金田城の石塁が、海から切り立った崖の上に築かれた事がわかります。
金田城・石塁ルート

金田城・石塁ルート

この後、ビングシ山を経由して、二ノ城戸、一ノ城戸まで散策したいと思います。